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~スタッフブログ#7~韓国のフードロスについて
こんにちは。「はらゆ」さんからバトンを引き継ぎました。
プノボロメンバーのりさです!
私は現在大学を休学して韓国に留学に来ています。
今日はそんな留学生の立場から見た韓国のフードロスについてお伝えしたいと思います!
◆韓国の食文化―おかずは多ければ多いほど良い!
私が留学に来て食事する際に感じることは「一品頼んだ時に出てくるおかずの量が多い!」ということです。
韓国ではおかずのことを「パンチャン」というのですが、日本より種類が多く、おかわり無料のお店がとても多いです。(おかわり有料という店は聞いたことないくらい…!!)
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また韓国の食への意識も日本とは異なる部分が沢山あると感じます。
日本は食を残すことに、「もったいない」、「残してはいけない、最後まで食べるのが礼儀」と感じる傾向があると思います。
私自身、小学校の頃から「ご飯は残さず全部食べましょう」と教わってきた記憶があります。
一方で私の感覚ですが、韓国では、日本ほど食を残すことに悪いイメージが無いです。
沢山出てくるパンチャンは、すべて食べられずに残す、ということもかなり日常的です。
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(建大うどん屋 ソウル特別市広津区阿且山路201 東城ビル1階 [네이버 지도]건대우동집서울 광진구 아차산로 201 동성빌딩 1층https://naver.me/FiH14mYb)
◆‟食べ残し”を解決する取り組み―生ごみリサイクル率95%―
このようにパンチャンが沢山出てきて、豪勢に食を振る舞う文化を持つ韓国では、大量に発生してしまう食品廃棄物に対する問題解決が優先的に図られてきた歴史があります。
それまで埋め立て地で処理されていた食品廃棄物は1990年代から法による整備が図られ、2005年には「生ごみ直接埋立禁止法」により生ごみの埋立が禁止されることにより生ごみの再利用率が上がりました。
生ごみの回収方法として、2011年より、各自治体がスマート生ごみ回収箱(下記画像参照)を取り入れ、2013年には生ごみに従量課金制が導入される等様々な取り組みを通して、生ごみリサイクル率は現在95%まで上がりました。
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◆韓国のフードロス対策
一方で廃棄食品発生以前の段階の政策、すなわち生産から流通の段階で発生するフードロスを減らすための取り組みは食品廃棄物への対策よりやや遅れて動き始めています。
長年にわたる苦労の末、食品リサイクル率の向上に成功した韓国ですが、生ゴミの廃棄方法に成果を見せた一方で、ゴミの量自体を減らすことの必要性も提起され、生産から流通まで全段階にわたるフードロス対策にも目を向ける動きが本格化しました。
いち早く法律でフードロスを定義した日本のフードロス対策は、生産から流通までのすべての段階でのロスを減らしていくという、その範囲の広さから韓国でも注目を浴びています。
調べると、日本のフードロス取り組みの記事が韓国語に翻訳されたものや、日本のフードロス対策を研究する韓国の研究論文が出てきます。
そんな韓国の直近のフードロス対策の例を3つ挙げると、大手スーパーを運営する株式会社イーマートは2021年、長引く梅雨と相次ぐ台風で苦しむ農家を助け、価格が急騰する果物を一般的な価格で販売するため、問題なく出荷できるリンゴと傷がついて単体で出荷が難しいリンゴをセットで安く売るキャンペーンを行いました。
また鮮度や糖度は一般果物と同一程度ですが、小さな傷があって販売が難しくなってしまった梨を半額で販売するキャンペーンも行っています。(出典:[상생경영] 이마트, 못난이 농산물 판매로 ‘착한 소비’ 앞장 - 이투데이 (etoday.co.kr))
株式会社ミロでは”リストオーダー”というプラットフォームを通じて、販売できる期間が迫っている商品を消費者が安価で購入できるように消費者と販売者を繋ぐ取り組みを行っています。(出典:라스트오더, 마감할인 상품 배달 서비스 론칭 – 스타트업 스토리 플랫폼 '플래텀(Platum)')
CJ第一製糖株式会社では、販売期限と消費期限が勘違いされ、まだ食べられる食品が多く廃棄されていることに対する認識改善を目標に、”素晴らしい食生活キャンペーン”等、フードロスに関する様々な取り組みを行っています。(出典:CJ제일제당, '슬기로운 食생활 캠페인' 진행 - 더퍼스트미디어 (thefirstmedia.net) )
このように韓国でも消費者の手にわたる前に、廃棄されてしまう食品を減らすフードロス減少のキャンペーンが行われており、今後もその取り組みが増えていくことが予想されます。
韓国の食品ロス対策の歩みを調べてみると、その対策に日本との食文化の違いが明確に現れていて大変興味深いです。
韓国にいらっしゃった時はぜひ沢山出てくる「パンチャン」を楽しんでください!
それでは今日の担当は以上りさでした!
最後までご覧いただきありがとうございます!明日もお楽しみに!
次の方へ、バトンをつなぎます!
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