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更年期とNO(一酸化窒素)を増やす方法
更年期の記事になぜNO(エヌオーと読みます)が出てくるのだろうと思われる方もいるかもしれません。
実は大いに関係があって、症状にも現れてきます。
症状とは、肩こりや胸痛を起こす微小血管狭心症などがあります。
症状でも肩こりや胸痛に関してはその対策として一酸化窒素を増やすことがあげられます。
一酸化窒素が、呼吸器系の治療に使われていることをご存知の方も多いと思います。
一酸化窒素は血管拡張を促しますので、「肺高血圧症」の治療にも用いられています。
私が大学病院に勤めていた時に、NICUでの赤ちゃんたちの治療の機械の中にもありました。
一酸化窒素が、肺動脈を拡張することで、肺高血圧が改善されます。
新型コロナウィルス感染による肺炎治療にも使われたと思います。
一酸化窒素と血管拡張の仕組み
私たちの身体の中で一酸化窒素は重要な作用をしています。
一酸化窒素と血管拡張の仕組みについては、下記の先生の記事をお読みください。
満岡内科・循環器クリニック (mitsuoka-clinic.or.jp)
更年期は一酸化窒素(NO)の産生が減少する
エストロゲンには動脈硬化を予防する作用があるのは、広く知られていることです。
エストロゲンは血中のLDL(悪玉)コレステロールを減少させ、HDL(善玉)コレステロールを増加させます。
また、炎症は動脈硬化を悪化させることが知られていますが、エストロゲンには抗炎症作用があるため、間接的に動脈硬化の進行を抑制する可能性が示唆されています。
さらにエストロゲンは体脂肪蓄積や2型糖尿病の抑制に働きますので、間接的に動脈硬化を予防しています。
もう一つ、エストロゲンは血管内皮細胞に作用してNO産生を促し、血管を拡張させる直接的作用です。
更年期になりエストロゲンが減少すると動脈硬化が進み、心血管系疾患になりやすくなります。
エストロゲンは増やすことはできませんが、一酸化窒素は増やすことができます。
一酸化窒素を増やすにはどうしたら良いか?
更年期になって一酸化窒素が減少するのは、エストロゲンの減少が原因ですので、エストロゲンを補う、ホルモン補充療法があげられます。
また、エストロゲン様の作用があるエクオールも、動脈硬化を予防する作用がありますから、これも効果があると思われます。
ホルモン補充療法、エクオールサプリメント摂取の他に、何があるでしょうか?
一酸化窒素を増やす食品
前述の満岡先生の記事から引用します。
アルギニンを補うには
アルギニンは、食事で補うこと以外に、尿素回路(有害なアンモニアを無毒な尿素に変えて解毒する経路)においてオルニチンやシトルリンといったアミノ酸からも体内で作ることができます。
アルギニンが多い食品
落花生、きな粉、ごま、しらす干し、くるみ など
オルニチンが多い食品
エノキタケ、しじみ、キハダマグロ、チーズ など
シトルリンが多い食品
スイカ、メロン、キュウリ、ゴーヤ、クコの実など
一酸化窒素を増やす運動
運動によって一酸化窒素を増やすことができます。
下記に詳しく載っていますので、ご参照ください。
ポイントは
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ベンチステップ
ベンチステップは、こんな感じです。
タオルグリップ法
もうひとつがタオルグリップ法です。
血圧を下げる運動として紹介されていますが、この運動で一酸化窒素が産生され動脈が拡張するので血圧がさがる作用があるからです。
タオルグリップ法
カナダ人医師が考案し、アメリカの心臓学会でも評価されている「ハンドグリップ法」は、患者がひとりで行え、血圧を下げることができる運動です。握力を測ることができる「デジタル握力計」を使い、自分の最大握力の30%の力で、2分握って1分休むのを左右2回ずつ行なう方法で、所要時間は約10分、1日に一回でOK。この「ハンドグリップ法」を誰もが手軽に実践できるよう、日野原クリニックの久代登志男先生がアレンジした「タオルグリップ法」のやり方とポイントを紹介します。普通のタオルを四つ折りにして、端からクルクルと巻いて「タオル巻き」を作る。指と指がくっつかない状態で、軽く2分握り・1分休むことを、左右2回ずつ行なう。
タオルを軽く握る力が、ちょうど30%程度の力に相当する。
タオルを握る時は、手を心臓より高い位置にしない。呼吸も止めないで。
1日に1回、10分程度で十分効果があるため、やり過ぎない。3~4日に1回は休みの日にする。
血圧の上限が180-110以上のかなり高い人は、医師と相談して行なう。
※参考文献:『高血圧がスーッと落ち着くタオルグリップ法』久代登志男著(洋泉社)
タオルを使わなくても、手のひらを合わせて力を入れて押し合って急に緩める、お腹や脚に力を入れてふっと緩めるなどでも、1日に数回行うことでNO産生を増加することができます。力を入れる時間は5秒くらいから始めて徐々に長くしていきましょう。ごく手軽な運動でも、無理をせず休憩をとりながら行いましょう。
簡単な運動なので取り入れやすいかと思います。
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この記事は私が書きました。
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