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東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
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2022年5月の記事一覧

【5/29楽天戦●・戸田西武戦◯】チャンスはいつめぐってくるか、わからないから

久々に、というか今シーズン初めて、息子と二人で戸田へ行った。前日まで一泊二日ディズニーリゾートを満喫し、くたくたになって自宅へ戻ったのだけれど、今度は戸田の夢の国である。なかなか、タフだ。行きの電車で、息子と二人で爆睡しながら向かう。 ディズニーに引き続き、ほんとうに良いお天気である。着いたときにはもう試合が始まっていて、「ママ!!!ぐっちだよ!!!」と、戸田の直射日光でフラフラになっている私を息子がひっぱってくれた。ああ…かっこいいわ今日もぐっちは…と、私は戸田の直射日光

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【5/26日ハム戦●5/27・28楽天戦◯◯】夢の国で、勝って兜の緒を締める。

5/26● なんかもう、夢のような試合を二日連続で見た翌日である。ふわふわしているような、なんだか少し、現実離れしたような、そんな気持ちが残っていた、ような気がする。 先制を許しても、でもいけるんじゃないか、みたいな気持ちにさえ、なってしまっていた。その気持ちにこたえるみたいに、ライアンはどんどん安定していき、打線も打ち始めた。 しかし、こういう「慢心」はほんとうに、ほんとうによくないのだ。と、思う。去年田口は、「あくまでも僕たちは挑戦者です」と、言っていた。いや、そう

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【5/25日ハム戦◯】青木の集中力、コータローの3ラン

サヨナラのいいところは、みんなが報われるところ。 なのだけれど、今日はその前にたくさんの、「助けられる瞬間」があった。報われ、そして助けられる瞬間が。それが、コータローの3ランに乗って集約されていった、そんな試合だった。

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【5/24日ハム戦◯】田口の20球、そして高津監督vsビックボス

てっぱちが素早く、でも丁寧に、セカンドからファーストにボールを投げ、オスナが体を思いっきり伸ばして取る。ものすごいファインプレーで、アウトの判定が出たのを見届け、てっぱちは少し、ほっとしたような顔をした。 その映像とともに、9回裏、てっぱちは打席に立つ。背番号「1」を背負った後ろ姿と、遥海「pride」の登場曲と、その映像に映るてっぱちのファインプレーとそして表情に、私は、なぜか泣きたい気持ちになる。 初夏の神宮には、涼やかな風が吹く。それはいつも、何だか感慨と切なさを、

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【5/22横浜戦◯】日曜日、おでかけの一勝。

ここのところ週末も何かしら予定が入っていて(仕事ということも多い)、なかなかにバタバタしている。 それでも週に一回くらいおもいっきり寝坊したくて、今日は9時くらいまでベッドでごろごろしていた。普段5時台に起きるので、私としてはものすごいゆっくりな朝である。 今日は夫と息子はサッカーの大会へ、むすめと私は横浜へいく予定になっていた。なんといっても久々の横浜だから、できれば早めに行って中華街でごはんでも食べたい。あと、中華料理道具の専門店、照宝にも行きたい。(日本せいろ協会の

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【5/21横浜戦】展示会のワンピース、蔵前のワイン、前日の踏ん張り。

野球はまた明日、と言えるのが良いところ。 一日で試合はリセットされるし、翌日はまた新しい試合がやってくる。Tomorrow is another day である。 そうなのだけれど、そうは言ってももちろん、その連続性の中に生まれるものは当然ある。 連勝、連敗、連続出塁記録、連続無失点… 連なりの意味はもちろんたくさん生まれる。得点はまたゼロから始まるわけだけれど、そうは言っても連なりの中で一人一人抱えるものがある。 例えば疲労である。 中継ぎ投手というのはほんとう

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【5/19阪神戦◯20横浜戦●】ゆっくりあせらずなにごとも。

5/19阪神戦◯ 私の中の「野球関連のできることならやりたくない仕事ランキング」に、「味方投手ノーノー達成直前の守備固めの内野手」というのがありましたが、本日「えもやんが解説の日の実況アナウンサー」というのが加わった。 あっちにもこっちにもときには飛び火してなぜかラミレスにまで辛辣なコメントを残すえもやんに、実況アナウンサーは必死についていきながらもしばし黙り込んでいた。テレビのこちら側で聞いている分には「なるほど今度はそう来たか」となかなか興味深いわけだけれど、現場で相

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【5/18阪神戦●】てっぱちのホームラン、木澤くんのおじき、おっちゃんの一言

