「子どもを持ちながら働く」を当たり前の社会にする。ワークシフト研究所の広報1年生
まもなく、広報としてワークシフト研究所に参画して1年が経ちます。
よい機会なので、ワークシフトにジョインすることになった経緯、またこの1年どんなことをしてきたのか、備忘録的にまとめておこうとキーボードを叩きました。あくまで備忘録、かつ余談多めですが、お付き合いいただけると嬉しいです。
ワークシフトとのなれそめ
昨年はちょうど今頃、それまで3年ほどお手伝いしていたITスタートアップからの卒業を決め、次の仕事を探し始めた頃でした。そんな矢先、育休プチMBA®を運営するワークシフト研究所(以下ワークシフト)のメールマガジンに「広報スタッフ募集!」の文字を見つけました。
ワークシフトは、産休中・育休中の方や、育休から復職された方向けに赤ちゃん連れOKの「育休プチMBA®」を主催するほか、キャリアコーチングや人材紹介事業を展開しています。この他、企業や官公庁、自治体向けに女性リーダー・管理職研修や、ダイバーシティ研修・コンサルティングなども手掛けています。女性向けの色が濃いですが、男性も参加いただけます。
私はワークシフトが設立される前に、マドレボニータさんのバランスボール教室で出会った友人に誘われて、母体の育休プチMBA®に参加したことがありました。当時は、そこに集う優秀な皆さんにただただ圧倒されて一度の参加で終わってしまいましたが…。
ワークシフト、育休プチMBA®の始まりについてはこちら(↓)をどうぞ。
求人には、
とあり、そのとてもフレキシブルな勤務体系とフラットな組織体系、成長中の企業であることに目が惹かれました。
こちらでも書いていますが、私は地方在住のフリーランスです。
タイトルに1年生と書いていますが、広報業界に生息して早四半世紀…。
他の企業様ともお取引がある上、体調不良で学校を休みがちな子供を抱えているので、このような勤務体系は理想的です。私に限らず、時間と場所に縛られなければもっともっとたくさんの女性が活躍できると思うんですよね…。
話がそれましたが、ワークシフトは育児や介護との両立、女性活躍を推進している企業ということがあり、職業人としての自分も、娘がいる母親としての自分も親和性が高いと思い、経歴などをまとめて急ぎメールを送りました。
7年を経て、ご縁があって2021年の7月からお仕事をご一緒させていただくことになりました。
ワークシフト研究所の抱える課題
ご一緒させていただくことになった、のはいいのですが、実はワークシフト、開始当初から草の根的にメディアさんにご取材をいただき、これまで口コミで受講者さんや研修先が集まっていた、という素晴らしい実績がありました。
カギとなるメディアさんとは良好な関係ができていて、一般的なスタートアップやベンチャー企業さんが見たらとてもうらやましい状況でした。
しかも、代表の小早川優子さんや所長の国保祥子さんは本も書ける…。
しかし一方で、新サービスや新商品のように「何か新しいこと」が毎週・毎月豊富にある企業さんと違い、常に新しいことを探しておられるメディア・記者さんにご案内できる内容は限られています。
また、興味を持っていただけそうな記者さんも「女性x仕事」という限定的な文脈に関心のある方に限定され、よって広範かつ継続的なアプローチがしにくいという、実は広報担当者泣かせの企業さんでもありました。
そして、口コミにもやはり限界が来る時はあり…。コロナ禍でワークシフトにも一気にその限界がきていました。
実は「広報」という職種、企業によってその職務内容に相当幅があります。
私は広報代理店の経験が長く、広報・PRといえばプレスリリースや記者さん向けのイベントを含むメディアアプローチを中心としたコンサルティングなどを得意分野としてきました。
一方、IRやSNS、ウェブサイトの制作・運用までが広報の職務となっている企業さんも多いですし、マーケティング・広告担当者が広報を兼任していることもあります。
広告と広報は考え方が似て非なるものなので(最近はこの境界もあいまいになりつつはありますが)、できる限りこの担当は分けた方がいいと思います。例えば、広告担当がイケイケで発案した企画が多分に炎上要素をはらんでいた場合(リンクは貼りませんが、某ストッキング会社さんの例)、誰かがどこかでその企画に疑問を呈することが必要であり、それができるのが常に世論をウォッチしている広報担当でもあると思っています。
ワークシフトでは「新規顧客開拓」により主眼がおかれていました。
通常は、マーケティング・リードジェネレーションなどの範疇になるこの領域、私がどのように貢献できるのか、試行錯誤しながらこの1年、こんな感じでやってきました。
ワークシフトの広報担当としてこの1年取り組んだこと
新しい企業さんとお仕事をするときは、何はなくともまずはリサーチ。
どんなメディアで、誰が、どんな文脈で女性 x 仕事を語っているのか、例えば男性育休など、どんな新しいキーワードがニュースになっているのかを日々把握します。そしてこのリサーチをもとに、ワークシフトに関心をもっていただけそうな記者さんや、何かご一緒できそうなパートナー候補のデータベースを作っていきます。
インバウンドの取材依頼などがあれば随時対応し、
並行して、社内で誰が、どんな文脈で何を話せるのかを把握し、関心をもっていただけそうな方にこちらからご案内をしていきました。
この記事(↑)は、「日経ヴェリタス」紙面にも掲載されました。代表曰く金融専門紙でこの内容は珍しい!とのこと。
さらに、発表や告知できることがあれば、作っておいたデータベースから個別にご連絡をして、反応がよければ、取材やブリーフィングを設定していきました。
取材やブリーフィングを行っても、記事を書いていただけるかどうかは相手次第になります。また、記事にしていただけたとして、編集権はメディアさん側にあるのでその内容には関与できません。ここが広告とは大きく違なるポイントで、担当を広告と分けた方がよいもう一つの理由です。
12月にイベントを開催した折にはご取材をいただけるよう取り計らい、
PR Timesさんが実施するApril Dreamプロジェクトも活用しました。
他社との協業
そして、ワークシフトと親和性が高そうな企業様とのコラボレーションもいくつか実施させていただきました。
結果…?
