映画の街、京都。
京都を出てから京都は映画の街だなと思うことが多くなりました。
映画村もあるし、全国にあるようなシネコンからミニシアターまでたくさんの映画館があります。
大学生になって映画好きが加速したのもそんな京都にいたおかげだと思うようになりました。
映画が好きな学生には京都で映画好きを加速させてほしいし、映画はたまに見るくらいという京都に住んでいる人にもこのnoteを見て一度映画館を訪れて欲しいなと思います。
映画の街だと思う3つの理由
改めて映画が好きになった、映画の街だと思う理由を詳しく説明していこうかと思います。
①観れない映画がない。②通いやすい。③安い。
①観れない映画がない。
京都市の中で僕が通っていた映画館が7つあります。映画館についてはこの後に書こうと思うので省略しますが、京都市の中でこれだけの数があるので観たいと思った作品で公開されていないということがありませんでした。
実家に帰ったときは近くに映画館があっても観たい作品がやってないことがあって電車に乗って往復1時間かけて映画を観にいくことなんかがざらにありました。
公開日には上映されなくても、少し待てば確実に京都で観れていたので京都に住んでいて観たい映画が近くで観れないなんてことはありませんでした。
②通いやすい。
京都の映画館はすごく通いやすい。これは京都だからこそかもしれないです。京都は観光地なので地下鉄とバスを使いこなせばどこへでも簡単にいけます。映画館にも簡単にいけます。そして、映画館自体も駅やバス停からも比較的近いところにあるので通いやすいです。
四条周辺に3つ、二条の駅すぐに1つ、京都駅近辺に2つ、出町商店街に1つ。
僕は自転車を持っていたので、基本的に自転車で映画館に通っていました。1日に3つの映画館に自転車で行くこともありました。京都市を縦断するような日は少し疲れましたが二条と四条を行き来するくらいであれば、ちょうどいい運動になり健康にもよかったです。
③安い
これは学生に特に大学生に言いたいのですが、京都の映画館は料金が安いです。京都にいるときはそんなに気にしていなかったんですが、京都の学生料金は破格です。TOHOシネマやMOVIXのような全国にある映画館は他の地域と金額が変わりませんが、ミニシアターは大学生も大体1000円で観れます。
これには本当に驚きました。東京や名古屋にあるミニシアター系の映画館は大学生の料金は1500円でした。もちろん、そこには映画館の設備や客席数で違いがあるからなのかもしれませんが大学生にとって安く映画が観れることほどいいことはありません。
だから、僕はついこの間まで前売り券を買う人の理由がわかりませんでした。500円も高い前売り券なんて誰が買うんだと思っていましたが、今では前売り券様様です。
他の地域では2回しか観れない料金が京都では3回観れる料金になっていたので、大学生の期間に京都で映画を観れてよかったなと心の底から思いました。
TOHOシネマズ 二条
大学生の時に京都で初めて行った映画館はここでした。映画にどっぷりハマる前からこの映画館には月1くらいで行っていました。
IMAX、MX4Dの設備もしっかりと備わっているので充実した映画体験ができます。大好きな『ボヘミアン・ラプソディー』もこの映画館で何回も観ましたし、僕のオールタイムベストに入っている『地獄の黙示録 ファイナルカット』はここのIMAXで2回観て2回とも震え上がりました。
そして、この映画館で午前十時の映画祭の存在を知り過去の大傑作たちにめぐり合うこともできました。『七人の侍』を観た時に、途中に休憩の文字がスクリーンにでかでかと現れ、驚いたのはいい思い出です。
駐輪場があるので自転車で通ったり、二条駅からすぐなので雨の日なんかは地下鉄に乗って行っていました。
MOVIX京都
この映画館も映画にハマる前から行っていました。四条にある大きい映画館だったので友達や後輩など誰かと映画を観るならここで映画を観ていました。
去年くらいからDolbycinemaという最強の映画体験ができるようになったのは個人的にとても大きかったです。Dolbycinemaでは完成記念のようなもので昔の作品を上映しているときに『ベイビー・ドライバー』を観ることができたことは最高の思い出です。
それともう1つ忘れられない思い出があります。それはこの映画館で初めて舞台挨拶付きの上映回に行ったことです。作品は『佐々木、イン、マイマイン』だったんですが、内山拓也監督と細川岳さんが上映前にお話ししてくださいました。そして、なんと出演者の方々と監督のサイン入りポスターの抽選に当たるという奇跡が起きた場所でもあります。
