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「ままならないから私とあなた」を読みました。


朝井リョウさんの「ままならないから私とあなた」を読みました。


とても面白かったです。
味わったことのない感情を体感できて、素晴らしい読書体験となりました。


結果と過程。
結果さえ良ければ、別に過程なんてどうでもよくない?
取っ払っちゃった方が、効率いいし合理的じゃない?


音楽の道をもがきながら追求していく主人公。
主人公の友人は、主人公のために良かれと思って、その音楽の道が最短ルートで成功するような援助を行おうとする。


大事なのは結果です。
いやいや、大切なことは過程にあるよ。


例えば僕は筋トレが趣味です。
今、ベンチプレス100kgを挙げることを目標に、日々トレーニングに励んでいます。


お金を払えばベンチプレスの重量を伸ばしてあげるよ?
そう言われても、きっと僕は断るでしょう。
そこに意味を感じないから。
地道にトレーニングを積み重ねて、そこで辿り着く100kgにこそ意味があると思っているから。


きっと合理主義の人には、なんて無駄なことをしているんだと思われてしまうでしょう。
そんなことやって何の意味があるの?
どこを目指してるの?


目指してるのはきっと、目標に向かって活き活きと生きる日々です。そして実際、目標に向かってトレーニングをしている日々は、誰が何と言おうと楽しいのです。


自己満足でいいのだと思います。
極論、誰の人生にも意味なんてありません。
何を成し遂げようといつか必ず死ぬのだし、僕やあなたがこの世界から消えたところで、その穴を誰かが塞ぎ、社会は変わらずに日々を繰り返していくのだから。


だから、どうだっていいのです。
楽しければ、それでいいのです。


今日で人生が終わるとしても、僕はきっと筋トレをするでしょう。
いやいや、鍛えたところで死んじゃうのに、意味なんてあるの?
意味はないです。でもそこに、充実感はあります。


自分を好きだと思いながら死んでいきたい。
やりたいことをやっている納得感を抱えながら、あっちの世界へと旅立っていきたい。


何かの結果を得たとしても、それは人生の中で過程でしかありません。
人生は常に過程です。いつか死ぬという結果だけは決まっています。


過程を楽しんでいきましょう。
ままならない人生だけど、だからこそ伸び代を伸ばしていく楽しみがあり、今日より明日はもっと成長できるというワクワクがある。
完璧な人間で、レベル100のまま生きる人生は、きっと味気なくてつまらない。


ままならない自分を認めてあげること。
そして、人間なんてみんなままならないんだという事実を忘れないこと。


自分なんてダメだと、自分を責めないこと。
ダメだから、もっとマシになるという過程を楽しんでいける資格があるということ。


僕はままならない。あの人も、きっとあの人だって、完璧なふりをしてるけどどこかに欠陥はある。


それでいい。そのくらいでいい。
いつか終わりが来るその時まで、ままならない自分という物語を、楽しんでいけたらいいなと思いました。

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