選挙結果振り返り(2023 7.30投票)
昨日の選挙は仙台市議選が最大の注目でした。 が、私はそれ以外の選挙に拾い上げるコトにしたのでした。 仙台市議選を取り上げているニュースや配信はいくらでもあるのでそちらをチェックしていただいて、その他の選挙はコチラにお任せください。
細かく見ていくと、それはそれで結構驚きの結果が出ていますよ。 それでは行ってみましょう。 まずは実際に取材した選挙の報告から。
◆【取材済】長野県・原村長選挙
2期務めた現職が引退し、その後釜を「元スピードスケート&競輪選手」と「諏訪大社上社大総代」の新人二名で争う一騎打ちは、元スポーツ選手が大総代にダブルスコア以上の大差をつけて当選しました。
この結果自体は顔ぶれを見た時点で予想はついていましたが、その中身というのが、両候補ともあまりにもお粗末。 詳しくは8月上旬にリリース予定のレポートにてお伝えします。 お楽しみに。
では、残りの選挙10本を御紹介。
◎北海道・仁木町議会議員選挙(定数9/11人)
現職7人、新人4人が立候補し、政党別では共産が1人立てていた選挙は新人2人が落選し、5期目を目指す共産候補は前回とほぼ同票を獲得し7位当選。 唯一の共産議席&唯一の女性議員議席を守りました。
しかし驚きなのは、新人候補4人が30代3人と40代1人と若く、現職が全員還暦超えの中で “新しい風” が吹くのは確実だと見ていたのですが、30歳の女性候補が4位で当選した以外は下位に固まるという(1人当選2人落選)。 候補者の運動量に差が有ったのでしょうが若返りならなかった仁木町議会の今後が、少し心配です。
◎岩手県・久慈市議会議員選挙(定数20/23)
現職12人、元職1人、新人7人が立候補し、政党別では立憲と公明が1人ずつ、共産が2人立てた選挙は現職1人、新人2人が落選し政党公認候補は全員当選しました。
久慈市で初の候補者擁立(新人)した立憲は2位当選と、コチラでは充分な結果を出しました。 一方、前回2位と3位に入った共産は4位と13位と大きく順位を落とし、得票数も前回の(2人合わせて)2,343票から1,539票と約35%減。 投票率が前回比3%ダウンの中でこの数字はやはり衝撃的で「当選したら全て良し」のムードが強い共産陣営でもこの数字は真摯に受け止め分析しなければならないでしょう。
◎福島県・会津若松市長選挙
4期目を目指す現職(元県議)に、元県議、元市議、会社経営者の新人3人が挑む選挙は現職の勝利。 2位と3位の得票数を足すと現職票を僅かに上回りますが、その中から幾ばくかは現職に流れるコトも当然あるため、新人候補を一本化しても同じ結果だったのかもしれません。
そして、衝撃的な選挙公報が話題となった「(自称)第十一代会津藩藩主(職業:芸能プロダクション社長)」は546票獲得し、供託金100万円を藩主自ら県に納めるという所作を御披露したのでした。
ところで、この選挙で気になるニュースが有りまして、
福島中央テレビが投票終了直後の19時1分に当確を出したのですが、開票は20時からなのに投票が終わっているとはいえ当確を出す報道はアリなのでしょうか?
