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外資アメリカンITテクニカルサポートマガジン

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外資系ITベンダーで長くテクニカルサポートを提供してきた経験を通して得た気づきを投稿していきます。
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記事一覧

人間は変われるか?

人間は変われるか?というテーマは自分にとってそこそこ大きい。 私は、自身の経験から、変わるのは容易ではないがしかし条件付きで変わることはできるのではないかという仮説を持っている。 その条件とは二つある。一つ目は「変わりたい」「今より良くなりたい」という意志を持つこと。二つ目は「居場所を変える」もしくは「小さい変化を積み重ねること」あるいはその組み合わせだ。 33歳で外資ITのマネジメント職になり部下の育成に悩んだ日々。 しかし自分自身がメンバーレベルだった頃、そんなに上司

老後の夢

まだ仕事を辞めた後や老後を語るには早いような気もするが、将来かなえたい夢みたいなものがあるので書いてみたい。 退職前にしたいこと こちらにも書いたがうちには老猫がいるので、彼女が旅立つ前は今まで通り何も実行に移さず猫最優先の生活を過ごしたい。一方、来るべき日に備えて準備やら妄想は進めたい。今考えているのは以下のようなことだ。 妻にもうちいどパスポートを取得してもらい一緒に世界一周。但しまだ仕事は辞めるつもりがないのでタイミングを分けて一年に2回行くようなことを考えている

リモートワークについて

今頃なんだ?という気もするがリモートワークについて考えてみたい。 2020年のCOVID-19をきっかけにリモートワークは急速に広がっていった。 自社もIT業界ということもあり、2020年春には全面リモートワークとなった。 それから約3年後の2023年初頭にReturn to OfficeというTopからの大号令で、まずマネジメントに週三日のオフィス出社が義務付けられ、それから暫くしてメンバーにも同様のことが義務付けられた。 会社というもの いつもどんな時も「もっともらし

なぜビジネスにおいて素早いリアクションが重要なのか?

仕事の出来る人は大体反応が早い。 仕事が出来るから反応が早いのか、反応が早いから仕事が出来ると認められるのか? 無反応に対する我々の心の動き 人に何かをお願いする、確認するという行為はビジネスの現場では日常的に行われている。 この時、相手から反応がないと色々不安になってくる。 それがメールでのコミュニケーションだと以下のような感じだ。 他のメールに埋もれて見逃している? - 再送すべきか? 一度見て後回しにして忘れてる? - 再送すべきか? 実は体調不良その他で不在

リーダーシップとフォロワーシップは紙一重

フォロワーシップをとれる人が結局リーダー候補なのではないか? リーダーとは例えば以下のようなことを求められる。 リーダーは独善的と言われないようにみんなの意見を聞かないといけない。 リーダーはみんなの意見がバラバラでも何かを選ぶ/選ばない決断をしないといけない。じゃないと決められない優柔不断なリーダーと思われる。 リーダーは困っている人に手を差し伸べないといけない。じゃないと冷たいリーダーと言われる。 リーダーは特定の人ばかりに配慮をしてはいけない。じゃないと不公平と

Diversity and Inclusionに対する意識の根底にあるもの

大体どこの会社もDiversity and Inclusionは大事と言ってるが。。。 大体どこの会社も多様性は大事、違いを認め合い尊重することは大事だと言ってる。 しかしあまりピンと来てない。 私が勤める外資の会社でも米国など他の西側先進諸国はピンと来てるが日本ではそうでもない。 例えば、入社面接とかで「Diversity and Inclusionについてどう思いますか?」という質問を日本人に投げかけると、「多少観光客が増えた程度で、元々人種や宗教も多様じゃないし、日本

会社の発展段階とそこで働く社員の適正

かなり以前からプロダクトライフサイクルや企業の成長サイクルで導入期、成長期、成熟期、衰退期という4つの段階があるという話がある。 そしてどの企業も、少なくとも私が在籍する外資ITにおいても、ある事業が衰退する前に次のお金のなる木を育てないといけないということで一生懸命努力している。 未来永劫成長し続ける製品や事業はないので、もしお金のなる木を作り続けることができない場合、それらの衰退と共に会社も衰退してしまうことになるだろう。 Steve Jobs復帰後のAppleがカラ

