Motsuka

銀塩写真に取り組んでおります。 大学の暗室にひっそりと生息。 フォーマットは、ハーフサ…

Motsuka

銀塩写真に取り組んでおります。 大学の暗室にひっそりと生息。 フォーマットは、ハーフサイズからシノゴまで。 写真好きと写真機好きを行ったり来たり。 好きな水温は22℃。

マガジン

  • 機械式と過ごす

    どうして機械式でないと嫌なのか。 機械式カメラと過ごす時間について、思索したことや、機械式カメラと過ごす毎日を記録します。 拘りだけではなく、機械式カメラを使い続けるととの難しさや、留意点についても発信できればと思います。

最近の記事

雨とネガ

今日は何もなさない日だったが、 夕方にかけて派手に降り続いている。 ぬるい体を、くたびれた、これまたぬるいクッションへ放り、 軽いイヤホンをつけ、軽い音を聴く。 曲というものの何であれ、 網戸向こうに雨の立ちこめる、存在の強いこと。 境界が広がったようで、悪くないだろ。 ネガを一本、 昨日撮って、 昨日のうちに現像した。 惰性で覗いて今日を過ごした。 何もなさない今日と言ったが、 実のところ 昨日がどのような日であったのかも 遠い他人事のように、想起させ

    • 僕には、Leica M3 だけでいい、という話

      Leicaを選ぶ人は、その選択に、大なり小なりの必然性を見出していると思う。 今日は、僕なりの必然性の話を。 僕には、Leica M3 以外の Leica は全く必要ではない。 僕の目撃と言う経験が、見たままに鮮烈に、再び見ることができる形になりさえすればいいのである。 ぼくの見出した鮮烈さは、フレーミングによって生じるのではない。 画角によって生じるのではない。 ぼくの写真の境界線というものは 撮影しようという僕には、分かり切らないぐらいで丁度いい。 僕は視野の

      • 機械式と過ごす-4  [使い続ける難しさ]

        機械式カメラを長く使い続けるためには、 定期的なオーバーホールが必要だ。 ここに日々の点検を欠かさなければ、 多くの機械式カメラは、これから先も動き続けることができる。 しかし最近は、それすらも難しくなりつつある。 直したくても、直せない 直せる工房が見つからない そういうことが増えてきた。 理由はいろいろあるが、 機械式カメラはほとんどが古い。 数十年を経ていることもザラだ。 予備のパーツが払底した 直せる技術者が引退した 専門にしていた工房が閉店した 殆

        • PENTAX17と「スマホ・財布・カメラ」という理想

          少し買い物に出よう、というので、とりあえずPENTAX17を持ち出した。 このカメラは本当に軽い。 その上、決して華奢な外装ではないのだ。 もし軽くぶつけてしまうようなことがあっても、破損の心配は少ない。 本当にどこへでも持って行ける。 どんな時でも、「スマホ・財布・カメラ」 どんな時も、たとえ出番がほとんど無いとしても、カメラを持って行きたいと思う。 スマートフォン・財布は必ず持ち出すものだ。 これら、いわば絶対携帯品、にカメラを加えたいといつも考えている。

        雨とネガ

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        • 機械式と過ごす
          4本

        記事

          機械式と過ごす-3 [時代と人を渡るカメラ]

          機械式カメラの中には、私よりうんと年を経たものが珍しくない。 しまい込んでいると、存外にカメラはだめになってしまうから、 今日に現役の彼らはきっと、そこそこに誰かの手を渡ってきたに違いない。 時に彼らは付属品とともに人の手を渡り歩くが、 例えば革のケースには誰かの名前があったりする。 全く同じカメラでもって、同じ撮影の感触を伴う 見知らぬ人の時間が、 過去に流れていた痕跡である。 ーーーーーーーーーーーーーーー 写真はKodak Signet 35。 1951年に発売

          機械式と過ごす-3 [時代と人を渡るカメラ]

          機械式と過ごす-2 [オーバーホールで永く使う]

          機械式カメラと過ごすことは、彼らを知ることだ。 私は毎日彼らを手にとり、一通りに動かしてみる。 とにかく用が無くとも、手にとってしまう。 調子が渋くなってくると、ある時ふと気が付く。 大抵は、おもむろに彼らをまじまじ眺めた時で、 異常というのは、レンズやファインダーのちょっとした曇りやシャッター音の変化、巻き上げの重みであったりする。 機械式のカメラは、彼ら自身の調子について雄弁である。 電子制御式のカメラがそうではないとは言わないが、 機械式のカメラは私が関心を持つ

          機械式と過ごす-2 [オーバーホールで永く使う]

          機械式と過ごす

          機械式のカメラは静かだと思う。 レリーズを押す、巻き上げる、ノブを回す 毎日、私は彼らを手にとるけれど 私が彼らに触らない時 彼らの中には何の動きもない。 彼らは、己が持つ時間の大半を止まって過ごしている。 彼らのそういう在り方を指して、静か、と形容している。 私は、機械式カメラへのこだわりが妙に強い。 電子制御のカメラも所有しているが、横に置いているのは機械式ばかりだ。 電子制御のカメラも好きだ。カメラと聞けば大概は好きだ。 写真も勿論好きだ。 だからことさらに不思

          機械式と過ごす

          PENTAX17 外観・使用感 偏重レビュー

          出ましたね、PENTAX17(遅い)。 日本での発売が2024年7月12日であったはずですから、もう1か月ほど経過したことになります。 さて、本記事では、外観や使用感に関してのみ記述します。趣味です。逆に作例等は他所に素敵なものがたくさんあるので載せません。デジタライズが七面倒だとかそんなことは思っていませんよ、本当です。 私が追い付く頃には、頃には素敵な作例がわんさか登場していると思いますので。 注意 本文における評価は私の撮影スタイルに準ずるため、主観的であること

          PENTAX17 外観・使用感 偏重レビュー