◎福島県・会津若松市議会議員選挙(定数28/33人)
現職24人、元職2人、新人7人が立候補し、政党別では自民が2人、公明が3人、立憲共産社民が1人ずつ立てた選挙は、現職2人、元職2人、新人1人が落選し政党公認候補は全員当選しました。
市長選の新人候補陣営で「市議選で新人候補が躍進すれば、その風が市長選にも・・・」と皮算用する見方も有ったようですが、確かに新人候補は6人当選し “ワンツーフィニッシュ” を成し遂げた候補もいましたが、市長選の結果を見る限りその流れが市長選に波及するコトは無かったようです。 そりゃそうですよね・・・
◎福島県・西郷村議会議員選挙(定数16/17人)
現職14人、新人3人立候補した選挙。 現職1人が落選し、共産と参政党が立てた1人ずつの候補は当選しました。
参政党はこの結果を以て、西郷村のような “選挙無風地” に候補を送り込んで議員にしちゃうという、“エク〇ルヒューマン” 的選挙戦略が確立されたと言えるでしょう。 高額な党費とグッズ販売等の “様々な” 副収入で新興政党では資金が豊富な同党がこの戦略で地味に地方から浸食していく可能性が有り、“オレンジウォッチャー” の方におかれましては目を光らせておいていただきたく。
◎山梨県・忍野村長選挙
3期目を目指す現職と会社役員の新人による “ともに70代中盤の前回と同じ” 一騎打ちは、新人が現職を破り初当選しました。
先週も書きましたが忍野村は代々村長の名が「天野さん」でした。 隣の山中湖村が2020年まで「高村一族」が村長を務めていましたが2020年の村長選でその系譜が途切れました。
※ただし、当選した方は「一族」ではないですが「高村さん」です。 観光地として有名な地域なのに行政が実に閉鎖的だったのが、段々と変わろうとしているのかもしれません。
◎岐阜県・可児市議会議員選挙(定数22/26人)
現職20人、元職1人、新人5人立候補し、政党別では自民が3人、公明が2人、立憲が1人、共産が2人立てた選挙は、現職2人、元職1人、新人1人が落選し、政党公認候補は全員当選しました。 この選挙では、
立憲の市議が領収書の使いまわしによる公金の不正受給が発覚し辞職した元職が今回(無所属で)立候補していましたが、落選しました。 本来は前回4位で当選できる実力の持ち主であり、選挙公報の大部分を「お詫び」に割くという平身低頭な姿勢を見せたものの、市民の厳しい審判が下りました。
ちなみに、投票率が前回から約18%も下がっています。 前回は衆院選と同日投開票だったため前々回から約10%上がっており単純な比較は出来ませんが、いくらなんでも下がりすぎです。 昨年10月に行われる予定だった市長選は無投票でしたし、可児市民の政治に対する関心の低下が心配です。
◎静岡県・南伊豆町議会議員選挙(定数11/15人)
現職9人、元職1人、新人5人立候補した選挙は現職2人、新人2人が落選。 その中に、唯一の政党公認候補である共産が含まれています。
60年間も女性議員が不在という南伊豆町ですが、加えて政党候補もいなくなってしまいました。 共産党の凋落が止まりません。 政党支持率が上昇傾向だったり仙台市議選で議席を維持したりとプラスの要素も見られますが、本当に向かい合わなければならないのは、こちらの現状ではないでしょうか。
◎京都府・向日市議会議員選挙(定数18/22人)
現職15人、元職2人、新人5人立候補した選挙は現職3人、新人1人が落選しました。
京都への進出が著しい維新は3人候補を立て、9位10位18位で全員当選。 上位当選が珍しくなくなった地方選で中位以下というのは珍しく見えますが、もしかしたら最近確実に勝てる人数を立てて上位当選を果たしてきた維新が、順位関係なく勝てる人数を積極的に送り込むという “次のフェーズ” に突入した結果なのかもしれません。 もしそうだとしたら更に維新の選挙戦略が進んだコトになり、勢いは更に加速していくのでしょう・・・ 怖いなぁ。
その他、自民の2人、公明の2人、立憲の1人、社民の1人は全員当選する一方、向日市議会最大会派である共産は、現職5人、元職1人を立てて戦ったものの、現職2人が落選し改選後は4議席となり、自民系会派が無所属議員を取り込んだり現在2つに分裂している自民系会派が合流したりしたら最大会派の座も明け渡すコトになります。 南伊豆町より目に見えて明らかな凋落傾向。 挽回する手立ては有るのでしょうか。
◎岡山県・早島町長選挙
3期目を目指す公明党推薦の現職に前町議が挑む一騎打ちは新人が接戦を制して初当選を果たしました。 子育て支援や公共交通網の充実を掲げた新人の訴えが、駅や国道など大型事業の充実を掲げた現職の訴えより市民のココロに届いた結果なのでしょう。
気になるのは、両候補の票差が73票に対し無効票が75票出ており、敗れたのが公明推薦の候補となると、こーいった時の公明は簡単に引き下がらない可能性が有ります。 穏やかに集結してくれればイイのですが・・・
以上となります。
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