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coldmountainstudy 2025年2月の本箱。
さ。
本買いすぎ、と本屋仲間から揶揄されつつ先月より冊数増えた2月のピックアップいきます。
子どものにぎわいと相互扶助で見通す、漁村の未来
健全な海を持続的に利用すれば、環境負荷もコストも低くて、豊かで安全で、おいしい魚を食べられる。日本の多くの漁村は、江戸時代はそんな感じだった。江戸時代から続く〈元気な漁村〉は、現代も各地に残っている。それにはそれぞれの理由がある。
魚が減った、漁業は大変だ、水産業の先行きはない、と言われている。これは間違っている。
全国の元気な漁村には元気な理由(わけ)がある。
「本書で取り上げる漁業センサスでの漁業地区、すなわち漁村の多くは、自然村そのものである。江戸時代から〝元気な漁村〟のまとまりは変わっていない。
変化する漁村の中に、昔からあると言われている変わらないものとしての、相互扶助の働きを考える。
しかもそれを個人史ではなく、漁村の歴史として、村落共同体の中に分け入るという、未経験のことをやる。」
(水口憲哉 はじめにより)
海と魚と人の処方箋。類書なし。漁村と水産の未来を開く一冊です。
コミュニティ云々、言われる時代。
しかし日本には以前から誇るべきコミュニティの姿、しかも好例があるじゃないかと。
既に在庫済み、工作舎の好著と併せて読み進めるつもりです。
フライの雑誌社、という名前に騙されないでください。
フライフィッシングに関係なく面白い本ばかりですよ。
伝説のリベラルアーツスクール、その知られざる軌跡。
アパラチア山脈の麓に開学され、20世紀を代表する芸術家がこぞって過ごした「ブラックマウンテンカレッジ」とは何だったのか──グラフィックデザイナー・永原康史の丹念なフィールドワークで鮮やかに甦る、ブラックマウンテンカレッジの25年間。
バウハウスが解散したその年に、ブラックマウンテンカレッジ(BMC)は誕生しました。美術教育を先導したのは、ジョセフ・アルバース。アルバースの名言「To Open Eyes(目を開くこと)」は、BMCに着任したときの言葉であり彼の授業のテーマでした。学生と教員家族が共同生活を営み、キャンパスの自主建設さえプログラムに組み込まれていた、学校というよりコミューンと呼ぶほうがふさわしいかもしれない「実験の場」で、バックミンスター・フラーがドーム建築を試み、ジョン・ケージが最初のハプニング「シアターピース#1」を実行し、マース・カニンガムが舞踏団を結成、チャールズ・オルソンの下、ブラックマウンテン詩人と呼ばれる一群が生まれます。
20世紀を変えた実験的芸術教育──ヨーロッパのモダニズムがアメリカに流れ込む契機となり、戦後アメリカの美術や文学に多大な影響を与え、インターネット文化のバックグラウンドを形成した──として語り継がれるBMCは、しかしこれまで「いつか見た夢」のようなヴェールに包まれていました。その運営の内実は、出入りした人間の数だけ思想が入り交じり、矛盾を孕みながら試行錯誤を重ねていたのです。大勢のアーティストが、BMCという共同体で何と出会い、どういう関係を育んだのか──「国家」や「移民」、あるいは「分断」を抱えて──そこには、今私たちが探しているコミュニティの在り方へのヒントがあります。
※本書はウェブメディア「ÉKRITS(エクリ)」の連載を加筆・修正のうえ書籍化したものです。
我が家、ドームハウス。
そうするとバックミンスター・フラーの名前に食いつかないはずがない。
加えてリベラル・アーツ、バウハウス・・・気になり過ぎる単語がならぶ。
しかもそれを訪れる旅の本でもある。
気にならないわけがないですね。
わたしたちはいつから「社会に出る」ことを「会社に入る」ことだと思うようになったのだろう?現代日本人の生活にあまりにも行き渡り、出世や勤勉さ、あるいは欲望といった日々の考え方にも大きな影響を与えている「会社」とはいったい何なのだろう。
自律協働社会のゆくえを考えるメディア「WORKSIGHT」が、民俗学者の畑中章宏を招いて会社と社会を考える読書会を開催。
『学問のすゝめ』から『ブルシット・ジョブ』、自己啓発から不倫まで、「日本の会社」という謎に迫る対話集!
これ・・・・!
この問題、今自分も軽くぶち当たっています。
自分には軸としての”本屋”があるのでぶれることはありませんが容易に人生を持っていかれてしまう人だっているのでしょう。
そこを考えること、止めてしまってはいけない気がします。
釣りが好きで、釣りや魚に関係する仕事や生き方を選んだ100人が、将来同じ道を考えている人たちに向けて発信する、リクルート&メッセージブック!【本書に登場予定の仕事例】 釣具店、釣り具メーカー、釣り具卸、漁業協同組合、研究者、行政機関、水族館、NPO、公益財団法人、釣りガイド、レンタルボート店、遊漁船、オトリ店、バスプロ、釣りガール、フィールドテスター、ユーチューバー、宿泊業、飲食店、旅行代理店、管理釣り場、養魚場、和竿師、編集者、デザイナー、カメラマン、漫画家、イラストレーター、バスボートメカニック、川漁師、ハンドクラフト etc. 100人が語る、それぞれの仕事を始めたきっかけからその内容、魅力、同じ道へ進もうとしている人に向けた熱く具体的なアドバイス。“さかな・釣りライフ”へ、Come and join us !
