森葉芦日(もり・はるひ)

海外在住2年目 noteは海外生活の記録をまとめるために始めたが、青い師匠に影響を受け…

森葉芦日(もり・はるひ)

海外在住2年目 noteは海外生活の記録をまとめるために始めたが、青い師匠に影響を受け、なぞに小説も書き始める。

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  • 『お題系小説まとめ』

  • 【創作大賞 恋愛小説部門】 『制服にサングラスは咲かない』

    夏が来る。いつまでもオンラインゲームで惰性の時間を過ごしていて良いのか、そんなことも考えるのを辞めていた。考えることを辞めると人生は停滞するのかと思っていたけれど、どうにも違うらしい。 小さな選択がいつか大きな結果を生む。バタフライ効果ってやつらしい。 まさか、とは思うけれど人生は選択の連続だ。少し間違えた。選択しているという意識のないまま人生は連続する。 だから僕は一人の少女との出会いで、ゲームコントローラーではなくペンを握り小説家になることになった。

  • 小惑星『明日の世界より』シリーズ

    『明日の世界より』という小惑星で起こる不思議な出来事や日常。

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【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』1章

剣を振り下ろす。モンスターにダメージが入る。 モンスターが弱る兆しが見えた。 僕らは追撃を開始する。 どのモーションも全て無意識にコントロールできる領域だ。 人間の脳はすごい。 ゲームコントローラーを使用して、コマンドを入力。 あくせくと労働のようだ。 このままのペースでモンスターの体力を削ることができれば、あと5分と持たずに討伐できるだろう。 「そういや、ツリバリ」 マイクヘッドホンを通してビーチサンダルから音声チャット。 ゲームへの指示というよりは世間話の入り口みたい

    • 忙しさに追われている間に、中間発表されていた!まあ、案の定今回は残念!来週再来週に落ち着いたら、またnoteを細々と書いていくとするか!

      • バンクーバーで1番好きな場所かも。 気がついたらいつもここにいて、ぼんやりと考え事。 この場所はやたらと人生を考える。 人生っていうのは、カヌーを持っていないのに、どのパドルを買うか永遠に悩んでいることなんだと思う。 一度も思ったことないけれど。

        • エッセイ:手繰り寄せてバンクーバー

          いつの間にか、僕はカナダを置いて行っていた。 一年前はあらゆるものが新鮮だったけれど、二年目になると、もはや一時的な滞在者という感覚から抜け出して、ようやく生活拠点みたいな意識に変われた。 変われたというのは、良いこと。 1年しかカナダにいられないと思っていた僕は、1年間ずっと寂しかった。 日本よりも過ごしやすかったからなおさらかもしれない。 毎日河沿いを歩いて『置いて行かないでバンクーバー』って思っていた。 人生が100年あるとしたら、僕がカナダにいられるのは1%。

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        【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』1章

        • 忙しさに追われている間に、中間発表されていた!まあ、案の定今回は残念!来週再来週に落ち着いたら、またnoteを細々と書いていくとするか!

        • バンクーバーで1番好きな場所かも。 気がついたらいつもここにいて、ぼんやりと考え事。 この場所はやたらと人生を考える。 人生っていうのは、カヌーを持っていないのに、どのパドルを買うか永遠に悩んでいることなんだと思う。 一度も思ったことないけれど。

        • エッセイ:手繰り寄せてバンクーバー

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          5本
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        記事

          (短編小説)ヨーグルト、ベーグル、メープルはため息を逃がさない

          「殺し屋がここへやってくる」 妻が子供の世話をやめた。 私は自分の子供の名前をまだ思い出せない。 確か、マイケルだか、ヨーグルトだか、ベーグルだか、メープルか、それ以外の何かだったはずだが所詮役割をもたない由来からとった名前だった気がする。 おそらく4歳を迎えたであろう息子に今改めて名前を付けなおすとするなら何にするだろう。誰に似たのか間の抜けた表情で、柔らかい朝の陽光を一身に浴びながら、私の妻の、母という手と愛情に満ちた張りぼてを享受している息子の名前は『1973』年に

          (短編小説)ヨーグルト、ベーグル、メープルはため息を逃がさない

          エッセイ:気がぬけた。けれども……

          原因はわかっています。 いわゆる『創作大賞症候群』というやつですね。(なんだそれ) 人生で初めて長編を書きました。 つい1年前の僕は、自分の人生に『小説を書く』という栞が挟まれていることもしらず、人生を惰性でペラペラとめくっていましたとさ。 まるで、全く味わわずに食べるイタリアンのコース料理みたいに。 ところがある出会いから一転して小説を書き始め そして『創作大賞2024』に参加して長編小説を書き終えました。 筆をおけば一旦、自分の作品からは簡単に離脱できるはずだったの

          エッセイ:気がぬけた。けれども……

          『6万8千円のかき氷』(シロクマ文芸部×かき氷)

          「かき氷1個68000円って正気か?」 「これが正気に見えるか?」 友人は失恋したらしい。 「しかも普通、プライベートビーチに海の家なんて建てるかね、誰をターゲットにしてるんだよ」 取っ払われた壁の向こうには、眩しくて、まるで雪国の一面のような砂浜が広がっている。 いい景色だ。 穏やかで 人がいなくて 暗闇の中で1人だけ世界を切り取っているスタンドグラスのよう。 友人は木製のテーブルに伏したまま顔を上げず、何も言わない。 初めからそう作られた置物のよう。 どうに

          『6万8千円のかき氷』(シロクマ文芸部×かき氷)

          くそっ、創作大賞に応募した誤字脱字を直したい!あんまり確認しないで投稿する悪い癖が顕著にっ!!今から治していいのかもわからん! 痒い背中を放置するしかないのかっ!くっ

          くそっ、創作大賞に応募した誤字脱字を直したい!あんまり確認しないで投稿する悪い癖が顕著にっ!!今から治していいのかもわからん! 痒い背中を放置するしかないのかっ!くっ

          エッセイ:創作大賞を受賞した際のインタビューを考えなきゃ、あー忙しい忙し!