広報の成果は数字で図ることがなかなか難しいというのは常日頃感じていることなのですが、
同時に広告やキャンペーンを展開する場合があったりするので、単純に広報だけの成果とは言いにくく、どちらかというとマーケティングや広告と一緒に相乗効果を図っていく活動だと考えています。また、長期的に企業のファンを育てていく活動でもあります。
記事をみたよ、と言っていただけたり、こんな感じ(↓)や
こんな感じ(↓)で
これまでお付き合いのなかったメディアさんから取材の問い合わせが入ることはひとつ成果だと思っています。
今回こちらの振り返りをするにあたり、代表にフィードバックをお願いしたところ、最近、過去の育休プチMBA®受講者さんから「広報戦略を変えましたね?他社とのコラボレーションなど、社会に育休者が受け入れられているようで嬉しい」(意訳)と、こちらも嬉しくなるコメントをいただきました。願わくは、新規のお問合せ・お客様もじゃんじゃん増えますように…。
最近の話
最近では、個人的にこれまでに経験のなかった分野にも少しずつ触れさせていただいています。例えばリスティング広告(検索連動型広告)の運用。
7月7日に発売される「日経WOMAN」では、初めて広告出稿の手配をさせていただきました。
また、5月からは育休プチMBA®の上位版であるプチMBAマスタープログラムに参加させてもらっています。プチMBAマスタープログラムは、MBAと同等の教材を用いて経営学の基礎を体系的・効果的に学ぶプログラムで、18科目を6か月かけて履修します。修了証も出るので、法人での社員研修としてご利用いただくことも可能です。
皆さんも「学び直し」や「リスキリング」といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。実際に自分でプログラムを体験して、その良さを皆さんにもお伝えしていきますので、 #プチMBAマスタープログラム のタグでTwitterを検索してみてくださいね。
今後挑戦してみたいこと
ここに興味深いデータがあります。
中学の女子生徒会長1割だけ…背景調査へ 小学校は均等(朝日新聞, 2019)
小学校の児童会長は男女のバランスがとれているのに、中学校になると女子生徒が会長になる比率ががぐっと減ってしまうそうです。
そしてこちら。
『女の子なんだから・・・』女子の自信を砕く呪いの言葉(NHK「クローズアップ現代」, 2022)
ワークシフトは主に20代後半から40代の女性を対象としていますが、これより早い段階で、女性の自信喪失を防ぐことが重要ではないかと最近思うようになってきました。ワークシフトの知見を中高生あるいは中高生と関わる皆さんにも展開することで、次世代の女性のリーダーシップ発揮に貢献できないか模索していきたいと考えています。もし何かご一緒できそうな企業様がいらっしゃいましたら、是非お声がけ下さい。
個人的には、今年8歳になる娘が社会に出た時に、仕事も家庭も趣味も、やりたいことをあきらめなくていい、ガラスの天井、マタハラ、マミートラックなどという言葉が撲滅されている世界を目指して、働き続けていきたいと思います。
両立や女性活躍の分野でワークシフトの知見が皆さまのお役に立つように、引き続き試行錯誤を続けていきます。
代表は、何やら新しいサービスを検討中とのこと。次がどんな1年になるか、何を皆さんにお届けできるか楽しみにしつつ、今日はパソコンを閉じたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
育休プチMBA®やプチMBAマスタープログラムが気になる方は、こちらのブログをどうぞ。参加者限定のコミュニティもあるので、育休中に勉強したい方、働くママ仲間が欲しい方は是非一度、気軽に育休プチMBA®に参加してみてくださいね!
育休プチMBA®を一緒に全国展開していく仲間(育休プチMBA®認定ファシリテーターになりたい方)を募集しています。一緒に取り組んでいただける方、お知らせください!
MBAマスタープログラムは、修了証も出るので、法人での社員研修としてご利用いただくことも可能です。見学・ご相談をご希望の研修担当の方はこちらからお知らせください。