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日記

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2021年7月の記事一覧

あなたは今もひとりで戦っていますか?

ある日、差出人の書かれていない手紙が届く。
「あなたとはいつでも歩いていた気がします」で始まる、少しだけお伽話めいたことばが綴られた水色の象のスタンプが押された、かわいらしい便箋と均等に並べられた美しい文字。
「あなたは今もひとりで戦っていますか?」、そんな問い掛けが印象に残る、あの冬の寒空のした、目の前の信号がすべて青で、街灯はオレンジ、それから廃墟のような街に、ひとっこひとりいない夜の道なみを

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別れたことに気付かない時が、本当のお別れ

気付くと、またひとりになっていた。静けさのなか。たとえば、爆音で掻き鳴らされたライブが終わったあとのように、孤独はそのようにして、僕を優しく包む。

ある日、口をついて出たことば。
僕は必要な人間ではないから。
それがどんな文脈で、何を感じながら発したのかは覚えていない。
相変わらず混乱してるな、というより、混乱がそのまま僕だよな、と思う。

僕のなかには部屋がいくつかある。

たとえば、昔の恋人

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あの日の君と僕に誓うよ

ちょっとfacebookを手繰れば、2018年の今日、僕の人生をガラリと変えたひとと、しばらくのお別れをした日で、決意や感謝のことばが出てくる。
出会ってからだと、やっぱり5年か6年かは経つのか。
あのお別れ以降、お互いにどんな風に生きて、どこで暮らしているのかさえ、たぶん知らない。
あれから何人かの恋人ができて、たまに彼女の話をすると、恋人たちは必ず泣いた。そんな自分にも、辟易するいまは、ひとり

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差し出された手

凄く久しぶりに、役者をやっている友達とやり取りをして、最後に会った時と同じように言われる。
「先に行っちゃいますよ」
ちょっとだけ、僕が書いた小説の話をする。
それから、ここのところ書きたいと思っている小説の話を。
いまももちろん書き上げた小説に愛着はあるけれど、
早く次を書きたいし、そう言えば読んで貰ったひとに、応募しなよ、なんて言われたことを思い出す。
でもそうだな、USBごと預けた友達がどう

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やがて祝える日があるとして…。

思うところがあって、iTunesで中村一義さんのプレイリストを作った。何時間かかったろう?。「主題歌」がない。「ハレルヤ」のシングルヴァージョンもないな、CDで買い直したいや、なんて思いながら、「021217」ってDVDを観る。

「ショートホープ」で中村くんが手を合わせて合掌する場面。「新世界」で手で拳銃を作り、こめかみにあてるシーン。昔、いまは活動休止中の秘密ロッカーってバンドのあっこさんって

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愛してるは恋人に勝てない

思うところがあって、中村一義さんのアルバムを聴いている。中村一義さんについてはまた近いうちに書きたいな。特別なアーティスト。僕がDJとして叶えてない夢のひとつは、DJとして中村一義さんのライブに呼ばれること。

ふと思い出す。
ある女の子がいた。ずっと二人で遊んでいた。彼氏が途切れないひとだった。周りのひとたちは、二人は両思いだなんて、言ってた。彼女は、僕をどう言って、その実、どう思っていたのだろ

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おなじ話

前記事のちょっとだけ、続き。

最近、ふと呟いた言葉。
それからここ何年か思っている事。

子供が欲しい。
結婚がしたい。

でもそれは大雑把な願いだな、と思う。
それは、可能性があれば、できたらいいな、くらいにしか思ってはいない。
思えば、ずっと自分の可能性をどんどん潰し、消して、最後に何か残れば良いと思っていた。
可能性、未来って一見明るくて、無限で、
だから、何でもできる気がして、
その実、

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空に願いを

子供の頃、大好きだった母方のおじいちゃん家に向かう車内から見える夕焼けに、いつかみんな消えていくんだな、と泣いたことを覚えている。
おじいちゃんは戦争で聴力を失い、たまに家に行くと、ふたりでずっと野球中継を見ていた。静かに見守られていた優しい場所は、きっとほとんど戦争だった子供時代、唯一、何も考えずに居られる居場所だった。

今年は、梅雨が本当にしんどかった…。精神的にやっぱり何度か落っこちそうに

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