          ちょーーーーーーーっと待てぇぇーーーーーーい! 創作大賞応募しましたよ、大変疲れました、疲労と燃え尽きに関してはあとがきの方に書いてあるのでここでは省略。 いやいや いやいやいや いやいやいやいいや まてぇぇぇえーーーーーーーーーーーいっ! スキの数1よ!? これは笑うしかない。 でもこの1は僕にとって特別な1になりましたけどね! 恐らくだけどさ、創作大賞に応募した作品のなかで、一番スキが少ないんじゃないの!?(実際に声を出して笑いました) いくら面白くないから

          エッセイ:創作大賞を受賞した際のインタビューを考えなきゃ、あー忙しい忙し!

          あとがき『制服にサングラスは咲かない』

          さぁ、少し休んだことだし、あとがきでも書いてみますか。 まぁ、でも大抵の人があとがきまで辿り着くことはないだろうと思いますし、僕の作品を目にすることもないと思います。 如何せん、読むには長すぎるし、見つけるには僕は全くの無名だからです。 本来あとがきも書かなくていい程度のちっぽけな作者ですが、今回人生ではじめて長編を書き、その作品が11万7千字にものぼったので、旅のしおりの表紙と裏表紙をホッチキスで閉じて完成させるように、そっとあとがきを添えさせていただきます。 修学旅

          あとがき『制服にサングラスは咲かない』

          何とか終わった。ちょいと休んでから、皆さんの応募作品を拝読させて頂きます。めちゃくちゃに疲れた。もっと時間があればよかったんだけどなあ。休憩。

          何とか終わった。ちょいと休んでから、皆さんの応募作品を拝読させて頂きます。めちゃくちゃに疲れた。もっと時間があればよかったんだけどなあ。休憩。

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』最終話

          ーーういっす、今日仕事終わり飲みいかん?この間の不倫上司の愚痴きいてほしい、これが笑えるから、おっとっとオチは取っとかないとね 僕は来たメッセージに返信をした。 ーーごめん、今日さ、遠出しているからまた来週のどこかで空いてる?ぜひともその話は聞いとかないだしね、温めておいてもらえるとありがたいな すぐに返信がきた。 昔からリョートのレスポンスは早い。 仕事もできるに違いない。 ーーあたりまえじゃん、温めておいて熱々で話すよ、それに次ぎ飲み行く時には新エピソードも追加さ

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』最終話

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』22章

          「どうしてサトルさんはじいちゃんを刺したんですか?」 僕は逃げる前にどうしても聞いておきたかった。 ある程度の予想は立っている。 遠くから幾重にもサイレンの音が聞こえてきた。 「サトルさんはゲンジさんにお二人の行先をしつこく聞いていたんですが、ゲンジさんは絶対に口を割らなくて、そしたらゲンジさんが逆上して、包丁で……」 僕の考えた通りだ。 「僕が目の前にいたら、きっとサトルさんを殺してました、今僕の方に向かってきて目の前にきても、そうすると思います、ところでサトルさん

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』22章

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』21章

          ーーこれタチバナに渡してくれ と言ってじいちゃんの畑で取れた野菜を預かると、じいちゃんは軽トラに乗った。 最後に僕に向かってじいちゃんは 『全うしろ』と言った。 僕は何も言わず、頷いた。 じいちゃんは満足そうにも寂しそうにも笑って車を出した。 二回、別れのクラクションが鳴ったあとで、テールランプは遠ざかっていった。 蒸し暑さと寂しさが音となって木霊しているように思えた。 僕とアジサイは旅館のなかへ戻った。 受付には、受付係と話し込むタチバナさんの姿があった。 「

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』21章

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』20章

          ふり返れば、立ち込める入道雲と支配的な山々が、夏と共に遠ざかっていくように思えた。 何もなければもう少し、いられた場所。 居場所のように思えた空間と関係性。 そういったものが、糸がほぐれてみるみる形を失っていく服のように思えた。 僕らの乗った車が走れば走るほど、糸は伸びて、やがて失われる。 いつか、ここで過ごした日々が、霞のように消えていってしまうような気がした。 もしあの場にビーチサンダルがいなければ、都会から来ていた大学生と交流して仲が深まったりしていたかもしれない

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』20章

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』19章

          昨日はじいちゃんに助けられた。 「おい、お前ら黙ってそんなとこで何やってるんだ、今日はもう寝ろ」 とあの時に入ってきてくれなかったら、どうなっていただろう。 自室に戻ったあとも、ビーチサンダルから鬼のような連投でメッセージが届いた。 ーーうそつきやろうが ーーお前らぜったいセックスしでんだろう ーーくそ野郎が ーー明日時間作れ、いや、今から来い ーーおい、無視すんな ーーお前の部屋どこだ? ーー警察にいうぞ ーーお前高校生じゃねぇじゃん、くそ嘘つき野郎だな ーー普通に

          【#創作大賞2024 #恋愛小説部門】『制服にサングラスは咲かない』19章