あの日の君と僕に誓うよ

ちょっとfacebookを手繰れば、2018年の今日、僕の人生をガラリと変えたひとと、しばらくのお別れをした日で、決意や感謝のことばが出てくる。
出会ってからだと、やっぱり5年か6年かは経つのか。
あのお別れ以降、お互いにどんな風に生きて、どこで暮らしているのかさえ、たぶん知らない。
あれから何人かの恋人ができて、たまに彼女の話をすると、恋人たちは必ず泣いた。そんな自分にも、辟易するいまは、ひとりでずっといる。しばらくはやっぱりひとりだろう。

洋愛さんと、最近たまたま連絡を取り合っていて、酒屋のバイスタンダーね!なんて、言われる。
YUKIの当時、聴いていた歌。
疲れ果てた時に逃げ込む場所だった、彼女の姿。
彼女の話を書けばとても長くなるから、いっそ小説にしちゃおうと思って、実は何度か書き出している。それはまだ書き終えていない。
いまだから、アホなことを書くけれど、携帯さえ支払いをすっぽかし、連絡さえ取れない僕が働いているお店に、呑みに行く約束の時間を告げるためにダッシュで僕のところへ来て、真剣に、まるで瞳孔が開いてきらきらした眼差しで僕と向き合った彼女に、僕の内心は、やばい!それ以上見つめないで!落ちちゃうから!落ちちゃうから!やばい!落ちた!落ちたー!とドキドキしながら、冷静なフリをして、彼女を見下ろしていた。

ある冬の日、公園に彼女を呼び出して、誓ったこと。まさに、バイスタンダー。あの日誓ったことはまだ実現できなさそうだ。

凄く真っ直ぐに見つめるひとだった。
手厳しく、叱られたりもした。
距離を測るのが難しいひとだった。
作り笑いをしないひとだった。
いまもまだ、その瞳は未来を見てるんだろうな、と思う。
負けてらんないな、といちばんに思うひと。

たまに行っていたカラオケ。
最後に行った時、大橋トリオのカバーする、ラブリーを彼女が歌って、その日は終わった。
猫飼いたいなって呟く僕に、婚期が遠のく!と笑う彼女。

そして何より僕を、長い間くすぶっていた僕を、
まるっきり変えたひと。
約束はまだ果たしてない。
それから、物語も終わりはまだ来ていない。
あの日誓ったことがまだ果たされていないから。

もしかしたらもう会うこともないかもしれない。
彼女にとって僕がどういう存在だったか、確かめようもない。
彼女の作品が欲しいな、といまも思う。
だから、やっぱり、あの頃のお話を書き上げて、
それができたら会いに行こうか、と勝手に決める。
いつでも僕の背中を叩いてる彼女。
やっぱり瞳の強い光。
彼女についてはほんと、書き足らない。
それが恋愛ではないとしても。
愛だけ。

彼女はきっと力強い作品を作り続けてるんだな!と思うと、負けられない。
あの最後の日からいままで、いままでからいつか会う不在の日々を、この先語る日が来るとして。
いや、どうかな?。
唯一、負けたくないと思うひとゆえ、
やっぱり彼女の作品と、僕の作品だけが、
いつかどこかで出会えたら、それがいちばん幸せなことかも知れない。

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