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手術瘢痕治療(頚椎の痛みの原因は手術瘢痕)

【PD・パーソナルデータ】

50代。自営業。常に上を向いて細かな作業をするお仕事。昔、左肩を痛めた経験有り。病院で触れられる事が苦手。最近食事に気を使っている。痛みに強く、何事にも忍耐強い方。

【症状】

歩行時、少し左足をかばっている感じ。首の伸展時痛み有り(P+)、屈曲時痛み無し(P-)現在、首の痛みはマシだが仕事で無理をした際、違和感有り(時々自宅で首にコルセットしている)一時期はかなり強い痛み止め服用したが、左首から肩甲骨の疼痛や腕の痺れがあった。極力左向きで寝ないようにしている。

【病歴】

平成27年、腹膜炎(急性虫垂炎)になりかなり酷い状態で入院手術し瘢痕15cm以上あり。(傷口がケロイド状になっている)約8年間、手術瘢痕箇所がずっと中に糸が入って突っ張っている感じ。歩行時、少し左側をかばってる。

令和2年、頸椎症(左首の痛み)と診断。(1年位痛み止め等5種類服用したが一向に改善せず)令和3年、スポーツ選手等が通う有名な整形外科に病院変え、セルフリハビリで半年前位に生活支障ないまで改善。常に上を向いて仕事をしている為、頚椎圧迫が原因かと。(医者にどうすればいいか質問しても年齢のせい等と明確な説明無し。腑に落ちていない)今年、大腸癌が初期の段階で見つかり手術。

【治療】

骨盤Lt(PI).Rt(AS)時間が無かったので今回は手術瘢痕治療のみ。瘢痕の一番固い箇所を指先の感覚で探り柔らかくなるまで優しくストレッチする瘢痕治療。(患者様の感覚はただ指先が触れているだけの感覚)治療後、座ってもらい、直ぐに中の突っ張り感が消失。立って歩いてもらっても中の突っ張り感無し。5日後、右足がちゃんと地面に着き普通に歩けるようになった(左足をかばう事がなくなった)現在も瘢痕の中の突っ張り感は無し。だが頚椎に痛みが出てきたと。千葉から帰省中の患者様で時間が無かった為、骨盤治療が出来ず全身の歪みが取れていない為です。

【原因】

本来なら病歴から、昔の肩の負傷よりも骨盤の歪みがメジャーだと考え骨盤治療をします。このアプローチで良い結果がでなければ左肩、左顎関節からアプローチします。

平成27年の腹膜炎手術の後の瘢痕が原因で左右どちらかの腹斜筋の弱化→骨盤の歪み→左側下肢周辺の筋の弱化→左足をかばう歩行。これが令和3年頃まで長期間続いたために骨盤や胸郭、頸椎まで歪みが発生。過去に左肩を痛めているのでそれも胸郭、頸椎に影響していると考えます。

【治療計画】

骨盤周辺の筋の筋力テストして弱化した筋を探します。次に左右の仙腸関節のFix(フィクセーション・関節の固定化)を鑑別しブロックAJ(アジャスト・矯正)。仙腸関節のFixが改善したことを確認。骨盤周辺の弱化筋が正常になっていることを確認します。次に左肩の関節を検査。筋エネルギーテクニックや、相反神経反射テクニックで左右の肩関節の動きが同じになればOK。その後胸郭や顎関節の治療をします。2〜3回、今回の治療をして、あまり変化がなければ、その時に頸椎からアプローチし治療します。

又、手術瘢痕の治療をしないと頚椎の痛みが再発する恐れがある為、残り数回瘢痕治療をすると改善されます。

大腸癌手術もされているので骨盤治療の最後に腸間膜テクニックでアプローチする必要があります。 
今回のように

頚椎の痛みは腹膜炎手術瘢痕が原因で、過去のお怪我や手術歴、病歴等が大変重要な手掛かりになります。

何がメジャーか、何処からアプローチするか、組み立てて治療をする事が大切です。

瘢痕治療中、何故頚椎が痛くなったのかを簡単ではありますがご説明したところやっと腑に落ちたとの事でした。 
痛みの原因は意外な場所にある事が多いです。

脳は皮膚と連携しており瘢痕ができた時の事を記憶しています。



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