ピンとこない「海業」と、絶望の「女性活躍」
先日とある漁業関係のセミナーのファシリテーターをする機会を頂きました。
参加者は漁村女性(女性活躍が狙いのセミナー)。ディスカッションのテーマは海業(このテーマは主催団体様のご指定)。
今更女性活躍とか言ってるの古くないか?っていう私の腹の内をひそかにぶつけたくて、「多様な視点を取り入れた取り組み」というサブタイトルをつけて、性別も世代も国籍もよそものも身内も色々な人が関わることでより面白く、よりよくなるよねということを体感するワークショップを目指しました。
事例をお話ししていただいた方々は、みんな本当に素敵で、一言一言が力強く、参加者みんなが力をもらいました。
そして、ご参加の方々も、たくさんの質問や意見、コメントをおしまず出してくださり、すごく活発なディスカッションの場になりました。
まさに、多様な視点を受け入れてみる柔軟性を会場全体から感じました。
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ここからは、このセミナーをつくるにあたって、私の中に見つけたモヤモヤ。
「女性活躍」と「海業」にイマイチ納得できてないところがありまして。
つまり、今回のセミナーは依頼元のオファー内容にほとんど腹落ちせずお引き受けしたことになるのだけれど(笑)
モヤモヤ①
テーマ設定にもぶつけたが、私ら世代は「男女雇用機会均等法」を歴史のできごととして習ったのに、まだ「女性活躍」と声を挙げなければならない世の中であることに結構絶望感を抱いた。
多分先輩方は本当につらく切ない出来事とたくさん戦ってきてくれて、だからこそ私はあまり女性であることのハンデを感じずに生きていれるのだろうと思うけど、それでもまだ、この世の中は(特に漁業界がそうなのか?)「女性活躍」を掲げなければならないほど性による差があるようだ。
気にしすぎ?なのもあるのかもしれない。けど現実に「男尊女卑」という言葉が飛び交ったり、「女性は船に乗れない」とかそういうハードルに悩んでいる人がいるのも事実。
男性からも女性からもなんとなく、女だから、男だらかに縛られた何かを感じる。
セミナーの後に「やっぱり女性の意見を聞く機会は大事ですよね!」ってキラキラした表情で感動を伝えてくださったおじさまがいたけれど、その悠長さと上から目線にポカンでした。ある意味感動ポルノを彷彿とさせる。
モヤモヤ②
もう一つのもやもやが、「海業」。これはいまいちまだピンと来ていません。海業の定義って何ですか??どういう意図の政策なんでしょうか?
海や漁港を食料生産の場所として守ることは、国として諦めたということなのかな?
サービス業や観光業で漁村が潤うことはとっても良いことだと思う。けど、漁業にはもっとエッセンシャルな食料安全保障の機能がある。そのことにみんなが気付いて、消費行動や生活をより良い方向に変えていけるような方針が根底にあってほしい。漁村が儲かることも大事。でも、それはあくまで日本人が飢え死にしない未来をつくるための手段。
クソどうでもいい仕事に溢れて、だれも農業の仕方がわからない、漁業の仕方がわからない、イコール食べ物を自給できない地域を未来に残すつもり?
未来の危機は他人事で、今儲かることや自分が評価されることだけ考えて政策つくってるの?そのまま人生逃げ切り?
「自分が生きてる間はなんとかなってよかった~」って感じか?
ここのモヤモヤをもっとうまく伝えられるようにすることが、今年の目標の一つになりました。
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