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主夫の友
2021年2月13日 07:25
真夏の九州の空港に降り立ったその日は、出張の移動日で仕事は何もありませんでした。空港でレンタカーを借りてホテルへ向かおうとしたんですが、まだ昼過ぎだったのでこのままチェックインしてもつまらないなと。また、その受付の子がちょっとかわいかったんですね。気づけば、口が勝手に動いていました。「何時に仕事終わるの?」誤解のないように言っておきますけど、ナンパなんてしたこともないし、生来シャイでそんな
2019年3月28日 23:54
サウナに行くと”ととのう”と言う人がいます。この感覚がぼくにはよくわからない。熱いサウナで極限まで我慢した後で水風呂に入り、外気にあたるとそんな感じがすると言う人もいるのでやってみたこともあるけど、やっぱりよくわからない。先日こんなことがあった。けっこう広めのサウナに入ると、先客が二人いました。一人は腰掛ける場所に横になっていました。仰向けで顔に腕をかぶせているので表情は見えません。もう一人
2019年3月20日 14:33
※全国の鍋島姓のみなさま、この投稿は鍋島姓の方に対する偏見を助長する意図はありません。Aくんは、小さい頃からおばあちゃんに繰り返し言われるセリフがあった。曰く、「鍋島にゃ気ばつけれ(鍋島には気をつけなさい)」このおばあちゃんというのが、戦国時代の武将であり肥前は佐賀藩の立役者・鍋島直茂によるお家乗っ取り騒動に絡んで実際に不利益を被ったか、逆恨みしている家の血筋を引いていたそうな。
2019年3月18日 09:28
とある夏の日の昼下がり、インターホンが鳴った。当時ぼくが住んでいた都内のマンションにその人はやってきた。その頃深夜の仕事をしていたので昼過ぎまで寝ているのが常だった。寝ぼけていると、また、インターホンが鳴った。「はい、どなた?」「最近、世界各地で戦争とかテロとかよくありますよね?」「・・・。」開口一番こんなセリフもなかなか聞けない。まだドア開けてない段階でいきなりこれだもんな。宗
2019年3月17日 00:23
ある冬の晩、ぼくは東京郊外の高尾とかあの辺にいた。あたりは山に囲まれていて民家も少なく、ろくに街灯もなかった。道にはスピードを上げた大型のダンプがたまに通るぐらいの辺鄙なところ。静かな夜だった。ちょうど夕飯時で腹が減っていたぼくと彼女は、「もう、あそこでいいよね?」という感じでやっと見つけたごくごくフツーの大衆食堂に入った。広い店内には先客が二人いた。彼らは店の真ん中に並んで座って、隅にお
2019年3月16日 23:26
随分昔のことでどこの駅だったか忘れてしまったけど、東京郊外のJRの駅での話。夕方のラッシュアワーにはまだ早く、人影もまばらな駅の構内。階段を下りてホームに立つと、前方30メートルぐらいのところにスマホをいじる女子高生が立っている。黄色い線のすぐ内側ぐらいに立っている彼女は画面に釘付けで全く周りを見ていない。「そろそろ電車が来るけど、まあ、まだ先っちゃあ、先の話だよね」ぐらいの余裕のあるアナウン
2019年3月16日 03:24
その時ぼくは家庭裁判所の一室にいた。18歳だった。目の前には法服ではなく黒いスーツを着た銀行員みたいな裁判官がいた。額の生え際の両サイドがとんがっていて鬼のツノのように見えなくもなかった。彼は憎々しげにぼくを睨むと言った。「あなたには鑑別所に行ってもらいます!!(怒)」その思いっきり私情の入ったドヤ顔は今でも覚えている。ぼくの罪状は傷害のように被害者が出るようなものではなかったから、どうしてこ
2019年3月16日 01:42
あまり行き慣れてない温水プールで泳いだ時のこと。そのプールは巡礼コース(高齢者が水中歩行する)、ヒトコース、半魚人コース、マグロコース(泳ぐのを止めるとすぐ死ぬ)に分かれていた。もちろんそんな札が付いているわけじゃなくて、なんとなく棲み分けがあり、先に来ている人の様子を見ていると、そんな具合に分かれていた。ぼくがヒトコースで25mごとにハァハァ言いながら泳いでいると、マグロコースをものすごい勢