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<対談>「実践する」場の提供と上司サポートで、学び・成長を実感できる組織風土つくり~株式会社宇部情報システム様

株式会社宇部情報システムは、1983年、化学、機械、建設資材、エネルギー等の幅広い分野で事業を展開する宇部興産(現UBE)の情報システム部門が分社化して設立された。

現在は大阪ガスのIT戦略事業会社であるオージス総研のグループ会社となり、本社のある山口県宇部市を中心に、全国に事業を展開している。事業領域はUBEグループ内にとどまらず、一般企業にもサービスを展開。自社開発のシステムをグループ外にも提供し、高い評価を得ている。

創業から40年を迎え、次の10年に向けて新たなステージに挑戦する同社の代表取締役社長の松居啓作様に、弊社理事 シニアコンサルタントの三村修司が、同社の人材活用や育成への取り組みについて伺った。(文中敬称略)

🔵対談者:
・テイカ株式会社 代表取締役 社長執行役員 出井 俊治氏
・株式会社 マネジメント サービス センター 
 理事・シニアコンサルタント 三村 修司


1.大手企業のプライム案件にも自社ソリューションにも携われる

三村:松居さんには、オージス総研の研修でお会いして以来、10年以上のお付き合いとなりますね。

松居:そうですね、実は同じオージス総研グループのさくら情報システムにも所属していたことがあり、当社(宇部情報システム)を含め大阪ガス・IT関連3社に席を置いたことになります。

三村:実は私も、元SEの経験を活かして、IT関連3社で人材育成の研修を担当させていただきました。

さて、本日は、人材の活用や育成について御社の取り組みや松居さんの考えについて伺いたいと思います。採用、育成、配置等をどのように実施されているのか、ざっくばらんにお聞かせください。まず、採用活動について伺えますか。

松居:当社は、UBE(旧宇部興産)の情報子会社として設立されました。山口県のIT会社としては規模が大きく、山口県の大学や高専に進学された方や山口県出身者など、山口県にゆかりのある方を中心に採用活動を進めています。もっとも、今はテレワークも定着し、また、IT人材不足もありますので「山口県」は大きなキーワードではありますが、競争が激しい時代に当社として何をアピールすべきかを考え、採用活動を展開しています。

三村:なるほど。山口という地の利を活かすということですね。それ以外に御社の強みはどのようなことでしょうか。

松居:一つは、UBEの情報子会社として、大手企業のシステム開発、今でいうとDX推進をプライム案件(クライアントから直接受注する一次請け)として携われるところです。

また、弊社は、親会社からの受託開発や運用に留まらず、UBEで導入したシステムをパッケージ化し、自社ソリューションとして外販しています。これらで培ったノウハウやスキルを活かし、一般のお客様向けのシステム開発も受託しています。比率としては、UBEグループ向けの仕事が50%強、それ以外が50%弱です。自社ソリューションだけで30%あり、そこが一つのアピールポイントです。

三村:親会社のDX推進という大きな仕事をプライム案件として関われることと、自社開発のソリューションを一般向けに展開するビジネスができることは、確かに大きな特長と言えますね。私も多くのIT関連子会社にお伺いしていますが、自社ソリューションが30%というのは結構高いと思います。

松居:これらのビジネスをやりたくて当社を志望する方は多いですね。当社としても、採用の際に「皆さんのキャリアの幅を広げるチャンスがあります」とアピールしています。

三村:UBEや大阪ガスの系列であり、大手企業でダイナミックにDX推進ができるのは、やはり大きな強みでしょうか。

松居:そうですね。今、事業会社がどういうところに関心を持ち、どこにITを使うのかということに直接携わり、技術やノウハウを蓄積できるのは大きいです。また、顧客が大手なので、お客様と一緒になって新しいことを試行できるんです。お客様にとっても、先進的なことを試してから新たなシステムを導入できるメリットがあります。

