君がマリファナ吸っているなんてね【ショート】
紫色の煙がモクモク。
知らないやつにはわからない匂い。
暗い箱に閉じ込められて喘ぐ間もなく。
みんなビームみたいな光のなかで踊っているよ。
あれ、僕らが出会ったのって図書館だったよね。
僕がモダンジャズの本を読んでいたら、
君が男性の性器の本を脇に抱えて話しかけてきたんだ。
とても大人しそうだった。
何回か、モダンジャズと男性の性器について交互に話しているうちに
仲良くなって。
初めてのキスも
そういえば、変なにおいがした。
本棚を背中に感じた。
きっと僕の背中にだって本棚ができた。
背伸びをして、あまりにも強く押し付けてくるから、
歯は宇宙に飛んじまったと思ったよ。
それが、なんで、こんな狭いところでみんな飛び跳ねて踊っているんだ。
そんな強烈な光を浴びて痛くないのかな。
君って、そんなところに蜘蛛のタトゥーがあったんだ。
眼鏡も本当はかけたくないんだね。
服だってほとんど破けてる。
図書館だって男性の性器の本がなければ、いかなそうだよね。
そういえば、そんな本持っているなんて、今考えればイカれてるよね。
君が耳元で叫んだ。
派手な音楽で何を言っているかわからなかったけど、
騒げとか踊れ、とかそんな感じの。
そしていっぱいの力で僕の口にマリファナを突っ込んで、
ダンスホールに飛び込んでいった。