企業文化を変えるということ

これからここに書くことは、書籍やトレーニングや人から聞いた話などのインプットと、実際に自分で経験したことが混在したものになると思うし、内容も非常に広範囲だと思う。 それだけ企業文化を変えるというのは難しいことなのだ。 ・そもそも人は変わるのが苦手 一昔前、Who moved my cheese?という書籍が流行った。 日本語タイトルは「誰が私のチーズを動かした?」だったと思う。 内容は如何に人が過去の成功体験を捨てきれず、結果変化するのが苦手なのかということを訴えるような

外資ITテクニカルサポートのリソースバリエーション

外資ITテクニカルサポートの仕事は大体次の5つのリソースでカバーされる デジタル AI パートナーとの協業 アウトソース 社員 順番に説明すると、まずデジタルというのは、製品の使い方、インプリ方法、トラブルシューティング方法について記載したものを、最近では製本せずPDF、Web Trainingなどの動画で提供すること。 また、特定顧客から寄せられたSupport Caseを通して得られた解決策や知見を技術文書に落とし込み公開するようなものも含まれる。 要は、顧

「とりあえずやってみる」が苦手な日本

心配性の日本人 外資ITに長くいる自分にとって変化は日常茶飯事だ。 しかし、外資の中にあっても日本は変化が苦手な気がする。 最終的には米国HQやJAPACのHQであるシンガポールからの指示で変わりたくなくても変わらざるを得ないのだが、自分達からはあまり仕掛けようとしない。 ちなみに自分自身は比較的変化は積極的に受け入れる方で、逆に日本風のアレンジを施してそれが良さそうなら他の国にも提案する方だ。 おそらく自分は、変化したくないと抵抗してみたところで最終的にはTop Down

外資系ITに勤める者、資産運用のリアリティについて

外資系ITのテクニカルサポートで働き始めてもう随分経つ。 昔、日系のITに勤めていた頃から会社も幾つか変わった。 で、ここ3社くらいは米国外資だがやはりお金の稼ぐという意味では外資の方がベターだ。 今日はそのあたりの話をしたいと思う。 本業で稼ぐということ そうじゃない外資もあるかもしれないが、私が経験した外資は基本仕事ができれば給与は増えていった気がする。一方その前に勤めていた日系の頃は、仕事ができようができまいが昇給は微々たるもので残業しないと食べていけない状況であっ

外資系ITで求められる英語力

外資系テクニカルサポートの仕事をするのに英語力は必要である。 しかしそれは読み書きと聞き取り能力のみで喋りはマネジメントを除きほぼ必要ない。 たまに突然海外の同僚から電話が来ることがあるが、今はSlackなどのchat toolを使ったコミュニケーションが主軸なので、電話の回数も減ってきている。 読み、つまりreadingは製品マニュアルやインプリガイドなど数々の技術ドキュメントを読み解くのに必要だが、ITの英語は大体決まり切ったワードや言い回しが多く辞書なしでも大体何が書

誰が自分のキャリアアップと雇用を支えてるか?

ずっとアメリカン外資のテクニカルサポート部門で働いてきて思うことがある。 それは自分達の雇用やキャリアアップを誰が支えているのか?ということ。 この疑問に対する直接的な答えは、人事評価や場合によってはPIPからマネージングアウトに持ち込む権限を持つ直属上司や、間接的には、やはり製品やサービスのお金をお支払いいただいている顧客となるのかもしれない。 しかし、私の辿り着いた仮説は、おそらく日本の他部門、特に営業部門の評価が最も重要ではないかというものだ。 外資アメリカンITにお

Demandingさには幾つかのタイプがある

米国外資の製品サポートにおいて、米国本社や他の国の同僚に”日本の顧客はDemandingである”と説明することがある。 Demandingとは”要求の厳しい”とか”要求の多い”という意味だが、このDemandingさの中身にはお国柄があるようだ。 サポートという仕事は、お客様にお買い上げ頂いた製品やクラウドなどのサービスが上手く動かず、彼らの業務に支障が出るようなケースにおいてその原因を特定し問題を解決するのが仕事だ。 海外の、例えばインドのお客様も(同僚の話によると)相当