三村:いい関係ですね。ある程度リスクも伴うことでしょうから、通常であればIT関連会社に「(新しいことを)試していいよ」とはなかなか言えないと思います。

松居:昔でいうモード1(安定性や効率化が重視される従来型のIT)の仕事を普段からきちっとこなしているから、「もっとやってよ」と期待していただけるのだと思います。

三村:日々の業務の積み上げが、このような信頼関係に発展していくのですね。

2.採用では、コミュニケーション力やロジカルな思考力を重視

三村:多くの情報子会社では親会社のシステムの開発・保守が中心になりがちですので、働く方の行動特性としては、一般的に受け身の方が多いという印象があります。しかし、御社の事業の中身をお聞きすると、積極的に攻めていく必要があるので、主体的に提案活動を行う能力が求められそうですね。

松居:そうですね。ただ、そういう人材が多いかというとそうではありません。私もこの会社に来て、「おとなしいな」「受け身だな」「自分から言わないな」という社員が多いと感じました。こちらから問いかければ、しっかりと考え、そしていい答えが返ってくるのですが、聞かないと発言しないなど、積極性は弱いと思います。

三村:私は御社の各階層の社員に対して研修を行っていますが、思考面をはじめいいものをお持ちだと思います。受け身の方が多いのは、他社を含め若手全体の傾向であるかもしれません。ところで、採用に関してIT業界ならではの考慮点はありますか。

松居:採用に際して大事にしていることは、「ロジカルに考えられる」、「人と会うのが苦手でない」といった点で、特にITならではということはありません。もちろん、生業からITスキルに長けているという観点は重要です。私自身もIT業界以外の出身ですが、ITに関する研修と学ぶ意欲・向上心があれば何とかなりますから。今は技術オンリーでお客さまの期待にあった、越える仕事ができる時代ではなく、コミュニケーション力やロジカルに考えられるスキルが重要であると考えます。

三村:全国的に学生の数も減っていますので、業務の適性を考慮しながら採用対象の幅を広げていくべきでしょうね。

松居:社員にも文系出身者が4割弱在籍しています。今、学んでいる分野に関係なく、応募していただけるよう、当社にアプローチしてくれた学生に「(文系でも)心配ないよ」「先輩もしっかりと仕事に励んでいるし、活躍しているよ」と声をかけるなど、気を配っています。私自身も、そのような環境のなかで成長してきたことを、彼らに伝えたいと思っています。

3.育成の場で「得たもの」を発揮し、実践場面で磨きをかける

三村:そうすると、入社後の育成が大事になってきますよね。

松居:はい、そうですね。今では研修メニューが充実しており、関連書籍もたくさん出ています。しかし、知識があるだけではダメですね。育成という文脈では、研修で学んだものを実業務で発揮できてはじめて身についたと言えると思っています。そのためには研修と実践をセットで考えておくことが大事だと思っています。特に弊社では、自らが知っていること、考えていること、そして課題解決に必要なことをお客様に「伝える力」が十分ではないと感じています。そこで社内では、人前で表出する場を積極的につくるようにしています。

三村:興味深いですね。具体的にはどのような取り組みを行っているのですか。

松居:数年前から、普段の仕事のノウハウ、業界動向などテーマを決めて皆に披露する「プレゼンテーション大会」という発表会を行っています。こういう取り組みもあって自らが考えたことを整理し、伝えることが徐々にうまくなってきました。これからはその中身の充実を図ることです。様々な要素を検討し、自ら考え、お客様に提案し、認めていただくことが大事ですので。

三村:なるほど、かなり実践力を養うトレーニングになりますね。実は先日、御社の若手社員の方を対象にした「プロジェクト入門研修」で、お客様からヒアリングを行った後、提案を作成する実践演習を実施しました。すると、確かにアウトプットはフォーマットを整え、きっちりと解説をしていました。但し、お客様から情報を引き出す場面では苦戦する方が多く、今後は踏み込んだ情報収集を行うことや、真のニーズを探るスキルの醸成が必要だと感じました。

松居:ヒアリングというのは、ただ聞くのではなく、相手の視点を意識して聞く、今だけでなく将来のことも聞くなど、多様な観点が必要と考えます。一つの事柄でも、その人の立場や経験則によって違うように見えます。その違いをきちっと確認していくことで、お客様に響く提案ができるようになります。AIやChatGPTにしてもそうですが、どういうものかを知っているだけでは意味がありません。それをどう使えばお客様のビジネスに活用できるかというところまで考えて伝える必要があります。そのためには、ヒアリングする力、聞いたことを理解して考える力、伝える力が欠かせません。

三村:おっしゃる通りだと思います。知的なプライドの高い方の中には「それ、知っています」という方もいますが、では、「実際にできるか」というところが問題視されることは多いですね。日々の現場経験を積み上げることで実践力を磨き、常に能力を高めていく意識を持つことが重要だと考えます。

4.感覚ではなく、“ファクト”に基づいて評価する

松居:以前、MSCのアセッサー養成講座を受講したときに、三村さんにいただいたコメントで印象に残っているのが、「ファクト(事実)が大事」ということです。「人を評価する際のファクトは何ですか」と、感覚ではなく事実に基づいて評価することが大切であると教えていただきました。但し、ファクトというのは、受け取る人によって捉え方が違うので、それをどう伝えるか、もしくはどういうふうに受け取ってジャッジをするかが大事ですね。

三村:研修でのポイントを覚えていていただき、ありがとうございます。そうですね、ただ実際には感覚だけで人の評価や配置をしている会社が、まだまだ多いことも事実です。

松居:リモートワークが進むと、人の評価がますます難しくなりますね。感情や感覚で評価するのではなく、何をやったか、どう動いたかをファクトとして把握する必要があります。

三村:リモートワークで部下の仕事ぶりが見えにくくなると、評価にはある程度「推測」が入ることになりますが、その「推測」が曖昧なままでは困りますね。専門的には「ナラティブ・アプローチ」(個別の事象を繋ぎ合わせ「ナラティヴ(語り、物語)」の視点で物事を捉える手法)と言いますが、部下の言動や成果を結び付けながら本人の仕事ぶりを推測していくスキルが、管理職には求められます。

ファクトベースで見ていくというのは、問題解決に近いところがあり、多方面から色々な情報を集め、客観的に判断する必要があります。

5.本人が“現在地”を認識し、社員の成長を会社や上司がサポート

松居:弊社の社員には各階層の研修でご指導いただいていますが、同時に、会社としてどう支援するかも大事だと考えています。まずは、どのくらいの規模の仕事をしたことがあるのか、そして、それは何回あるのかなど、その人の“現在地”を認識してもらって、そのうえで、1段階上の仕事をしてもらいます。ただし、それはできる可能性があるということなのですが、任せきりにすることはなく、組織としても上司としても見守り、サポートしていきます。育成においては、これがセットだと考えています。

三村:本人にとって、自身の現在地を示すというのは重要ですね。また、人材育成には組織や上司の支援は欠かせないものだと思います。

松居:また、会社がメンバーに期待しているあるべき姿と、本人がやりたいことや目指すことの方向性を一致させることがまずは必要です。そのなかで、「君は今、この段階だから」というのを共通認識とし、それをもとに、次のステップを一緒に考えてもらっています。御社にやっていただいているアセスメント(能力評価)は、まさに“現在地”を認識してもらうためのものですね。

三村:アセスメントにおいては、現状の能力を自己認知していただくことが一番大切です。ご本人がどう自覚しているのかを確認するとともに、世間相場として第三者からどう見えているのかを認識いただきます。今後は、労働人口が減少する中、現状の能力を評価することに加え、個々人の特性をどのように活かして組織の戦力アップを図るのかということに注目されています。

松居:アセスメント(HA:ヒューマン・アセスメント)は、私も受けたことがありますが、第三者から「ここがあなたの強点です。ここは弱点です」と指摘されると、非常に響きます。受けたことがない方は「たった2、3日で何が分かるのか」と思うかもしれませんが、「本当に当たっているからな」と話しています。

また、個人個人の強み・弱みはバラバラでも、会社全体としての傾向が見えてきます。同業他社などとも比較していただけますので、どこが足りないか、会社として気づきが得られます。

6.実現案を三つ出すことを意識することで、インプットや思考の幅を広げる

三村:現在、御社では私どもから、現役マネジャーのマネジメント力強化研修、マネジャー候補者の教育を目指したアセスメント研修、プロジェクトマネジメントの実践編と入門編の四つの研修を担当させていただいています。これらの研修を通じて最近感じることは、キャリア採用が増えてきたことによってユニークな人材が増えてきたことです。そういう方々は、組織の活性化の起爆剤にされているのかなと思うのですが、いかがでしょうか。

