小さな音に灯が宿るピアニスト/ブルース・リウの演奏を、フランクフルト放送響の公演で聴く
2024年10月16日、フランクフルト放送交響楽団の来日公演(@ザ・シンフォニーホール)に行った。個人的なお目当てはソリストのブルース・リウ。2016年から仙台国際音楽コンクールで頭角を現し始め、ショパン国際ピアノコンクールでは見事覇者になったピアニストである。
この日、彼が演奏したのはベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番『皇帝』。第1楽章時点では、正統なアプローチでありなつつやや音も表情も固く、ショパコンにあったような前進性が落ち着いているように感じたけれど、意外な方向から