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意識の中の三角形を意識すると問題解決への道のりが見えてくる

#確信 #現象学 #個的直観 #本質直観 #情動所与 #フッサール #竹田青嗣 #信念対立 #平和 #問題解決 #川柳 #ダジャレ

——— 私たち人間は、物事を認識する際に必ず何らかの確信を持っています。この確信がなければ、行動を起こすことも難しく、自分の存在意義さえ見失ってしまうかもしれません。

世界を見渡すと、人々は様々な確信を持っており、時にそれらが衝突することもあります。国家間でも、異なる確信が摩擦や対立、さらには戦争の原因となることがあります。では、確信が異なるということは、こうした問題は避けられないのでしょうか?解決の道はないのでしょうか?

この問題を理解するためには、人間の意識内でどのような現象が起きているのかを見つめる必要があります。現象学では、人間の意識内で起こる三つの現象が確信を形作っているとされています。フッサールの現象学で示された「個的直観」と「本質直観」という意識現象、そして日本の哲学者・竹田青嗣氏が提示した「情動所与」という意識現象です。

重要なのは、これら三つの意識現象は順番に発生するのではなく、一つの認識の瞬間に同時に、セットとして立ち現れるということです。例えば、りんごを見る時の意識内の現象を考えてみましょう。意識の中に浮かぶ赤い色やつやつやした表面、想像される食感などの現象(個的直観)、それが「りんご」であるという意味づけの現象(本質直観)、そしてお腹が空いているという身体的な状態から生じる情動の現象(情動所与)は、分離できない一つの認識体験として同時に生起します。遊び心という情動があれば、同じりんごでも投げて遊ぶ道具として一瞬のうちに意識されるのです。

この意識内の三つの現象が不可分な構造として同時に働くことを理解すると、人々の認識の違いに対してより効果的に対処できるようになります。なぜなら、相手の意識内で同時に起きているこれらの現象を総体として捉えることで、より建設的な対話が可能になるからです。特に「情動所与」という現象の理解から、相手の意識内にどのような欲望や目的、関心が他の現象と同時に生じているかが見えてくると、共感できる部分を見出し、新たな解決策を導き出せる可能性が高まります。

私は教師として子どもたちと接する機会が多いのですが、この意識内の三つの現象が一体となって働く構造を意識することで、より深い理解に基づいたコミュニケーションが取れるようになりました。子どもたちの意識内で同時に起きているこれらの現象を理解しようとすることで、より生産的な関係を築くことができています。

このような意識現象の統合的な構造への理解は、単なる理論ではなく、日常生活における人々との関わり方を大きく変える可能性を持っています。相手の意識内で同時に起きている現象の構造を理解することで、対立が生じた際により効果的に対処し、建設的な関係性を築いていけるのではないでしょうか。

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