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弱おじの本棚

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2024年8月の記事一覧

人生と小説はマジ自由。「みどりいせき」を読んで感じたこと。

人生と小説はマジ自由。「みどりいせき」を読んで感じたこと。

大田ステファニー歓人さんの「みどりいせき」を読んだ。

お洒落。ポップ。
今風。

小説というお堅い存在に抵抗がある人は、騙されたと思って読んでみて欲しい。
こんな小説もありなんだと、表現は自由なのだと、きっと驚くはずだ。

人生を楽しむ。
ルールなどない。

物語の内容とか、それ以前の部分で強く感銘を受けた作品。

作者の生き様だとてもかっこいいです。
やりたいことやろう。
人生はまだまだ楽しめ

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「闇祓」を読みました。

「闇祓」を読みました。

辻村深月さんの「闇祓」を読んだ。

ホラーミステリーというジャンルで、ドキドキしながら、時に共感しながら楽しく読み進めた。

本書のテーマである造語の闇ハラだが、現実世界でも往々にして起こっていることだと感じる。

自分の闇を他人に押し付け、自分本位に苦しめていないか。
心を曝け出しているようで、相手の困った顔を見てみないふりしていないか。
なんなら可哀想な表情を見たいとまで思ってないか。

本書

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「名探偵のままでいて」を読みました。

「名探偵のままでいて」を読みました。

小西マサテルさんの「名探偵のままでいて」を読んだ。

認知症を患った祖父が、その幻視を通して事件を解決していく物語。

主人公である孫娘との、暖かなやり取り。
周囲の人間たちとのつながりに心がほっこりする。

本作は、作者の父が実際に同じ病を患ったところから発想を得たそうだ。

きっと介護の中で辛いことややりきれない気持ちも多くあったことだろう。
それを物語に昇華し、多くの人の感動や喜びを生み出し

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複数の世界を持ち、半身で気楽に楽しむという人生のコツ。〜「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んで〜

複数の世界を持ち、半身で気楽に楽しむという人生のコツ。〜「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んで〜

三宅香帆さんの「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んだ。

まず、本当に読んでよかったと感じている。
面白かったし、人生について考える良い機会を与えてくれた。

タイトルを見て、敬遠していた。
単なる読書術の本だろうと。

全く見当違いだった。
この本は読書だけじゃなく、「生きる」ということの本質であったり楽しみ方を提示してくれる素晴らしい本だ。

詳しくは読んでほしいので、自身に響いた部

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「spring」を読みました。

「spring」を読みました。

恩田陸さんの「spring」を読んだ。

天才男性バレエダンサーを描く物語。
躍動感が凄まじい。
登場人物だけじゃなく、文字まで踊っているみたいだ。

何より、おしゃれ。
シンプルなデザインは、まさに研ぎ澄まされたバレエの世界の住人のようだ。

バレエの世界は全く知らなかったからこそ、新しい世界やまだ見ぬ才能に触れることができ、とても素晴らしい読書体験となりました。