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相川英輔『黄金蝶を追って』

きっかけはタイトルが気に入って手に取っただけなのであったが、読めば驚愕の一冊だった。
この6編の短編集は、ジャンルを言うならSFらしいけど、SFであり幻想であると思う。
最初のコンビニエンスストアのAI化を描いた「星は沈まない」からがっつり掴まれると、次も次もとあっと言う間に一冊読み終えてしまった。
文章、話の作り、タイトルの付け方、どれも上手くて、国内より海外の評価が高いという実績にも納得するが、国内の評価がもっと高まるべきだと疑問でしかない。
6編すべての読後感が良いのも魅力で、日常的な筆致で非日常であるSFを描いてしまうという不思議な才能が素晴らしく、作者もまた追うべき “ 黄金蝶 ” かもしれない。


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