価格を据え置いて内容量を減らす「ステルス値上げ」は、「値上げ」よりも生活者の印象が悪いらしい。そりゃそうでしょ、生活者じゃなくて競合他社をにらんでステルスしてるのだから！

こんにちは、DJムッチーです。
いろんなものが値上がりしてますね。原料価格の高騰や光熱費、燃料の高騰が原因のようですが、それも仕方ないことではないでしょうか？
これ対抗すべく、価格据え置きで内容量を変える「ステルス値上げ」をする食品メーカーさんが結構あるようなんですね。底上げ容器を使ったり、1パックに入れる個数を減らしたりで悪戦苦闘されているようです。食品は身近なだけに強く印象に残りますねW
この、ステルス値上げに対する生活者の反応は厳しいもので、「騙された」という意見もあるほどです。

食品にステルス値上げが多い

識者の意見では、「そもそも食品は単価が安くて、購入頻度が高い。10円でも上がれば消費者はすぐに気づく。『前より値段が高くなった』と感じると買い控えを招きかねず、メーカーとしてはなるべく値段を上げたくはない。
特に、人気の定番ブランドの値上げは強いマイナスの印象を与るかもしれない。それが商品離れにつながってはまずいので、価格はできるだけ変えずに内容量で調整したい。」とのことで、その苦肉の策が「ステルス値上げ」なのだそうです。
この意見の裏には、お客様を他社に取られるかもしれないという懸念が見え隠れしていますね。ちゃんとお客様と対峙していない！。ステルス値上げをする食品メーカーは、この傾向が非常に強くて、数量削減や底上げ容器というような姑息な手段に出てしまっている。それが生活者にも見えてしまっているのではないでしょうか？
だから、「前より減っていて損をした」「騙された気がする」という意見が出てくるのでしょう。
生活者が商品の良さが分かって購入しているのなら、良さが分からず値段だけの要因で購入している生活者が離れるだけ。その人たちは、自分たちの本来のお客様ではないとは、考えないのでしょうね。
お金がないのなら、安い商品を買うという手もありますが、2回を1回にして信頼のおけるメーカーの商品を買うという手もあると思います。
そういうお客様を作って来なかったから、ステルス値上げしか方法が無いなのでしょうね。（恋人を他の誰かに取られそうだから、その場しのぎを繰り返して、余計に嫌われるみないなW）

数を減らしてパックするステルス値上げ

ローソンの「盛りすぎチャレンジ”」

ローソンが絶賛展開している「盛りすぎチャレンジ”」。先行はファミリーマートの40％増量キャンペーン。ローソンの場合、人気商品の具が47％増量という事で、お得感がありますね。ステルス値上げの逆を行ってるわけですが、残念なのは売りきれ続出なことと、僕つまり人口のボリュームゾーンのシニアが買う商品が少ないこと。それでも、売り上げは増量率と同じ47％アップということなので、生活者は信頼のおける商品なら、お得感に弱いと分かります。
この手法は、洗濯洗剤やシャンプーでやっている増量でお値段据え置きや、ウィスキーや焼酎でやってる倍量ボトルや3倍量ボトルに似た方法です。
ところが、シャンプーやウィスキーでは販売成長が減衰した時にやる方法ですから、盛りすぎチャレンジとは性質が異なります。

財布のひもが固い

僕たちが買い物をした総額を示す消費支出は、2020年のコロナ禍で急落しました。ところが、コロナ禍が明けた2023年の消費支出が2020年と同等に落ちています。物価高で財布のひもが固くなっています。
食品メーカー各社は、売行きの動向はほぼリアルタイムで掴んでいるので、消費低迷に反応しないわけがありません。
つまり、物価上昇のスピードは一旦減速すると考えられます。また、小売業では、これから売り上げ確保のためにメーカーの支援を受けてお買い得セールを頻繁に行う事でしょう。
硬くなった財布のひもを瞬時に緩めるのは至難の業ですが、徐々に緩んでゆくのではないでしょうか。（僕はいつでも楽観主義ですW）

値上げしても揺るがないブランドの確立が重要です

企業は、生活者と提供する商品やサービスについて約束をします。この約束をブランドと呼びます。ブランド戦略無しで、「売れるから」という戦後の物不足の時のままの企業がなんと多いことか。お金目当てのスタートアップの企業にも散見します。（借りて来たブランドですねW）
企業は、自身の使命をかけて生活者と約束を交わさなければいけません。
そうしないと、価格の上下だけで一喜一憂してしまいます。卵の価格高騰でもブランドを確立した生産者は供給も売り上げも落とさなかったのが、良い例です。これからのインフレ時代に様々な企業がユニークな戦略・戦術を展開するでしょう。マーケティングを学び、実践してきた僕としては、本当に楽しみな時代がやってきます。一緒に楽しみませんか？W

それでは、今日はこの辺で失礼します。

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