リーダーに不可欠な7つのリーダーシップ・スキルとは
1.リーダーシップのコアスキルを開発する重要性
あなたが初めてリーダー職に昇進したばかりだと想像してみてください。前任のリーダーは突然退職してしまいました。この状況は「適切なタイミングで適切な人材が就任した」状況なのでしょうか?それとも、ただの穴埋めで「誰か」がこの役割を担わなければならなかったのでしょうか?
実際、私はその「誰か」でした。ワクワクすると同時に、重圧で押しつぶされそうな恐れを感じました。20人のチームを率いることについて、私は何を知っていたのでしょうか?さらに悪いことに、組織からリーダーシップ・トレーニングは提供されませんでした。
成功するためにどのようなリーダーシップ・スキルが必要なのか、全く手がかりがありませんでした。前任のリーダーは「命令と統制」のアプローチをとっていましたが、私の新たな上司はリラックスしておおらかな性格でした。
さて、私はいったいどのようなリーダーになりたいのでしょうか?成功するにはどのような能力開発が必要なのでしょうか?
組織は、従業員の専門知識のみを基にリーダー職に登用することがよくあります。その際に、リーダーシップ・スキルがあるかどうか、それを伸ばす可能性があるかどうかを評価していません。私の組織のように、基礎的なリーダーシップ・トレーニングを提供していない場合、新しいリーダーは、自力でやり方を模索せざるを得ません。
リーダーにコアスキルを身につけさせることは、組織全体で強力なリーダーシップの基盤を築く鍵となります。あらゆる階層のリーダーが必要不可欠なスキルを習得し、期待されている役割を理解していると、リーダーは効果的な行動の模範となり、互いに責任をもち合う文化が形成されます。
さらに、コアスキルに熟達すれば、「あのリーダーは話をよく聞いてくれる」「あの人はコーチングをしてくれる」「あの人はフィードバックを大切にしてくれる」など、個人の評価に基づく偏見を防げます。また、リーダーシップの基本を共有することで、リーダーとして成功するための準備を整えた人材の健全なパイプラインも確保されます。
リーダーがコアスキルを共有すると、仕事の進め方に関する認識が一致しやすくなり、生産性の向上、変化への対応、目標達成が実現します。一貫したリーダーシップ文化は、リーダーを成長させ、定着させるとともに、全従業員の健全な組織文化を支えます。
2.7つの重要なリーダーシップ・スキルとは
リーダーがチームを導き、組織の目標を達成するためには、中核となるリーダーシップ・スキルを身につけることが不可欠です。優れたスキルと言えるものは数多くありますが、ここでは、あらゆる階層のリーダーに必要不可欠な7つのスキルをご紹介します。
①感情的知性(EQ)
かつて同僚が2人のチームメンバーをその仕事に向いていないと結論づけたことがありました。そのような結論に至った理由を尋ねたところ、同僚は彼らに有意義な仕事や職場の文化、個人の価値観については質問せず、単に仕事の好き嫌いを尋ねただけでした。彼女は彼らの率直な答えに苛立ち、「それなら、なぜまだここにいるの?」と問い詰めてしまいました。相手の話を共感的に聴くのではなく唐突に反応したことでその場の雰囲気が変わり、信頼と善意の前提が崩れてしまいました。その後、この2人のチームメンバーは退職し、プロジェクトは遅れ、チームの士気も低下しました。
②コーチングと人材育成
リーダーはコーチング・スキルを学ぶだけでなく、自分自身もコーチングを受けたいと考えています。実際、MSC/DDIのグローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2023調査によると、上司から質の高いコーチングを受けているリーダーは、より高い役割に就くために転職する必要があると感じる確率が1.5倍低くなります。
③説得力のあるコミュニケーション
何よりも重要なのは、リーダーの説得力のあるコミュニケーションが、チームメンバーの間に共通のアイデンティティを生み出し、目標を達成するための原動力となることです。これにより、全員が一丸となり、成功に向かって同じ方向に進めるのです。
④意思決定
リーダーが優れた意思決定を行うことで、組織を前に進めることができます。彼らはメリットとデメリットを慎重に検討し、大局を見据えたうえで、チーム全体を動かす決断を下します。良い意思決定は良い結果をもたらします。競争が激しく変化が絶えない環境下において、適切なタイミングで適切な判断を下せるリーダーが、組織には必要なのです。
⑤権限委譲/エンパワメント
⑥戦略の実行
最終的には、優れた実行力が持続的な成長を促し、組織の競争力を維持する要となります。
⑦変革の推進
3.リーダーシップのコアスキルを開発し、向上させる方法
リーダーにとって、コアスキルの開発を優先させることは、もはや「したほうがよい」ではなく、「必須」のことです。実際、リーダーはそのための時間を確保したいと考えています。彼らは同僚とともに、グループでの的を絞った学習体験に没頭し、その日のうちに実践できるような、業務との関連性が高いスキルを学ぶことを望んでいます。また、自分の進歩について重要なコーチングの対話を上司と行いたいとも考えています。
組織は、リーダーに公式と非公式のリーダーシップ・トレーニングをバランスよく提供することで、こうした学習経験を与え、リーダーシップのコアスキルを身につけさせることができます。効果的な育成を行うには、効率とインパクトの両方を最大化させる必要があります。私の経験では、好きなタイミングで短時間に実施可能なオンラインによる学習と、より包括的な集合研修を組み合わせたトレーニングでは、コアスキルが十分に探求されています。
また、リーダーは学んだスキルを実践し、進捗状況のフィードバックを受けることも必要です。そして、研修に参加して学習した内容を定着させるためには、業務との関連性が最も重要です。
4.まとめ~練習は進歩・熟練の源
30年以上のリーダーとしての経験を経て、ほとんど面識のない20人以上のチームを初めて率いることになった頃をよく思い出します。幸運にも、その頃、後に私のメンターとなる尊敬すべきリーダーから早い段階で指導を受けることができました。
そのリーダーは、私が自分の役割に馴染めるようコーチングを行い、安心して質問できる場を与え、リーダーとしてビジネス面と人間関係のバランスをとる方法を見つけ出すための支援をしてくれました。継続的なコーチング、体系的な能力開発、タイムリーなフィードバック、そして核となるリーダーシップ・スキルの実践が、最初のリーダー職だけでなく、その後のすべての役職で成長する一助となりました。』では、これらの年月を経て私はどのようなリーダーになったのでしょうか?一言で言えば、一貫性のあるリーダー、または、バランスの取れたリーダーになったと言えるかもしれません。
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7.会社概要
会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント