見出し画像

第4章<診断する>人材アセスメントがいかに成長速度を上げるか

1.人材アセスメントは成長の「速度」(方向とスピードの両方を含む)をコントロールについて

準備度を診断するシステムなしに人材開発の加速化の旅を始めるのは、ハンドルやアクセルなしで車を連転するようなものだろう。エンジンはかかり車は動くが、コースも速度も思い通りにはならない。

つまり人材アセスメントは成長の「速度」(方向とスピード)をコントロールしてくれるものだ。これまでに行った大規模な調査によって、人材アセスメントは、適切に構築、使用されれば、人材開発の加速化に欠かせない成果をあげることが判明している。


10年以上にわたり142の大規模組織を対象に行われた調査が、2014年にまとめられ、下記の結果が判明した。

・人材アセスメントは成長を速め、能力開発を急ぐ事で起こりえる失敗のリスクを減らす。うまく設計された人材アセスメント(どんなアセスメントでも良いわけではない)は、リーダーの配置や能力開発に関するより良い意思決定につながる。より正確な予測データは、不適切な人材を昇進させるといった誤りを減らすだけでなく、リーダーのパフォーマンスを大きく改善し、キャリアの向上を速める。

・人材アセスメントは、リーダーにフィードバックの活用法を示し、大きな職務を引き受ける際に受けるフィードバックへの受容度をより高める。将来に焦点を当てた人材アセスメント・プロセスの参加者の90パーセント以上が、参加後、フィードバックに対して、それまで以上に関心を持つようになった。リーダーの自己洞察を強化させ、リーダーシップの効果性に関するより正確な言語を持たせることで、フィードバックを創造的に活用する能力が高まる。結果的にフィードバックの価値が上がり、リーダーはより一層フィードバックを活用するようになる。

これだけ利点を聞かされれば、なぜ人材アセスメントがもっと広く活用されていないのかあなたは疑問に思うだろう。これは人材アセスメントの進化が広く知られていないからだ。

・人材アセスメントは、とても効率的でかつ費用がかからないものになった。そして従来と比べてはるかに有益な洞察を生むようになった。同じ費用でも、10年前なら10人のリーダーしか診断できなかったものが、今なら50人以上を診断できる上、10年前より深い洞察と、ビジネス上の意思決定に有益な分析結果が得られる。新しい評価テクニックを駆使した人材アセスメント手法は、参加者の経験を豊かにすると同時に、必要な時間とリソースを減らす(約50パーセント)ことも可能にした。

人材アセスメントは人材開発の加速化の基礎であり、これまでにないほど大規模に実施可能になっている。だが、すべてのアセスメント・システムがそうなったわけではない。

2.人材アセスメントで行うべきこと

特定の人材アセスメント手法を紹介する前に、まずは人材開発の加速化を推進するために、準備度アセスメントに関する以下の2つの考察に触れておこう。

・人材アセスメント後に作る能力開発計画が、より大胆で、積極的で、かつ失敗のリスクが低いものとなるような、新しい洞察をアセスメントは生まなければならない。人材に関する深い洞察が得られないと、経営幹部は高くつく過ちを恐れ、保守的なスタンスをとりがちだ。そうなると能力開発はより慎重になり、速度が落ちていく。準備度人材アセスメントは、今その人が持っている強みや弱みの先を見通し、未経験の状況に直面したときの行動を予測することが可能である。このレベルまで先のことを明確にすると、ビジネスへのリスクを抑えながら、能力開発に革新的なアイデアを取り込んでいくことができるだろう。

・ビジネス状況に合わせた準備度を診断しなければならない。人材アセスメントがリーダーのプロフィールを明らかにするための試みでしかなければ、準備度を正確に診断することはできないだろう。個人の能力を組織のビジネス環境の特定のニーズに合わせることを可能にするものでなければならない。これは、コンピテンシーの名前を組織の言語に合うように変えたからといって実現するものではない。準備度人材アセスメントは、ビジネスと組織文化の課題を客観的に考慮し、上の階層で直面し得る課題に、リーダーのスキルと特性が対処できるかを判断するものだ。第2章で紹介したビジネス・ドライバーは、特徴的なビジネス状況を明らかにする客観的手法であり、アセスメント・システムの中核的要素となる。

複数の有効な手法と組み合わせて、さまざまな角度からリーダーを診断すれば、人材アセスメントの信頼性が高まることはお分かりいただけるだろう。単一の手法や要素から決定的なリーダーシップスコアを導き出すといったうたい文句がある“魔法の”テストやシンプルなオンラインツールは要注意である。

人はそんなに単純なものではない。リーダーの完全なプロフィールは、ひとつのツールや手法だけで測ることなどできない。人はさまざまな能力や特性を持っており、人によってうまく適合できる状況、適合しにくい状況がある。モザイクと同じで、個人の能力を絵にしようと思ったら複数の色や形が必要になる。状況が複雑でリスクが高くなるほど、必要な色や形も増えるのだ。これは単に個々人を描写するのが目的ではない。そうすることで経営陣の間で、客観的かつ具体的な話し合いをし、創造性を高めて、能力開発に伴うリスクを確認するのが目的だ。

単に個々人を描写するのが目的ではない。そうすることで経営陣の間で、客観的かつ具体的な話し合いをするのが目的だ。

3.おすすめ人材アセスメントソリューション

①コンサルティングソリューション

②オンラインシミュレーションアセスメント&アセスメントシステム

③オンライントレーニング&ディベロップメント

4.DDIとは

DDIは、世界最大手の革新的なリーダーシップ・コンサルティング企業です。1970年の設立以来、この分野の先駆者として、リーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。顧客の多くは、『フォーチュン500』に名を連ねる世界有数の多国籍企業や、『働きがいのある会社ベスト100』に選ばれている世界の優良企業です。
DDIでは、組織全体におよぶリーダーの採用、昇進昇格、能力開発手法に変革をもたらす支援をすることで、すべての階層において事業戦略を理解し、実行し、困難な課題に対処できるリーダーの輩出に貢献しています。
DDIのサービスは、現地事務所や提携先を通じて、多言語で93カ国に提供されています。また、同社の研究開発投資は業界平均の2倍であり、長年にわたる実績と科学的根拠に基づいた最新の手法を駆使して、組織の課題を解決しています。

◆DDI社の4つの専門分野

DDI社は、4つの専門分野を中心に、長年の実績と科学的根拠に裏付けられたソリューションと、より深い洞察を提供し、優れた成果を生み出しています。

5.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?