松居:キャリア採用を増やしているのは、一つは、お客様からたくさんお声がけいただいているので、それに応えていきたいからです。また、先ほど申し上げたように、いくつかの事業に分かれており、各事業の特徴に応じた人を採る必要があります。それと、今おっしゃっていただいたように、いろいろな経験をされてきた方々との化学反応にも期待しています。

三村:確かに事業が拡大していくと、多様な人材が必要になりますね。特に御社では、入社後に多様なステージで活躍するチャンスがありそうですね。

松居:チャンスということでは、社員から「こういうことをやりたいです」と提案が上がってくるのですが、幅広く、深くという観点で、もの足りなさを感じることがあります。

三村:御社で実施している「プロジェクトマネジメント研修」では、顧客提案やトラブル対応を実際にやっていただくシミュレーション演習を実施しますが、各社の特徴がここでは顕著に表れます。はばからず御社の特徴を申し上げますと、個々人の検討内容は比較的良好であるにも関わらず、上手く全体成果に結びつかないケースが多いようです。自分の頭ではよく考えているようですが、検討の幅が狭く他説とのすり合わせが不十分なため、アウトプットの内容が洗練されていない方が見受けられます。

松居:それはいろいろな局面で感じますね。社員からの提案に対して内容が十分でないと感じ、「もう一度考えて」と指摘すると、「どうしたらいいですか」と迷い、尋ねてくることがあります。その時は「幅を広げて考えて。例えば、考えうる3案を比較するなど、視点、視野を広げて考えてみてはどうか」と伝えています。結論は一つだとしても、手段はいくつかあるはずです。私はよく「右に振ったり左に振ったり物事を極端に捉えてみて考えてはどうかな」と言いますが、手段を三つ考えようとすると、集める情報の幅を広げていくことが必要となりますし、その結果、いろいろな解決手段ややり方が見えてくるじゃないですか。

三村:社長自らが実務的なアドバイスをされている印象ですね。日頃からそのようなやり取りを繰り返していると、人材育成的な思想や発想が社員にも浸透していくと思います。

7.「実践する」風土づくりと次世代経営幹部育成が課題

三村:最後に、今後の人材活用、および育成について、どのような理想や課題をお持ちであるかお聞かせください。

松居:「実践する」ということを定着させて、自社の風土にしたいと思っています。また、会社や上司の立場で社員を支え、社員の活躍や成長を促す仕組みを作りたいです。全員が自分事として課題に取り組むことが大事ですし、自身の“現在地”を知ることも大事。そして、上司がそれをサポートすることです。非常にベタですが、ここをしっかりと実践していける会社になりたいと考えています。3年前から始めている1on1ミーティングは、これらを実践する「場」であり、風土つくりを進めるための一施策でもあります。

三村:なるほど。人材活用や育成について、分かりやすく明確な「ビジョン」をお持ちですね。

松居:特に、人材育成の面では、次世代の経営幹部育成が課題です。元々エンジニアの会社ですので、いわゆるマネジメント人材やゼネラリストが少ないのです。弊社は今年40周年を迎えましたが、40年というと、22~23歳で入社した人が60歳の定年を超える年数です。ですからこれからは、プロパー社員が主役となって会社を運営していくフェーズに移っていくものと考えています。しかし、こういった人材が充足しているとは言えない状況です。

三村:どの企業でも後継者育成、特に経営人材の育成には苦労しがちですが、様々な取り組みにチャレンジされる企業をお見掛けします。御社ではどのような取り組みをお考えですか。

松居:今後は、すそ野を広げていかないといけないので、今年、「未来創造会議」という次世代リーダー育成プログラムを立ち上げました。ただ、座学で学ぶだけでなく、最後に本社施策を提案してもらうことにしました。関係者からのヒアリングによってファクトを確認するプロセスをきちっと取り入れて、ありたい姿と現実とのギャップを捉え、そのありたい姿の実現に向けた施策として提言してもらいました。3カ月という限られた期間であり、業務と並行して取り組んでもらいましたのでかなり負荷もかかっていますが、参加者からは、非常に有意義であった、面白かったと聞いています。私自身も企画段階から参画し、研修においては、参加者との意見交換、提言を受けたフィードバックにも関与しました。現在はこの研修のアウトプットとして受け取った提言の実行フェーズにも関わっています。

