『残酷すぎる成功法則』人気コメディアン「失敗から学ぶ力」のすべらない話
エリック・バーカーさんの『残酷すぎる成功法則
9割まちがえる「その常識」を科学する』をご紹介します。
タイトルにありますが、内容は別に残酷ではないです。
分厚いので、目次の興味のあるところを読むだけでも面白いです。
コメディアンが「失敗から学ぶ力」が、興味深かったので、ご紹介してみますね。
人気コメディアンのクリス・ロック氏のネタがどのように作られているかについて言及されていました。
クリスさんの即興かのように見える、素晴らしいパフォーマンス披露。
しかしそれは即興なんかではなく、実は1年にも及ぶ「実験」の成果なのだと言います。
練りに練られて仕上げられた「作品」なのです。
"クリス・ロックはメモ帳を片手に地元のコメディ・クラブへ飛び込みで行き、そこでネタを披露する。
そして観客の反応をその場でメモする。
ネタの大半は無惨にスベり、観客は不満そうにうめくか、静まり返る。
その反応を逐一メモし、また別のネタを喋る。
いくつかのジョークが受け、観客たちが笑いどよめく。
それもすかさずメモし、また別のネタを披露していく。
観客は、クリス・ロックがステージで失敗したと思って観ているが、そうではない。
彼は客の反応をテストしているのだ。
矢継ぎ早にネタをまくし立て、受けたものを残し、受けなかったものを棄てる。
この作業を6か月から1年、週5日毎晩くり返し、選りすぐりのジョークを集めたものが、爆笑につぐ爆笑をかっさらうパフォーマンスとなり、秀逸な1時間番組になる。"
私も講演会講師を始めたときに1番参考になったのは、コメディアンや俳優さんの仕事術でした。
私はものまねタレントの大御所コロッケさんの著書や、歌舞伎役者さんや宝塚俳優さんなどのお話しを参考にしていました。
私もクリスさんが行っていたことと同じようなことを今もひたすら繰り返しています。
私も笑いを講演のエッセンスに取り入れています。
受けが良かったり逆に悪かったジョークや小咄なども覚えておいて、次の講演に生かしていました。
失敗をたくさん繰り返して、検証して次へ生かすやり方は、いろんな世界に共通するのだなと感じました。
成功までの道筋は、とどのつまり、「ただやる」これだけ。
そして、次はもっと良くやる。
その次は、さらにもっと良くやる。
これをずーっとコツコツやり続ける。
結果を残す人は量をこなす人です。
量からしか、質の高いヒットは生まれないのです。
モーツァルトやゴッホ、シェイクスピアなど、枚挙にいとまがありませんが、彼らは有名な作品の裏に膨大な数の、知られていない作品を生み出しました。
世に出て名を成した作品は、ごくわずか一部だと言います。
巷にあふれる自己啓発書やビジネス本を何から読んだら良いかわからない人は、この本を入り口にすると良いと思います。
「自己啓発全書」みたいな感じなので、そこから気になったキーワードで探して、芋づる式読書をしてみるのもおすすめです。