優雅な朝のホテル運営劇場
朝家を出るまで、
とにかく優雅に過ごそう!パンも焼こう!
と意気込んだ日がありました。
いつもなら二度寝してしまう誘惑を振り切って、布団を抜け出しました。
とりあえずパンを焼かなくては!
キッチンに立ち、材料を計り、生地を捏ねます👩🏻🍳
手を動かしているうちに自然と目も覚めてきました。
生地を発酵させる間にお弁当を作り、身支度を済ませて、掃除機をかけました。
よしよし、効率よく動けている。順調順調👏🏻
オーブンから漂うパンの香りを感じながら、付け合わせの野菜と目玉焼きを用意します。
そこで何気なく時計に目をやると…
あれ?思ったより時間ないね🤪
何が何でも優雅に過ごしたい一心で急いでコーヒーを淹れ、テーブルを整えました。ニュースを流し見ながら、焼き立てのパンを口に押し込みます。
駆け足でお皿を洗い、歯を磨いて、ベッドメイキングをして、洗濯機を回します。
もう完全にタイムトライアル状態⏰
その時ふと思いました。
わたし今、ホテルの従業員と宿泊客をひとりでやってない?と。
パンを焼く人。洗い物をする人。
掃除をする人。洗濯をする人。
食事をする人。コーヒーを飲む人。
ニュースを見る人。身支度をする人。
ホテルの中にいる全ての人をコントで演じているようで、優雅とはかけ離れた自分が可笑しくて思わず吹き出してしまいました。
時間ないから笑ってる場合じゃない!急げ〜!
結局その日も慌ただしく家を飛び出したわたし。
部屋にはまだパンの香りが残っていました。
エピローグみたいなものです。