ジェイムズ・P・ホーガン『時間泥棒』
タイトルだけだとミヒャエル・エンデの『モモ』かと思うが、『星を継ぐもの』からなる巨人たちの星シリーズで知られるジェイムズ・P・ホーガンの作品。
ホーガンのハードSFと呼ばれる作風からするとちょっとこの作品は異質で拍子抜けするかもしれない。
物語は、ニューヨークのいたるところで時間が狂い出し、主人公は刑事として治安のために目に見えぬ時間を取り戻すべく奮闘するSFストーリー。
ホーガンに親しんだ方には物足りないかもしれないが、170頁の薄めな物語は終盤に向けて一気に加速するので、SFにそれほど親しんでいない方の入口としては面白く読めると思う。
名作と言われるだけある上手さの冴える作品だ。
時間泥棒 (創元SF文庫)