三村:研修のための研修ではなく、将来のキャリアデザインや実践力の向上につながる流れになっているところがすばらしいですね。

松居:エンジニア出身者も若いうちから経営的感性を身につけていくことは大切です。そして、マネジメントに関するスキルを持った人材を増やすことに加え、当社事業の特徴でもある自社ソリューションのオーナーとして、マーケティングなどのスキルを持った人材を育てる必要もあると考えています。

三村:「マネジメント」というと組織活動を維持・管理するイメージがありますが、松居さんがおっしゃったことは、どちらかというと変革を進めるリーダーシップであり、しかもそれをビジネスとして成り立たせていくアントレプレナー(起業家)的な発想を求められていると思います。

松居:はい。プロジェクトマネジャーとプロダクトオーナー(製品開発における方向性を決める責任者)の両方の発想で取り組んでほしいです。

8.マネジャー志望者の減少への対策も検討

三村:私が最近危惧することは、世間一般にマネジャー志向の若者が減ってきていることです。御社ではどうですか。

松居:正直、同じ課題感がありますね。マネジャーになりたくない人が増えている根本的な原因としては、

・エンジニアだからそもそもやりたくない
・組織マネジャーがプロジェクト・プロダクトマネジャーを兼ねている(その人が「できる」人だから)
・今の上司を見て、業務量が多すぎてやりたくない
・組織マネジメントのやり方がわからない
――といったところと認識しています。

三村:単純に世代間ギャップとは言い難く、様々な環境要因があると思いますが、松居さんはどのように克服されようとしていますか。

松居:弊社としては、4つの取り組みを進めつつあります。

① 若手の早期戦力化に向けた諸研修(プロジェクトマネジメント入門研修、未来創造会議含め)

② 「ノウハウをカタチに」「組織力の強化」という重点取り組み項目を示し、過度に個人に頼るのではなく組織で仕事をすることがお客様にとっても個々人にとってもよいというメッセージを発信

③ いわゆる組織マネジメントのサイズを小さくし、組織マネジメント負荷を下げるとともに、組織マネジメントを経験する場を増やす

④ ③によって生ずる組織縦割りによる弊害に対して、横串を通すバーチャル組織で情報連携する仕組みをつくる

①では、先を見ること、多角的に見ることの必要性を説いています。②については、今年7月に経営戦略を再定義し、全社員に向けて、私から直接説明しました。④は、③に取り組み始めたところ出てきた課題です。

三村:かなり御社の実情を踏まえ、実践的に練られた取り組みであると思います。特に③の「組織マネジメントのサイズを小さくする」・・というのはかなり戦略的な試みですね。

松居:はい、ご指摘の通りです。やってみていろいろなことが生じますが、そこは走りながら改良を加えていけばよいと考えています。一方、組織のマネジャーをやりたがらない人が増えていることに対する根本的な解決にはならないかもしれませんが、一つ考えているのが、組織のマネジャーとプロダクトのマネジャーを分離することです。

三村:かみ砕いて言うと、組織を回すマネジャーと物をつくるマネジャーですね。

松居:はい。もちろん、物をつくるのは、人です。プロダクトマネジメントでは、ビジネスとしてどう成長させるのか、お客様にどうすれば認めていただけるのか、といった観点での苦労、工夫、喜びがあると思っています。プロダクトマネジメントをやる人がそちらにしっかりと取組むことで、組織マネジメントと役割分担し並立すると思っています。

三村:一つ加えると、「マネジメントは厄介」「やると損」と見る方もいますので、人や組織のマネジメントの楽しさややりがいを若い方に伝えていくことも大事だと思います。

今日はたくさんお話しいただきましたね。松居さんとお話しさせていただくのは本当に楽しいです。お忙しい中、本日はありがとうございました。

会社名:株式会社宇部情報システム
設立:1983年9月16日
資本金:1億円
従業員数:427名(2023年4月1日現在)
事業内容目:画像処理検査、CAE(Computer Aided Engineering)ソリューション、ICTサービス、受託開発

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10.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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