「好きを仕事にする」・・・考えたことおありですか?
自分は結局妥協点を見出した結果今のライフスタイルになっているのですが、少しだけ好きと仕事をダイレクトに結び付けた生き方に憧れ・・・いや、今となっては後悔か・・・続けている部分もあります。
妥協点としての”本屋+α”は考えもしなかったほどいい感じの毎日、なのですけども。それとはまた別ですね。好きなものドップリの毎日、どんなだったでしょうか?
「図書館の本棚はいっぱいにならないのか」「雨が降ると図書館に来る人は増えるのか、減るのか」「人はどのタイミングで図書館を使うようになるのか」――。素朴で身近な疑問から現場での実践を考えて、図書館の意義や役割を学び、魅力を発見しよう!
図書館情報学を専門にする著者が、図書館で働く人、日々利用している人が普段は気にしない、でも聞かれると「どうして?」と思う疑問をピックアップ。その疑問をデータ/事実/エビデンスに基づいて考える視点や思考する道筋を、柔らかな筆致でレクチャーする。
図書館を学問することの楽しさを伝え、学問することが図書館をより豊かな場にしていくことを指し示す入門書。
図書館専門誌「ライブラリー・リソース・ガイド」の人気連載に加筆・修正して、書き下ろしを加えた充実の一冊。
自分も”図書館人”ですからね。
信頼すべき”図書館人”・・・大学教授からの勧めもアツく、購入。
例えば近隣の図書館、山村暮らしでも決して悪くないんですよ。
ただ本を見るだけじゃもったいない”図書館そのもの”の魅力、を広めたいと少し思っています。
お腹を空かせて一杯、旅から帰って一杯、学校帰りに一杯、小腹が減って一杯、お酒のあとの〆に一杯、真夜中の禁断の一杯――
熱々のスープと麺と具が、渾然一体となった奇跡の食べ物ラーメンを、味わい尽くす珠玉のエッセイ30篇。
醤油に味噌に豚骨、インスタント。今日はどれを食べようか?
それこそ”おいしい話”満載の河出”おいしい文藝”シリーズ。ラーメンとあっては読まずにいられません。椎名誠さんの項等とても自分的に近しい部分も。
池澤夏樹が近現代の名詩75篇をセレクト。詩と新たに出会える、詩を楽しく味わえる、絶品アンソロジー。
「詩は言葉の精錬の果てに得られた純粋な結晶。丁寧に読めば一語ずつがきらきらと輝いていることがわかるだろう」――池澤夏樹(文庫版あとがきより)
萩原朔太郎、日夏耿之介、佐藤春夫、山之口貘、中原中也、石垣りん、田村隆一、茨木のり子、大岡信、谷川俊太郎たち41人の名詩を、池澤夏樹が精選。詩との新たな出会いをあなたに。
最近の自分内での詩への興味関心から。大好きで多く読んでいる池澤さんのチョイスならまた入りやすかろう、と。
アウトドア文学の名著・今野三部作がここに完結!
大イワナの掴み取り、ヘビに喰らいつくマスの大群
暗闇にひそむヒグマ、巨大魚と人馬の闘い
ここでは、魚も獣も人も、死と背中合わせに生きている。
古典的名作が手に取りやすくなったことを祝福したい。
服部文祥氏、賞賛!
「激しさと穏やかさが、さも当然といった風に共存する山の姿を垣間見て、私は心の殻がはがれて、それがむき出しになるような戦慄(おののき)を感じていた。川の流ればかりではない。ここでは、魚も獣も人も、死と背中合わせに生きている。ちょっとした油断、そして恐らくは抗いようのない偶然が、それらの生を死へとすり替えてしまうのだ。」(本文より)
濃霧の中の山越え、沢を走る鉄砲水の恐怖、掴み取りできるほど大量のイワナ、一日で百匹を超すヤマベ釣り、暗闇にひそむヘビ・タカ・ヒグマ、目の前で宙を飛び滝壺に消えていった巨大イワナの勇姿――かつて北の奥地にあった圧倒的な自然を描き、「喰う・喰われる」の掟に従ってひしめきあう生命に心が震える。
レジェンド系釣り文学の名作が文庫化。それだけで十分。
「えええええ!」ってエピソード満載の古老の語りを存分に。
世界各地の家庭を訪れ、台所で一緒に料理を作り、食卓を囲むことで見えてくるストーリーを発信する「世界の台所探検家」岡根谷実里さんの最新刊。本書ではアジア、ヨーロッパ、中南米、オセアニアの国/地域の台所を探検した著者が、「ひと皿」の料理から映し出されるそれぞれの土地の暮らしと社会を、24本のエッセイで軽やかに綴ります。
「納豆のにおいが分断を生む?」~インドの発酵天国ナガランド
「凍ったいもが別物のおいしさ?!」~ペルーの高地アンデス
「無味だけどおいしい?」~南の島パプアニューギニア
etc.
