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『Codaコーダあいのうた』家族がわかりあうための歌声ー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(22)
映画館で久々の号泣。涙止まらず。こんなのホントに久しぶり。 主人公のルビーが歌を歌うたびに涙が出ちゃうんだけど、同時に自分も歌いたくなってしまう不思議。 アメリカ東海岸で漁業を営む小さな家族。父・母・兄は聴覚障害があるが妹のルビーだけは健聴者です。そのため彼女は家族の中でなくてはならない存在。高校生の彼女にとって家族は大事だが重荷にもなっています。そのルビーは歌が大好きで素晴らしい才能もあるですが…。 この映画は正攻法の家族物語でありながら、凡庸なお涙頂戴ではないところ
『サバイバルファミリー』じつはお父さんが隠れテーマのサバイバル映画ー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(20)
こういう映画をB級映画と呼ぶのが適切かどうかわかりませんが、屈託なく楽しめるという意味でB級映画のよさが満載です(私はB級映画という言葉をマイナスの意味で使ったことはありません)。 ストーリーは単純です。東京が突然、原因不明の停電状態になります。この状況下でドタバタを繰り広げるごく普通の家族(小日向文世・深津絵里・葵わかな・泉澤祐希)が主人公となります。 バス・鉄道が止まって駅が大混乱。歩いて出勤。マンションの10階から降りてゴミ捨て。財布を忘れて再び階段。ロウソクと自転
『ファウンダー』マクドナルド巨大化のきっかけはナショナリズムだったー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(18)
「ファウンダー」とは〝創業者〟という意味です。では、あのマクドナルドの創業者は誰か?これがこの映画の主題です。 一人のうだつの上がらないセールスマンが、偶然にも大繁盛するハンバーガー屋を見つけます。そして彼はこの店を経営するマクドナルド兄弟が開発した無駄のないスピーディーな商品提供システムに感動してフランチャイズ化を提案します。 そしてご存知の通り、マクドナルドは全米さらには全世界を支配する企業へと上り詰めるわけです。では創業者はマクドナルド兄弟なのか?それとも巨大企業へ
『いしゃ先生』貧しかった頃の日本はこんな人に支えられていたんだー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(15)
http://ishasensei.com/ 実在の医師・志田周子の半生を描いた映画です。 時は昭和10年。日本がまだまだ貧しい頃のお話。しかも、舞台となる山形県の村は雪深い山奥。そこはさらにもう一段上の貧しさ。もちろん無医村です。 そこへこの村の出身である志田周子が医師としてやってきます。まだ医学を勉強中で東京に恋人がいる周子は不本意ながら3年間だけという約束で村長(周子の父親)の頼みを聞き入れます。そして…。 この映画は、貧しかった頃の日本を教えてくれます。貧しい
『461個のおべんとう』日本人の心をわしづかみするお弁当のもつ力ー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(14)
https://461obento.jp/ これは某SNS関連のお友達から紹介された映画です。 で、じつはそのお友達からお弁当に関連するあるプロジェクトを紹介されました。それを見て、改めて私たち日本人にとってお弁当というのは民族のタマシイ的なものがあるな、と感じていたところだったんです。 そんなところでこの映画を見たところ…。今の私の心にドンピシャ!でした。 一言で言うならベリー爽やかな映画です。主役の親子(井ノ原快彦・道枝駿佑)にグッと来ます。その親子の絆が毎日のお
『海よりもまだ深く』みんな不満なんだけど希望も捨てないのが人生ー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(13)
これ5年前の映画です。蒔田彩珠が子役で出てるというので見てみました。主人公の姉の長女役。ホンのちょっとだけですけど。 でも映画そのものは面白い! 嫌いな人もいるみたいですが、是枝監督ってある意味天才的な監督だと思います。 何気ない家庭の風景、何気ない家族の会話の作り込み方が半端なくリアルなんです。 この作品では主人公の売れない小説家(阿部寛)の母親(樹木希林)が団地に住んでいるんですが、彼女が料理するときに使う使い込まれたお鍋が何ともリアルなんです。これを見るだ
『長いお別れ』本人と家族の人生がリンクする涙と笑いの認知症映画ー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(12)
この映画のテーマは「認知症」です。 と言えば私の映画レビューの第1回が同じく認知症をテーマにした『ファーザー』の紹介でした。 というわけで、必然的にこの2本を比べながら見ることになってしまいました。 義父母を介護した経験のある私の妻いわく『長いお別れ』は実体験にかなり近くて現実を反映しているということです。当時の私は横からちょっと手助けしただけだし、施設でお世話になっている実父も認知症がひどくなる前に運よく入居できたので妻ほど苦労はしていません。なのできっと妻の評は正し