彼が飲み会の夜、ひとり妄想(さえりさんリスペクト)
「今日は会社の人と飲みにいくよ」
夕方に恋人から届いたラインを見て、一時間が経つ。そろそろ返信しようかな。
別に相手が飲み会に行くのが嫌なわけではないから、返信を急かさないようにいつも通り時間を空けての返信。ただなんとなく、今も彼の片隅に私がいたらいいな、と思う。
面倒な女には嫌悪感がある。
なんでも察して欲しいとか、いつでもすぐに返信が欲しいとか、そういうことは言えないし、言いたくもない。
けれども気分とは波のあるもので、電話欲しいなあとか、そういう気持ちに悶々と襲われる日もある。大抵は生理か、仕事で嫌なことがあった日か。なんだか一人で寂しい日かも。
そんな時に期待したくないのに妄想してしまう。きっと夏生さえりさんのエッセイを読んだからかもしれない。あんなに後味のいいものになるかはわからないけど、私も妄想してみようじゃないか。
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「今日は会社の人と飲みに行くよ」
知っていた。だって共有しているカレンダーアプリに入っていたから。
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