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営業のレベルで、売上が決まることは健全なのか?

営業に関するコンサルティングをしていると、「うちの営業が売れなくて」とか、「売れる営業が採用できなくて」とご相談をいただきます。だいたいの場合「私は営業が得意ではありません。」と答えています。決してクロージングをしているわけでもないし、謙遜しているわけでもない。
確かに30名ほどの営業組織で全月ノルマ達成した2人の内の1人だったこともあるが、適性検査で営業の特性はほぼ0だったし、著名な営業の方と会うとただただ敬服しています。

マネジメントパートナー「Lead*」という事業責任者の代行を行う、株式会社MULIS(マルティス)代表の須々木です。note2本目の公開となる今回は、「強い営業体制を作りたい」という事業立ち上げ段階の企業様に向けた記事になります。



トップセールス信仰からの脱却

結論からお伝えすると、最も売上の多少を決めるのが「営業のレベル」というのは原則健全ではないというのが私の考えです。事業を行う上でアンコントローラブルな要素を可能な限り減らすことが言わずもがな重要です。
しかし、実際には「できる営業が見つからない」という声を聞くことは非常に多いのが実体です。

では、どうしようと一番最初に考えることが、営業の仕組み化かと思います。具体的には、営業マニュアル、トークスクリプト、営業資料の作成等です。そして、営業の体制整備。最も売れる営業の人をトップに据え、KPI管理、提案資料のレビューをしていくことが多いかと思います。

それらのやり方全ては効果のある有効な手段だと思います。ただし、サービス立ち上げ段階の営業では、それよりも前にやるべき重要なアクションがあります。

営業に売ることを求めない

それは、営業自身がターゲットの精緻化と、サービスの改善企画をすることです。ニーズが顕在化していて、それが提供サービスで解決できる状態が作れていれば、営業のレベルに関わらず基本的には売れます。その仕組みを作ることこそ事業立ち上げ段階における営業が注力すべきアクションだと考えています。

オフィスではサービス開発をしていて、顧客には営業が向かい合っている状態なのだから、最も営業が顧客に・・・という一般的な話しは割愛します。その話しを理解しているものの、実態は営業に「売る」ことを期待し、「売れる営業を探している」組織が非常に多いように感じます。

「いや、それができる営業がいないんだよ」という意見もあるでしょう。
その場合は、無理に営業を採用するのではなく、責任者であるサービス企画者が営業になることをオススメします
営業経験がないサービス企画者も多いかと思いますが、全く問題ありません。営業畑の人が培ったスキルを多分に発揮して売るというのではなく、顧客に話しを聞くだけなのですから、そういうスキルも経験も不要です。

職種は忘れ、ミッション軸で動こう

既に営業チームがあるから、そことの兼ね合いが難しくて・・・という話しを聞くこともあります。営業チームの役割が無くなっちゃうという心配や、自分も一緒に営業の数値を追うと他のことができなくなってしまうという心配をされる方もいます。

ただし、最も重要なアクションなので、迷わずそこに入ることをオススメします。
サービス企画者こそ「誰の」「どんなニーズに対し」「どんなサービスであれば」「価値を提供できるか」を最も考えているため、サービス企画者が一番役割としてフィットしている可能性が高いです。

独立チームを立ち上げる

そして、思い切ってミッションを分け、体制を分けましょう。
もちろん既存の営業チームと連携し、同じ顧客にアプローチすることもあるかと思いますが、細かな話しなので大丈夫です。
 
既存の営業チームは、短期的な売上を目指す。目標に向かって通常の営業活動を行います。
事業開発チーム(仮)は、営業チームが売れる状態を作ります。何をやるかというと、顧客にアポをとり、実際に会い、自分たちのプロダクトのターゲット/ニーズ/必要なサービス要件を定義します。

アポ獲得は営業チームの役割で、アポは事業開発チームでというような区分けはオススメしません。
その場合、通常の営業活動が止まり、売上が落ち、誰が何にコミットするのかが不明確になり、結果全てが中途半端になることが非常に多いです。

重要なことは、ミッションを分け、それぞれの成果に対し別々でコミットして進めることです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。
これを読んでいただいた方で少しでもなにか発想のヒントになってもらえたらいいなと思っています。

皆様の事業/営業が一歩でも前に進みますように。

会社紹介 〜株式会社MULTISとは〜

株式会社MULTISは新規事業営業コンサルティングの会社です。
営業を中心に、ベンチャー〜大手企業の新規事業立ち上げのコンサルティングを行っています。

代表略歴:
須々木 龍太
DeNAに新卒で入社後、EC事業部の営業に配属され、全月営業目標を達成。当時史上最年少となる一年目でマネジャー就任。20名以上のマネジメンメント〜大手小売企業のアライアンス営業、新規事業のプロジェクトマネージャーを歴任後、ヘルスケア事業、ゲーム事業にて、Web/アプリサービスの企画・運営に従事。その後、LITALICOを経て、2018年フリーランスとして独立し、新規事業特化の営業コンサルとして活動。2020年株式会社MULTIS設立。

営業の方/企業の方からの無料相談も随時受け付けています。お気軽にご連絡ください!
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