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日本のリーダーが早期に開発すべきリーダーシップスキル

1.リーダーシップのフレームワーク

多くの日本企業は、「ポストが人を育てる」という考え方で、経験を積ませながらリーダー育成をしてきました。VUCA時代、ビジネスが変わっていくスピードは速く、またリーダーが習得しなくてはならないリーダーシップスキルもこれまでとは違います。リーダー人材の育成を戦略的かつ体系的に取り組まなくては、育成スピードがビジネスのスピードに追いつきません。 


これまでの育成方法は、既存ビジネスの遂行に長けている従来型のリーダーは量産できますが、企業がこれから必要としている、「グローバルの競争に勝つことができるリーダー」を育成することはできません。

将来のビジネスを牽引する準備ができているリーダーが潤沢にいなければ、従来のビジネスモデルを変革することはできず、日本企業の生き残りは厳しくなるでしょう。「ポジションを獲る」ことに、志や情熱を持ったリーダーは、自然発生的に生まれるのではなく、育てるものです。皆さんにとっての朗報は、リーダーシップは戦略的に開発することができるということです。

2.グローバル基準のリーダーシップ

外資系企業の人事責任者から日本企業の人事責任者に転職される方が、以前よりも増えています。転職の理由は、人事としてのビジネスのダイナミクス(科学的に人事をとらえ、タレントの観点から的確にビジネスの先読みをし、ビジネスを成功に導くにはどうすればよいのか、人材戦略立案をサポートする)が、日本企業においてはこれからさらに求められるからだと、皆さんおっしゃいます。

そして、外資系企業の人事の場合、責任範囲は、日本国内あるいはアジアパシフィックですが、日本企業になると、日本本社を基点としてグローバル全体を見ていくことが人事の責任範囲になります。仕事の範囲がグローバル全体になるという意味で、チャレンジも多いが、その分やりがいもあるとのことです。

外資系企業で人事のキャリアを積んできた人たちは、日本企業のマネジャーが、外資系企業のマネジャーと比べて、リーダーシップのフレームワークを学んでいないことを問題視します。

日本企業の場合、グローバル化といっても、実際には、日本市場の中で、同質のカルチャー、同じ考え方や価値観を持つメンバーをとりまとめているマネジャーがほとんどです。会社からも、グローバル基準のリーダーシップのフレームワークを学ぶ機会は提供されてきませんでした。

外資系企業の場合は、是非は別にして、本社主導で、グローバル基準でリーダーシップ開発の基本トレーニングが世界中で実施されていることがほとんどです。そのため、日本国内でビジネスをしている外資系のマネジャーであっても、グローバル基準のリーダーシップのフレームワークを知っています。

3.3つのリーダーシップスキル

多くの日本企業にとって、グローバル化を考えずして成長は難しいのが現状です。多様な人材で構成されたチームのパフォーマンスを最大限に引き出して結果を出すためには、日本流では通用しません

このような状況下、日本企業では、これまでとは違うリーダー人材育成の施策を積極的に実施していくことが活発化しています。グローバル基準のリーダーシップ開発を行い、グローバルリーダーへの準備度を高めておくことが経営の優先課題になっているからです。 

第1章で紹介したVUCAに対応しなくてはならないリーダーシップの四つのスキルを発揮するうえでも、優先順位が高い、リーダーシップの「基本必須スキル」を次の3つに絞りました。

①パフォーマンスマネジメント(結果を出す)
②対話力・フィードバック力(ハイコンテクスト文化からの脱却)
③ダイバーシティ(ダイバーシティ経営の推進)

この3つのリーダーシップスキルに加え、ビジネススクールで学ぶ、ビジネス・経営の基本知識ももちろん不可欠です。3つのリーダーシップスキルは、ビジネススクールで学んだ知識を、実際のビジネスの現場に適応し、現業のビジネスで結果を出すために、MBAの知識と同等に必須の基本スキルです。

リーダーシップの基本スキルを習得しないまま、グローバルリーダーとして多国籍、多様な価値観のメンバーと仕事をすれば、ローカルスタッフのエンゲージメントは下がり、転職されてしまう危険性が心配されます。

また、日本人リーダーにはリーダーシップがない、意思決定ができない、コミュニケーションがうまくとれないと、ローカルスタッフとの信頼関係が築けず、チームのパフォーマンスを出せないまま日本に帰国するという望まない結果を生む可能性も高まります。

次に、世界基準のリーダーに必須となる3つのリーダーシップスキルを具体的に紹介します。

4.おすすめ人材アセスメントソリューション

5.グローバルポジションを獲りにいく

グローバル企業において、日本人は優秀な部下にはなれるが、グローバルポジションはとれないという事態が起きつつある。外国人、とりわけアジアの優秀なリーダーたちが、日系企業の重要ポジションを占め始めている。このままでは、日本人はグローバルはおろか、国内でも重要なポジションをとれないことが危惧される。
日本企業では、なぜリーダーシップ開発が停滞しているのか。グローバルポジションをとれるリーダー人材は、いかにして輩出されるのか――。
日本人のリーダーがグローバルで戦うために世界基準で獲得すべきリーダーシップスキル、及びリーダーシップ開発成功の要諦、人事が起こすべき変革、経営のコミットについて、具体的事例とリーダーシップに関するグローバル・データを織り交ぜながら解き明かす。

6.会社概要:株式会社マネジメントサービスセンター

創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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