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補教〜「ハイ!喜んで」

一般の会社は体調不良とかで有給休暇を取得した時に、どのようにするかは分かりませんが、教員の場合は、朝電話をして管理職(東京の場合は、副校長が承認権者です)に繋いでもらい、休暇取得を申請します。その後、今日一日クラスの子供たちにどんな学習をさせるか計画を伝えます。その計画に基づいて、その日の時間割で授業のない人が1コマ毎に休んだ担任の教室に行き、担任が指示を出した学習課題を子供たちにやらせます。
これを「補教」と言います。

「空き時間」にノートチェックして、日記見て・・・って思ってたけれど!

学級数によって、学級担任以外に「専科担当教員」が数名います。「図工専科」「音楽専科」「家庭科専科」などなど。担当教科は校長の経営方針によって決まるので学校によってさまざまです。
学年によって「音楽」や「図工」などは、専科教員が指導するので、学級担任は子供たちから離れて仕事をすることができます。これを「空き時間」と呼びます。多くの教員はこの空き時間に前日出した宿題のノートをチェックしたり、テストの採点をしたりするつもりで出勤してきます。
そんな朝に「○○先生(お互いに「先生」って呼び合う問題については別記事で)、2時間目補教お願いします」って声がかかります。
さて、どんな気持ちになりますか?
「せっかく、丸つけしようと思ってたのに・・・(泣)」って、思っちゃいます?もし、自分が具合悪くなって、学校休むことになったら?

「ハイ、喜んで!(絶対笑顔で)」

補教を割り振る人は、空き時間一覧表を見て、人を決めて声をかけてきます。休んだ人と同じぐらい申し訳ない気持ちです。
もし声がかかったら、必要以上に、補教に行けて嬉しいっていう演技で行くしかないのです。あなたに声をかけるまでに関わった人は誰一人として、すき好んで選択したわけではない。具合が悪くなった人も、子供が熱を出したお父さんも。であるなら、誰かがこのマイナスの流れを止めるしかない。
誰がやるか。
自分です。
担任って、クラスの子供たちには、「他人のピンチに進んで、手を差し伸べるそんな子になってほしい」って思って接しているでしょ。だったら、担任が見本を見せるしかない。どんなに作業の予定があっても、「分かりました(笑顔)」で受けなければならないのです。
なぜか?「情けは人のためならず」です。
いつかあなたが休んだ次の日に、あなたじゃない人が臨時に教室にやってきて、ドリルやらプリントやらをやらされた1日を何事もなく過ごすことができて、あなたのピンチを救った子供たちが笑顔で迎えてくれるから。
「先生、大丈夫?」って。
では、復唱してみましょう。
「ハイ!喜んで!(補教に行きます)」

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