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コーヒー値上がりに関して(2021.11.25)

コーヒーの原料価格が高騰している理由は以前の記事でもあげてきたのですが、11月に入ってきてから更に価格が上昇しております。さらにはエチオピアでの内紛もあり、エチオピア産コーヒーの価格が急上昇、品薄という状況が続いており、私のようなコーヒー関係従事者様は頭が痛くなる状況が続いておりますので、その内容を簡単にまとめます。

相場価格の推移に関して

2021年4月頃からブラジル裏作減産懸念から徐々に始まった相場高騰は2021年7月末のブラジル霜害懸念によって大きく高騰します。内容は以前の記事をご確認頂ければと存じます。

現在の相場価格と状況

相場2021.11.25

2021年4月時点で143.21¢/lb-為替109.04だった時に比べると、現在2021.11.25時点では244.19¢/lb-為替115と高騰しております。このアラビカコーヒー相場チャートと為替があれば、おおよそではありますがコーヒーにおけるアザーマイルド価格(中米産等の水洗式コーヒー価格)を算出することができます。

算出方法は

「コーヒー価格(¢/lb)/ドル換算(100)*為替(円/$)/キロ換算」です。上記の4月と現在の数値を組み合わせると、4月度の理論価格は¥344/kgに対して、現在11月25日は¥619/kg原料価格は180%近く高騰しております。※実際には船積み輸送費や保険料等も加味しなければなりません。

価格の高騰要因は「ブラジルでの減産懸念」ですが、当初の悲観的な予想よりは減産見込みが修正され、来年度収穫量に影響を及ぼす降雨もあったことから、一時は相場も落ち着くものと考えておりましたが、世界的なコンテナ不足による流通遅れ、コロンビアでのラニーニャによる減産懸念、天候の不安定なベトナムでのロブスタ種のコーヒー成長が遅れているといった様々な理由からコーヒー相場価格は上昇を続けております。所感ではありますが、発端となったブラジルの生産量が回復するには2、3年かかることや、流通の混乱はまだまだ改善が見込まれないことから、相場価格はしばらくは下がらないのではと考えております。

エチオピア産コーヒーが買えない・・・。

この相場状況の中、さらに頭を悩ませる問題がエチオピア産コーヒーが品薄・価格高騰という問題が発生しています。エチオピア産アラビカコーヒーといえば「モカ」と呼ばれる代表的な銘柄であり、華やかな香りや酸味をもつことから、ブレンドとして多く使用されており、またスペシャルティコーヒーとしての生産取り組みも近年積極的に行われており、人気のコーヒーなのですが、同国における内紛の影響でコーヒーの流通が難しい状況になっております。

昨年の11月よりエチオピア政府とティグライ人民解放戦線という反政府組織(TPLF)との内紛があり、TPLFが北部の2か所の要衝を制圧したことから、国内の各地で行われている残虐行為から民間人を守ることを目的とした非常事態宣言を11月2日に発令しております。同国の流通が完全にSTOPするほどの事態にはなっていないようですが、国内での貨物運搬の遅延が発生しております。

エチオピアは現在コーヒーの収穫期にあたり、例年通りの収穫量を見込んではおりますが、このような状況から精選に時間とコストを要する「水洗式精選(ウオッシュド)」のコーヒーが減産し、「非水洗式(ナチュラル)」のでの精選が多くなる見込みです。

紛争中という不安定な状況、同国内での流通遅延、世界的なコンテナ不足や輸出のブッキングが難しい現況、日本国内でもエチオピア産コーヒーの争奪戦が続いており、取引価格は一気に倍近くに跳ね上がり、国内でのフリー在庫が一気に減少しました。私のような焙煎業者でもエチオピア産のコーヒーを商社から購入することができない状態です。非常事態宣言の期間は半年であるため、来年5月頃まではもしかしたらエチオピア産コーヒーが買えない状況が続くやもしれません。

終わりに

最近の相場価格、エチオピア産コーヒーについての情報を記載させていただきました。この状況が続くと更なるコーヒーの値上げも十分考えられます。エチオピア産コーヒーは人気銘柄でありますし、同国内での人権侵害やジェノサイドを思うと、早く収束に向かうことを祈ります。

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