ガイドブックにはのっていない、世界の台所から生まれるリアルな物語
巻末には、家庭で教わった作り方をもとに著者が日本向けに調整したレシピと、現地家庭の協力により完成したレシピ、計10点のおうちで作れる「ひと皿」を収録しています。
最近の食の書き手としては勢い強めの岡根谷さん。過去作が気に入っているとともに今自分の家族が暮らすオランダ・ライデンに留学中と近い縁も感じチョイスです。
食つながりで・・・
青木さやか、朝井リョウ、朝比奈秋、稲田俊輔、上坂あゆ美、宇垣美里、織守きょうや、温又柔
古賀及子、高橋ユキ、似鳥鶏、能町みね子、平野紗季子、ブレイディみかこ、宮島未奈、村瀬秀信、柚木麻子
豪華執筆陣17名による“ロイヤルホスト愛”でいっぱいのエッセイアンソロジー
藤井隆さん、ハリセンボンの近藤春菜さん、箕輪はるかさんによる特別鼎談も収録!
このまま1日を終わらせたくなくて夜景を見たくなったときも
魔法のように仕事を進めたいときも
「自分の中の確信」が揺らいだときも
ロイヤルホストは、いつもそこにいてくれた
ハワイの空港みたいな匂いのパラダイストロピカルアイスティー、個人所有のポテトフライ、生まれて初めて食べたラムステーキ……。
はじめても、いつもも、あこがれも、とくべつも詰まったロイヤルホストの味。
自分はロイホ派ではなかったのですが・・・ってかチェーン店と縁遠い感じ・・・これはピンときました。「ブックオフ大学ぶらぶら学部」に近いノリを感じます。また夜まで・・・ってのがまたいいですね。朝まで・・・だとデニーズとかよくある24時間営業になっちゃう。
ライブラリー蔵書・・・としたのですが早くも問い合わせチラホラ。
関心の高さがうかがえます。
すべて「じぶんごと」として考えることを迫られる時代に「ひとごと」そのものを思考する倫理を立ち上げる。気鋭の思想家がデビュー以来綴ってきた批評=エッセイが哲学へと結実する実践の書。
◎伊藤亜紗氏推薦!
何かに魅入られる。その魔法の時間を引き伸ばすことが批評であったような時代に、本書は終わりを告げる。いったん魅入られたならば、魔法が去ったあとの醒めた体が何事かを語り出す。本書はそのことを証明する。
◎内容
何かを発言することが通販サイトの商品ページに足跡を残すことと大差なくなってしまったこの時代に、〈書く〉ことの意味はいかにして立ち上げなおされるのか――『非美学』の若き哲学者による渾身の批評=エッセイ集。書き下ろし序文と巻末の著者解題も必読!
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道徳も真理も腐りきっているとしたら、いったいひとは何を拠り所にして生きていけばよいのか。そんなものはない。しかしそれはたんに人生の厳しさであるだけでなく、楽しさや喜び、あるいは優しさの条件であるだろう。雑多な文章が収められたこの本に通底するのは、「ひとごと」との距離のうちにある、そのようなポジティブな条件の探究である。――本文より
何時もの本屋の必ずチェックする棚で”目が合った”一冊。
じぶんごと・・・正直気に入らないんです。そこに、これ。
愉しめればいいな。
ほとんどの人に写真の才能がある。でも、多くの人が写真を誤解している――即完売の大人気ワークショップをベースに幡野広志が書き下ろす、できれば触れたくなかった「写真の話」。いい写真とうまい写真はちがう。だめな写真とへたな写真も同じ意味じゃない。うまくてだめな写真もあるし、ヘタだけどいい写真もある。「いい写真」を知り、「いい写真」を撮ろう。写真の価値観が変わる、写真初心者必読の1冊。
自分、写真下手という意識は常にあって。
どうせいろいろ教わるなら幡野さんのような力抜けた感じの語り口がいいな、と。
最近写真はスマホで撮っていたのですがやはりコンデジ欲しい、って思うんですよね。
んで、次のコンデジ購入が決まったらこれ読みたいと思ってたんです。
ということでカメラ買います。ようやく。
自分の事なので防水とか耐衝撃とかメインのカメラとしては・・・なヤツですがスマホもそんな感じのモデルなので少しはいい写真に近づけたらいいなぁ。
3月も結構欲しい!迎え入れる!と決めてる本多いです。実際チェック出来たら・・・と思う本も。
とまりませんよ。ドンストッミーナウですよ。
※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。
http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com
店主:鳥越 将路
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