四条でバイトをしていたので昼のバイトが終わってから行ったり、バイト先の駐輪スペースいつでも使っていいよと言われていたのでそこに自転車を止めて行ったり、地下鉄四条駅から歩いて通っていました。
T・ジョイ京都
京都駅の近くある映画館。京都駅の近くにあるということもあり、京都市外からくる友達や県外の友達とはここで映画を観ることが多かったです。
住んでいたところから少し距離があるのと、TOHOやMOVIXと上映されている作品が似通っていたのでそんなに頻繁に通うことはありませんでした。
1つ覚えているのは夏休みに『アラジン』を1人で場違い感を感じながら観て、そのまま実家に帰ったということくらいです。周りはカップルか小中学生連れの親子ばかりで、あれほど気まずいことはありませんでした。『アラジン』は面白かったです。
それ以来おそらく1度も行っていないような気がしますが、大学生になりたての頃はまあまあ行っていたと思います。
京都シネマ
初めてミニシアターはここでした。これまで大手シネコンでしか映画を観てこなかった僕がミニシアターに行こうと思ったのはNetflixが理由です。
当時、僕はNetflixに加入していませんでした。そんな中でアカデミー賞ノミネート作品にNetflixのオリジナル作品も増えてきていました。アカデミー賞ノミネート作品は観ておきたいと思っていた僕は困っていました。どうにか観る方法はないかと作品について調べていたら上映している映画館を見つけました。それが京都シネマでした。ちなみに観たかった作品は『マリッジ・ストーリー』でした。鑑賞後に作品の余韻に浸りつつ、ミニシアターの雰囲気にも浸っていました。
ミニシアターの存在を知ったこととその壁を破ったことで京都のミニシアターが他にないか調べるきっかけにもなりました。
コロナが流行る前は座席指定は無くて、チケットを先に買った人から整理番号が振られてその番号順に入り、空いている席に座るというシステムでした。その時は驚きましたが、今となってはそれが懐かしいです。
個人的に京都シネマで観た作品は当たりがかなり多かった印象です。『レ・ミゼラブル』『mid90s』『燃ゆる女の肖像』はここで観たし、鑑賞後の余韻がすごかったのも映画館の景色と共に覚えています。
過去作を取り上げて上映されていたりしたのでそういった作品を観れる楽しさもありました。
四条駅から直通で行けたので地下鉄を使って行ったり、自転車をバイト先に止めて通っていました。
京都みなみ会館
2番目に行ったミニシアター。当時僕がクリステン・スチュワートにハマっていた時に彼女が主演の『ふたりのJ・T・リロイ』が上映されていたのでこれはいくしかないと思い、観に行ったのが最初です。
みなみ会館だけのオリジナル特集で他ではあまり公開していないような作品を上映しているのが特徴的で印象にも残っています。
個人的に京都みなみ会館の雰囲気が1番好きでした。
『ドロステのはてで僕ら』を鑑賞後に演者の方にサインをもらったことはいい思い出ですし、セルジオ・レオーネの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウェスト』に圧倒されたり、僕が大好きな『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のロングカット版を観てディスクを買おうと思ったことも覚えています。
京都駅からすこし歩くところにあったので、基本的に自転車で行っていました。家から少し距離があったんですが、自転車をこぎながら観た映画の余韻に浸っていたので帰り道はいつもあっという間でした。
出町座
住んでいたところから1番近くにあった映画館。その存在自体はずっと知っていたのに初めて行くまでに時間がかかりました。
去年コロナで緊急事態宣言が出た時、たしかクラウドファンディングで会員になれるものがありました。会員になったら行くようになるだろうと思い会員になり緊急事態宣言が解除されてから初めて行ったことを覚えています。
出町座は本屋とカフェもあるので映画の前後にゆっくりすることができるのがいいところです。僕はこの本屋で売っている読書ノートを今でも使っています。会員であれば本を1000円以上買うとスタンプを会員証に押してもらえました。通常は映画を1つ観ると1スタンプ押してもらえ、6つたまると招待券がもらえました。
