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読書日記

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特に印象に残った本についてまとめています
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#読書感想文

『正欲』を読んだ

『正欲』を読んだ

「正しい」や「受け入れる」といった表現を使うことが難しくなった。

「正しい」といった言葉の先には、「正しくない」という概念を作ってしまう。そしてその「正しくない」が人を傷つけてしまうこともある。

多数派の意見が「正しい」としてしまうと、少数派の意見が「正しくない」となってしまう。一方を「正しくない」と決めつけてしまうと、その「正しくない」側の人を非難してしまうような印象がある。

「受け入れる

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『カケラ』を読んだ

『カケラ』を読んだ

久しぶりに湊かなえ作品を読んだ。『カケラ』。

一人の少女の死んだ。物語の軸となる美容整形の外科医が、その娘と関わりのある人たちから話を聞き死の真相を解明していく、という展開になっている。

イヤミス要素はしっかりと出つつも、個人的には今までで一番メッセージ性の濃い作品だと思った。

湊かなえ作品を読み終わった後は大体、胸元をかきむしりたくなるような、ゾクゾク感が残る。そして癖になって、また読んで

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『書くのがしんどい』を読むのがしんどかった

『書くのがしんどい』を読むのがしんどかった

初めて読んだのは、初版が出た1年半と少し前でした。

読んで、良いと思った内容をまとめた記事が僕のクリエイターページにあります。

実は、めちゃくちゃしんどかったです!!!

まとめるのが!そして読み切るのが!!

だからなのか、自分がまとめた記事を改めて読みましたが、当たり障りのないこと書いてんなーって思いました。

多分読んでいる当時も、

文章のデザインか、へー。面白い文章か、ふーん。読み手

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生きてきた26年間に無数の贈り物があったことを、たった1冊の本に気づかされた

生きてきた26年間に無数の贈り物があったことを、たった1冊の本に気づかされた

『世界は贈与でできている』を読んだ。

一言で言うと、贈与という難しい哲学を、誰でもわかる一般教養へと翻訳した本、って感じ。

難しい概念が、スルスルと頭に入ってくる。なんかちょっと頭良くなった感じもさせてくれる。

ありがたい。

それだけじゃない。

今までの贈与に気づかせてくれる。

幼稚園の送り迎え。やりたいと言ったサッカーをさせてくれたこと。汗をかいた布団を干してくれたこと。朝6時に弁当

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