『自分を捨てる仕事術』スタジオジブリ・鈴木敏夫さんの仕事の教え「自分を捨て、真似ろ」
いつもお読み頂きましてありがとうございます。
本日は、石井朋彦さんの『自分を捨てる仕事術 鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド』をご紹介します。
この本はインスタの人生相談で、おすすめ本を募集したときにフォロワーさんに教えて頂きました。
著者の石井朋彦さんは、21歳でスタジオジブリに入社。
その後、鈴木敏夫さんの下で宮﨑駿監督の『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』などのプロデューサー補をつとめられ、27歳でジブリを退社。
それからは押井守監督や岩井俊二監督といった、日本を代表する監督の作品をプロデュースされます。
この本は、石井さんが若い頃、鈴木敏夫さんから直接叩き込まれた「自分を捨てる仕事術」について書かれています。
鈴木さんはまだ若かった石井さんに、若さとはまわりから何も期待されていないことを自覚することが大事だと説きます。
何か意見を言おうと息巻けば、人の話が聞けなくなる。
だからまず3年間は、真似だけをするように言います。
つまり「自分を捨てて他人の真似をする」仕事術です。
鈴木敏夫さんが石井さんにお話された、宮﨑駿さんのエピソードを引用します。
"「宮崎駿という人は、高畑勲という人の下で20年間、真似をし続けた人なんだ。
考え方や立ち振る舞い、話し方。
字まで真似たんだよ」
そして、高畑さんと宮崎さんの手書きの文字を並べて、見せてくれました。
『風の谷のナウシカ』と『天空の城ラピュタ』の企画書でした。
「よく見て。高畑さんの字は、右に倒れているでしょ。これを、左に傾けると宮さんの字になる。
宮さんは、高畑さんの字まで真似たんだ。
そして、結果『宮﨑駿』になった」
そういう鈴木さんの字も、高畑さんと宮崎さんの字に似ていることに、そのときはじめて気づきました。"
このエピソードはビリビリと痺れました!
真似るための心構えと方法。
・自分の意見を捨てろ
・常にノートとペンを持ち歩き、その場で話されたこと、起きたこと、相手の身振り手振りや場の雰囲気も含めてすべて書き残せ
これを3年ひたすら続けます。
真似たい人にひたすら食らいつくように、利己的に真似る。
石井さんは、
「テクニックを盗むことによって、相手が長年積み上げてきた経験と同等のスタートラインから歩き始めることができる。
こんな近道は他にない」
と、考えるようにしたそうです。
「自分を捨てる仕事術」は、それまでの自分を消して真似をした相手を「上書き」することではないそうです。
石井さんは、自分の力をより強固にし、自分にはない能力がどんどん自分の中に増えていく、「究極の奥義」だと言います。
今の時代、「自分らしさ」を追い求めるあまり、どのように仕事をしたら良いか、悩んでいる人も多いと思います。
そういうときは、能力のある人の仕事を徹底的に真似てみる。
逆に「自分」を捨ててみる。
この他にも石井さんが鈴木敏夫さんから教えられた、エゴを手放すメソッドや、自分を捨てることで見える人間関係などの仕事術が満載です。
仕事だけではなく、趣味やSNS運営にも役に立つ本だと感じました。