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◎徒然 夕暮れには金木犀

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日々のこと、自分のこと、エッセイ、徒然
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記事一覧

だけどきみたちがすきだからさ

だけどきみたちがすきだからさ

左手の親指を包丁で切ってしまった。擦り傷。

「正反対な君と僕」が次回で終わるらしい。もうすぐ最終回であることはなんとなく勘付いていたけれど、追いかけていた漫画が終わるのはとても寂しい気持ちだ。あの、恋をしている時の些細な心情をすべて言語化してくれる阿賀沢紅茶先生には一生ついていきたい所存。全カプ自分のことかと思う魔法はきっと阿賀沢先生しか使えないよ。たぶん全世界の人が思ってる。ちなみに私の推しカ

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汝自身を知れ、我唯一のことを知る

汝自身を知れ、我唯一のことを知る

ウツミの心理描写なんですけど、これ、わたしが常々思っていることでもある。
自分のことを考えるのが苦手だと初めに気付いたのは多分就活の時だ。自己分析、というやらがひどく苦手だった。考えても自分のことがよくわからない。「これをした」という事実は書けても、「何故それをしたのか」という動機が思い出せない。いま現在自分が立っている場所やしていることについても、明確な意思があるかと言われると難しい。昔から夢や

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占いと猫が好きな人間は大体怠惰

占いと猫が好きな人間は大体怠惰

宿命と運命の違いについて

先日友人と占いに行った際に聞いた話をしようと思う。(なんか、占いに行ったとか言うと引かれることがあるのですが、普通にエンタメの線引きがちゃんとできる人間なのでムー問題です🌟)

占い師によれば、「運命の人がいるかどうか」の答えは「否」であった。運命論をよく描きがちな物書きのわたしとしては非常に悲しい話である。

けれど、「運命はないが宿命はある」と占い師は言う。
言う

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愛ゆえに

愛ゆえに

ゆるぎなくそっとそこにあるものは具体化することがひどく難しい。

最近読んだもので非常に胸を打たれたものがあるので紹介する。大麦こあら先生の『能見先輩の弁明』である。

🔗:能美先輩の弁明(光文社BL COMICS)

元々倫理的な話が大好きなのだけれど、まさかこんなところで哲学を絡めた恋愛ものが読めるとは思っても見なかった。大麦先生はどの作品も恋愛描写だけではなく、背景設定や細かい心理描写の解

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時雨月リミテーション

時雨月リミテーション

《制約は創造の母》である

最近知った言葉だが カッコいいので書き出しに使ってみることにした 制限や限られた状況の中で考えることで より良いアイデアが生まれることを示した言葉である

何かを禁止したり制限したりすると 人はその中でどう物事を良くしていくか 制限の中での最適解を考えるのだそうで (ちなみにツイッターの140字もこれに当てはまり、敢えて140字という制限を持たせたことによって、世界中で

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無花果に恋煩い

無花果に恋煩い

物語を書くことについて考えてみる

初めて物語を書いてから現在に至るまで 基本的にわたしは「自分が書きたいものを書く」というスタンスでいる もちろん読んでもらえたら嬉しいし 読んでもらうために書いているのだと思うけれど 心のどこかでは読者を後回しにしていることが多々ある つまり自分のために書いているのである 

最近「なんのために物語を書くのか」をよく考えるのです 最終的にはやはり「読んでほしい」

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クジラの心臓

クジラの心臓

うわー。うわー。穴があったら入りたい。
これ、私が今日、起きた時に思ったことです。

昨日ね、初めてスペースとやらをしてみたんですが、調子に乗ってベラベラベラベラ……  思い返すと恥ずかしい うん、穴があったら入りたいよ

でもね、今年は確実に自分の人生の転機で
だからこそ今のきもちは残しておきたいという想いもあるので ひっそりと綴ります 備忘録

最近さくらももこ先生の「ひとりずもう」を読んでね

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綴為

文章を書くのをやめてしまう日々が続いています。もっと言えば、書けない、です。

書きたいというきもちとは裏腹で、なにを書けばいいかずっとわからずにいます。今のわたしから生まれる物語を、大切にできるかとても不安です。

好きな作家さんのお話を作家読みすることが多いですが、今はそれが仇となっている気がします。自分の不甲斐なさと比べてつらくなってしまう、痛みがあります、すきなことだからこそです、じぶんの

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忘却

ミスディオールを身に纏ったところで、

赤毛のアンに憧れた、そばかすも色とりどりのセロハンもおさげに結った赤髪もきらいめいて見えた。蝶は見るだけなら綺麗であるし海の香りは好きではないけれど水辺が揺れる音はなんだか心地がいい、湯本香樹実の文章に触れるとやさしくなれるしテナーサックスの音を聞くと何故だかひどく泣きたくなる。

捻くれているので夢や希望といった言葉には信頼を寄せていない。嘘も間違いもほん

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焚木

知ってましたか。焚き木をすると、きゅううん、と音がするんです。ぱちぱち弾ける音に混ざって、苦しめられているような、締め付けられているような、そんな声がするんですよ。木に含まれた水蒸気が原因のようですが、自然の音とは不思議なもので、誰かがそこにいるような気になるんです。火とは恐ろしいもののはずなのに、なくてはならないエネルギー、常に私たちと隣り合わせ、だからこそなのかもしれませんね。

焚き木、と聞

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耳飾

実のところ、わたしは美術のことをなにも知らない。

中学2年で美術の教師が変わった。前任は定年を過ぎた絵の上手なお爺ちゃんだった。テストは筆記が半分、創作が半分で、絵を描くのが好きだった私は、そんなテストを作るお爺ちゃんのことがとても好きだった。私の絵のことをよく褒めてくれたのも印象に残っている。

そんなお爺ちゃんに代わってやってきた女性の美術教師のことは、はじめてあったときから、いや、彼女の授

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