出町座で初めて観た作品は『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』でした。緊急事態宣言明け最初の映画館での映画はすごく沁みました。他にも『許された子供たち』や『真夏の夜のジャズ 4K』なんかを観れたのも思い出ですし、京都での学生生活最後の映画もこの出町座でした。
公共交通機関を使わなくてもいい距離感に住んでいたので基本自転車か徒歩で通っていました。なので、詳しくはわからないですが、出町座駅かバスを使うのが1番行きやすいのかもしれません。
アップリンク京都
僕が大学4回生のとき、ちょうど1年前くらいにできた映画館。本当に新しい映画館です。
映画館はとてもおしゃれな雰囲気。内装もカラフルでおしゃれでした。列ごとに座席の色が違うのを見るのは初めての経験でした。フードやドリンクもオリジナルのものがあったり、アルコール類の種類も豊富でした。
上映している作品も新作だけでなくて、見逃してしまった映画祭と題して1年くらいかけて過去の傑作を順番に上映していました。僕はそれで『君の名前を僕で呼んで』と『ラ・ラ・ランド』を観に行ったことを覚えています。
また『ザ・プロム』や『シカゴ7裁判』といったNetflixオリジナル作品もアップリンクで観ましたし、『アルプススタンドのはしの方』や『アンダードッグ』の前編後編など邦画の傑作にも出会うことができました。
新作と過去作の割合が僕の個人的にちょうどよかったのかおそらく最終的に1番通っていた映画館になっていたと思います。
地下鉄烏丸御池駅から直通でいけるので、地下鉄に乗って行っていました。
Cafe Seberg
京都にあるおそらく唯一の映画カフェ、カフェセバーグさん。僕は京都を離れる直前に滑り込みで1度だけ行くことができました。もっと早く知っていれば確実に通っていたと思います。
店長さんがとても気さくな方でたくさん映画の話をしてくれますし、いろんなおすすめ作品を教えていただきました。居心地が良すぎて、その時も15時くらいにお邪魔して結局18時くらいまで滞在していました。
お店も関西の映画館とたくさんコラボしていてその映画館で観た映画の半券を見せると割引してもらえました。映画のチラシなんかも映画館から送られてくるのでお店にもたくさんの映画チラシがおいてありましたし、気になる作品のものはもらうこともできました。
お店には映画のパンフレットがこれでもかというほど置いてあり、そのパンフレットを読みながらコーヒーを飲んだりデザートを食べたりするといいよと言われました。
すごいなと思ったのはこれまでお店に来たお客さんたちのオールタイムベストを書いたものがファイリングしてあり、それを見ることができるところです。2020年のベスト20や2019年のベスト20も同じように置いてありました。
二条駅から歩いてすぐのところにあったので、映画ファンにはぜひ行ってほしいおすすめの映画カフェです。
おわりに
今回こうして映画と京都と僕の思い出について書いてきましたが、書き終えてみてやっぱり京都は映画好きにはたまらない街なのではないかと思いました。
そして、京都という街に映画好きを育ててもらったので何かしらの形でそれを返していければなと思っています。
たくさんの方に映画を届けられるように、映画を好きになってもらえるように、京都を好きになってもらえるように。
そんな思いをこのnoteに込めて書いてきました。
自分の思い出を振り返りつつにはなりましたが、このnoteを読んで京都の映画館に足を運んでくれる人が増えれば嬉しい限りです。
また今回このnoteを書く上で参考にしたものが1つあります。それは僕の映画ノートです。映画ノートというとデザインが凝っていておしゃれなものを想像してしまうと思いますが、全くそんなものではありません。
ノートに映画の半券をマスキングテープで貼り付けて一言添えてある味気のない映画ノートです。完全に自分の記録用でしかありません。そんなノートでも自分が見返すとそのときの思い出が映像として頭に蘇ってくるので、僕にとってそのノートは宝物です。味気のないノートが様々な思い出が詰まったカラフルなノートに今ではなっています。
それを残そうとした自分を褒めてやりたいし、これからもよりノートに記憶の彩りを添えられるように続けていきたいと思います。
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