ほんとうにほんとうに、山田哲人のホームランが好きだ。と思う。 いや、山田哲人の盗塁だって好きだしヒットだって好きだ。山田哲人という選手がやっぱり、百周くらい回って(なんで回るのかわからないけれどもさておき)好きなのだと思う。 どれだけ負けている試合でも、てっぱちの大きな1本に救われた。 今日だって、左のエースけーじくんが初回にソロを打たれ、2回に2ランを打たれ、「いやいやヤクルトが神宮で3点も取るのは至難の業だよ…」と思っていたら3回には3ランを打たれた。絶望である。私

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【5/17阪神戦◯】たてさんからシミノボへ、つながっていくもの

解説のたてさんは、何回も何回も「ここでやってくれると思います」と言った。それでも「ここ」ではなかなか打てず、今日もまた神宮で無得点か…と、私はソファに沈み込む。 コータローのねばりは、画面を通しても緊迫感を持って迫ってきた。「球場のお客さんもわかっていますよね。盛り上がりが…声は出せないですけど、拍手の盛り上がりが、いつもと違います」と、たてさんは言った。「声は出せないですけど、拍手で」とわざわざことわりを入れるところが、たてさんらしくて良いな、と、私は思った。 結局コー

【5/11中日戦●】 修学旅行生たちの、記憶の一つに。

朝から楽しい撮影をすませて、そのまま外苑前へやってきた。夕暮れ時の銀杏並木のテラスで仕事を少し進め、スパークリングワインを一杯だけ飲んで、神宮へ向かう。 この季節の銀杏並木はほんとうに気持ち良い。ここで一杯飲んで神宮へ向かう、というコースは、去年の神宮でお酒が飲めなかった時期に編み出した技だけれど、大変気に入ったので今年もまたやっている。 久々に試合開始前に間に合い、ウーロンハイを飲みながらなんとなく球場を見渡す。ほんとうに良い球場だなあ、と、思う。願わくば、ここでずっと

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【5/15広島戦△】 勝てなかったけど、負けなかったこと

夜ごはんはスシロー行こうかねーと、アプリを開くとなんと90分待ちである。みんなスシローが大好きなのだ。私も大好きです。とにかく急いで順番待ちを入れる。90分もあればさすがに試合も終わるだろう。 と、思ったのだけれども、ご存知の通り、ヤクルトはそれから長い長い延長線に突入していった。裏のカープの攻撃を迎えるたび、ピンチが訪れた。

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【5/14広島戦◯】 2年半の、子どもたちとヤクルトの変化

こう言ってはなんですが、私の中ではいまだに、「マツダでの広島戦への苦手意識」が、残っている。 去年はたぶん勝ち越していると思うのだけれど、もうとにかくカープにやられまくっていた数年前の記憶が強烈すぎて、「ああ…マツダか…」という気分がいまだに抜けないのだ。いやほんとに、それくらい、カープというのはなんだかこわいチームだ、と、思う。 そんなわけでマツダの試合となると、なんというか及び腰になってしまう私だけれど、ヤクルトは今日は取って取られて取られて取っての接戦を、ものにした

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【5/12中日戦◯】3年ぶりの同期との観戦、ペダルが軽くなる瞬間のこと。

「野球って、こんな雨でも試合やるん!」と、言いながら、同期のあいくんは雨の中カッパを着て、一時間も前から神宮で待ってくれていた。 大阪から単身赴任で東京へ来ていた同期が大阪へ戻るというので、その前に久々に同期たちと神宮で観戦することにした。その同期がまだ大阪にいるとき、東京出張で来たタイミングで一緒に行った以来なので、もう三年ぶりくらいになる。 そのときはカープ戦で、ヤクルトは元気に負け、でも私は會澤が打ったファールボールをキャッチした。そしてあの日、大阪から来たけいちゃ

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【5/10中日戦●】言葉はじわじわと、現実に影響を与えるけれど

この仕事をしていると、つくづく、言葉の力みたいなことを感じることがある。…みたいに言うと、色紙に筆で詩を書いて…みたいな話に聞こえるけれどもそういうことではなく(いやそれも力の一つなのかもしれないけれどもそれはここではさておき)、言葉が、行動を伴う結果にじわじわと影響を及ぼすところを、幾度となく目にすることになる。 悪い方に使えば、言葉は本当に暴力になる。誰かを追い詰めることだって容易にできる。おそらく、発する側の想像以上にそれは鋭く誰かに突き刺さる。 だけどそれだけの鋭

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