公認心理師の実務基礎研修が始まった
一般財団法人 公認心理師試験研修センターが主催する実務基礎研修が、10月1日から始まった。
最後のGルート受験(2022年7月17日)で滑り込んだ、名ばかり公認心理師の私は、近い将来カウンセリング業務を行うことになることが決まったため、オンデマンドと分かった瞬間に受講を決めた。
「公認心理師として実務に就く上で基礎となるさまざまな力を身につけ、人間性・知識・技術のバランスのとれた公認心理師を目指す研修」とのことだが、いわゆる「Gルート受験」で課されていた、現任者講習会(4日間、計30時間)とどう違うの?という疑問は一旦置いておいて。
精神保健福祉士、社会福祉士のバックグラウンドを持っている者(+心理職としての臨床経験がない者)として、実務基礎研修を受講して感じることを少し書いてみたい。
実務基礎研修の特徴
一般財団法人 公認心理師試験研修センターは、実務基礎研修の申し込み受付を2024年8月16日(金)から開始した。今回受講している私は、第2期生ということで、実務基礎研修の開催が新しい試みであることが分かる。
もっとも、以下の公認心理師系専門職団体や、研究機関等で独自に研鑽を積んでいる方も多いことだろう。
公益社団法人 日本公認心理師協会(サイトにつながらない…)
さて、実務基礎研修の課程は以下の通り。
1年目はオンデマンド研修のみ、2年目は「5分野基礎研修」(必修、オンライン受講併用)と「実務者交流研修」(任意)がプラスされる。
受講料は、極めて良心的ではないだろうか。
続いて、各クールの研修目標だ。
第1クールの研修課題と、今思うこと
2024年10月に開講した第1クールは、対人援助を行う上での根本となる倫理観や人間観を養う科目が多く、初心に戻って大いに楽しんでいる。多職種連携についての単元は、ソーシャルワーカーとしては初歩的な内容でやや食傷気味…いやいや、そんなことは言わず、公認心理師ならではの連携の模索を始めたいと思う。
一方で、ある心理検査(WISC‐Ⅳ、PFスタディ)の解釈やフィードバックの仕方について解説する単元もあり、心理検査を実施した経験がない私は、少し難しいと感じた。
また、「文化とこころ」はCouseraでもたくさんのコースがある分野。福祉領域でも多文化ソーシャルワークの実践が次々と報告されており、自分と異なる文化背景を有するクライエントと関わる機会に向けて、万全の準備をしていきたい。
単元以外のところでは、「講師との交流や、受講者同士の交流がなく少し寂しい」と感じている。
大学で社会福祉学や心理学を学んだ方は、指導教官に研修、ワークショップ、就職先?まで紹介してもらえることが多いのではないだろうか。私は福祉系の資格を専門学校で取得し、公認心理師はGルート受験で取得。そして現在無職。元同僚や元スーパーバイザーとは、もちろんまだ繋がってはいるが、職業上のロールモデルが不在の状態だ。学びを交換したり、実際にアウトプットする機会があれば、相乗効果でより理解が深められるのだが、あいにく今そのような環境に自分がいないことが、少し残念だ。
第2クール以降の研修課題
第2クール以降も、援助技法や介入方法等のハウツーではなく、現代社会の中で生きるクライエントを支援するための様々な単元がラインナップされている。昨今注目されているトラウマ・インフォームド・ケア(TIC)もしっかりとカバーされている模様。
個人的には、面接や心理アセスメント、支援の展開について学ぶ単元がもう少し入ることを期待していた。面接技術の向上は実践あるのみなので、オンデマンドでの実施は難しいと思われるが、私は面接に対して苦手意識がある。(ソーシャルワーカーだったのに…)実践を離れて時間が経てば経つほど、復帰した時に「ちゃんと」面接できるだろうか、と焦りが強くなる。その「ちゃんと」もツッコミどころが満載なのだが。
英語での学びも続ける
実務基礎研修と併せて、以下のCourseraコースも受講中。学びのブースター効果を狙っているが、今のところ実務基礎研修の内容とあまりクロスオーバーしていない。
「対人関係療法を学ぶ」(Learn Interpersonal Psychotherapy)
所要時間:約9時間
「異常心理学入門」(Introduction to Abnormal Psychology)
所要時間:約1ヶ月
「精神病の理解」(Understanding Psychosis)
所要時間:約12時間
これらのレポートも、受講が修了したら是非書いていきたい。
参考:
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