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『朝が来る』生みの母と育ての母・その葛藤ー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(21)

久しぶりに映画のすごさを堪能しました。

できれば映画館で見たかった…が見終わった直後の感想です。

私が今イチオシの蒔田彩珠がこの映画で各映画祭の新人賞や助演女優賞を総ナメしてます。

主演は永作博美ってことなんでしょうが、もちろん永作博美もホントに素晴らしいんだけど、助演の蒔田彩珠が永作博美をある意味で「食って」しまってます。

…いやそれは言い過ぎかもしれません。蒔田の「陰」が永作の「陽」をより輝かせていると言った方が正しいかな。

ただハッキリ言えることは、この「陽」の永作博美と「陰」の蒔田彩珠との対決は、もし蒔田の「陰」にこれだけの力がなかったら単なる「陽」永作のお母さん頑張れ!ドラマになっていた可能性があるということです。

さて、この映画のストーリーは生みの母と育ての母それぞれの悩み、苦しみ、葛藤で構成されていて、最後は人にとって母というのはどんな存在なのか?を問いかけています。

私たちは母の存在なくしてはこの世に生まれず、母の愛なくしてはこの世を安心して生きていくことができません(母の愛とは母性と呼ばれるものです。念の為)。

二人の息子である幼稚園生のアサトくんはアサトくんのわかり方でそれを理解していると私は思います。この映画はそれを明確にメッセージしてる、と感じました。

ちなみに「じゃあ父はどうなんだ?」と言われそうですが、少なくとも父をテーマにこういう映画は作れませんね。作れないし、作っても誰も見ないでしょう。

つまり、この映画のすごさは真正面から母をテーマにした、ということにあると思います。



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