アリゲーターくんとオンナノコの落ち方➄
漸く夜は太陽かくし、街は眠りに付く。
墨を流したみたいに、夜は起き上がる。
街と人と世界たちは、私を忘れていく。
女つーより男たちは、蛇を覚えている。
私を待ってくれてる人などいないのだ。
アカネ杏は時に詩う。
時間が彷徨い、夜を先延ばしてくような時に。
0時を回り、深夜に心が広がった頃、出来上がった記事。その後、聞く音楽。
ある1人の女の子の落ち方はこうだった。それはある人へ向けられた。そのある人は悲劇であり運命でもある。不幸か困難か退屈か見当はつきません。深夜には何も皆、すやすや眠っているという訳でもない。
ある人は全くもって的確で明確。
私が夜だの墨だとか言っても、真昼のようにはっきりした話しにする。おそらくね。そうゆうのが男だからとか納得できるような大人にはなりたくなかった。ならなかったけど。
最近の落ち方としては珍しいし、落ち方にも種類があった。スペースマウンテンのような頭蓋骨ぐらぐら揺らしてくる落ち方、自転車で坂を下るような風を切る落ち方、滑走系か旋回系かでもまた雰囲気変わる。
桜がフワリと舞い散る風光明媚な映えを狙うのか、何の花びらかは知らんが踊るようにアスファルトへ着地するのか。いっちばん嫌なのは、コーンの上に乗った丸いバニラが《ぽとん》と落ちるやつ。これは何より不幸よ。駄目に増して駄目になるやつ。
聞いた音楽、こんな歌詞だった。たまたまなんだけど。落ちなさいって言ってるみたいな歌詞。愛があるのは確かなんだけど。そこに、また、たまたまなんだけど、ある文字列が勝手に現れてきて追いかけざるを得ない。困難を余儀なくされたってわけ。
ここはエレガントに落ちたい。だけどそうはいかなかった。お風呂上がりの裸のまんまだったからから。何だか泣けてきちゃった風邪を引く手前の話し。そもそも泣いたってどれくらいから泣いたって言うんだろうね?
理想は、鳥の羽がフワフワと漂いながら上昇しているのか下降しているのか、ちょっと見、分からないのがいい。
キャサリンとかやめてね。
『杏の花の甘い香りが優しい風に揺らいだ日ちゃん』
だったら、そのような落ち方をするんだから。
「また、杏の、がちゃがちゃ狂いか。その人おつかれさまでした。ウソつけないやつでゴメンって代わりに言うわ。あんずってさぁ、死の香りを呼ぶって、そう言われてるの知ってた?青酸化合物もんだいかな」
幼馴染みたいなやつのショウが言う。
「イヤなヤツだね?」睨む私は考えた。
エレガントに言い換えてあげれば、
『顎のはずれたアリゲーターくん!』だと。
そう、男が女に1番やってはならない名前の付け方は、メンドクサイオンナ。これだけは全世界共通。言われた女子は顎をはずしてやりましょうよ。
「いつもの、
ごめんね、許して、ありがとう、愛してまーす。
で最後は逃げたんだろ?」
ショウがやれやれ顔で言う。
「うーん、まぁ、そんなとこかなぁ。
許してとは言ってなーい」
古代ハワイから伝わる『ホ•オポノポノ』
悲劇を受けたかもしれないあの人には、
『細胞増殖の制御に関与する遺伝子に突然変異が起こり調整機能が異常になった時の片隅さん』
と名前をあげましょうか。。
やれやれ
で、どうやって落ちたのか覚えてないや。
近頃の落ちかた。
皆さんはどうですか?
ごめんなさい。
許してください。
ありがとう。
愛してます♡♡♡