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生きてきた26年間に無数の贈り物があったことを、たった1冊の本に気づかされた

『世界は贈与でできている』を読んだ。

一言で言うと、贈与という難しい哲学を、誰でもわかる一般教養へと翻訳した本、って感じ。

難しい概念が、スルスルと頭に入ってくる。なんかちょっと頭良くなった感じもさせてくれる。

ありがたい。

それだけじゃない。

今までの贈与に気づかせてくれる。

幼稚園の送り迎え。やりたいと言ったサッカーをさせてくれたこと。汗をかいた布団を干してくれたこと。朝6時に弁当を作ってくれたこと。運営するサークルで僕のやりたいことのために、雑多なことを全て周りが引き受けてくれたこと。

今まで与えられてきたことに気づかなかった。こんなに自分のために何かしてくれている人たちがいたのに、気づかなかったのはなんでだろう。

本書では、受けての想像力があってこそ、贈与は成り立つと言っている。

きっと僕は想像力が足りなかった。もちろん想像力がゼロではないけど、多くの贈与に気づくほどの想像力がなかった。

今までの贈与に気づかなかった。気づかなすぎた。

本書を読んで、ちょっとずつ気づくことができるようになった。一生気づかないのと比べたら、26歳で気づけて良かった。

贈与とは何か、を教えてくれると同時に、想像力を与えてくれた。


これを読む前と後で、何かできるようになったわけではない。

贈与の送り手になりましょう、的な教えは説いていない。

こうしたら想像力が鍛えられて贈与に気づけますよ、的なノウハウも書いていない。

明日からすぐに役立つ何か、を求めて読む本ではない。


この本を読んで、無数の贈与に気づく。ただそれだけ。でもそれで十分だと思う。


ときどきこの本に立ち返って、自分を見つめる時間を取ろう。そう思えた一冊だった。

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