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内定式後から就活した新卒の会社を15日で辞めたけど、私は元気に生きています。

内定式後の残った枠が、私の勝負のはじまりだった。すなわち1年前の10月末にようやく就活をはじめた。

院進を考えていたこと、それが最も良い選択思っていた。でもそれは“世の中的に”や“理系の世界から見て”最善であり、私にとっての最善ではなかった。そんなこと、もっと前から気づいていたけれど気付かないふりをして、「大学院に進むことが一番いいんだ」と自分に言い聞かせて、そうするつもりだった。

大学4年生の卒業研究がはじまる直前に、私にはこの学科で院進することは難しいんじゃないかと思ってきた。勉強はすればできる。大体のことはそれなりの時間を費やせば、まあまあの出来にはなる。それで凌いできた私は、純粋に楽しむ人に敵うことは無かった。女性の少ない機械工学科の貴重な女性として、私はある種男女差別を逆手にとってその世界で生きていた。

組織の中での立ち位置も、勉強でも、私は上の方にいたけれど、それでも私はここには向かないと思い続けていた。私より勉強なんてできなくなって、技術的に上手い人は山ほどいて、関連知識は授業なんかで身につかず、それを趣味のように習得していく人を見て、私にはそれほどの情熱が無いことを知った。今は私の方が出来るかもしれないけれど、いつかは越されるし、そうまでしてこの世界にしがみつきたい理由も気力も無かった。

その世界を捨てたとて、次にどうしたいのかは全く宛もなく、彷徨い続ける時が長かった。そうしてようやく、吹っ切れたような旅を起点に、猛烈に自己分析をし、何となく就活をはじめた。就職なんて別にしなくても良かった。これから1年悩んでもいいと思った。ただ、就活だけは経験しておこうと、とりあえず手当り次第に面接に進んだ。

大学4年生の10月末の就活は残った枠、選ばれなかった企業が並ぶんだと思う。サークルやアルバイトで培った話す技術のおかげで面接は通る。ただ、いくら説明会に行っても、質問しても、自分の目指したいことは見つからなかった。

「3年後の将来像を教えてください」

用意しておいた、どこででも使えるようなセリフを声に出す。とりあえず私は内定と言うものを取ってみたいだけで、就職するかは別問題で、だから目の前の面接官の欲しい言葉を選ぶだけだった。

就活エージェントにも頼ってみたけれど、「で、あなたはどうしたいの?」には結局詰まるので、おすすめしてもらった企業もなんだかなぁと決め手にかけるものばかりだった。当たり前と言えば当たり前である。求める最低条件も、理想も、私は何も持っていなかったから。

私は理系のコンサルとして採用された。普通は新卒は取らない特別枠と聞かされ、優越感と結局は「理系が活きるし良いかな」くらいで決めた。とりあえずは入ってから何とかしようと内定承諾した。ただ、やっぱりこれだけでは納得できず、ライターの副業を考える日々だった。就活の中で考えて、一番やりたいと思った仕事だった。書くことは私の一部で、伝えることを知りたいと思った。伝えたい人に届ける力が欲しいと思った。でも仕事が始まったら考えようと思った。

しかし、入社1か月前に突然「やっぱり新卒と同じ枠でお願いします」と部署変更が伝えられた。騙されたと思った。そんな会社なら辞めてしまおうと思った。でも社会経験かととりあえずは営業としてその会社で働き始めた。

私は営業に向かなかった。新規のテレアポ営業では当たり前に電話口で怒鳴られる。入社3日目にして私も怒鳴られ、その日のお昼ご飯は食べる気がしなかった。お昼休憩丸々一時間、御手洗に籠って泣いた。辛い、苦しい、やりたくない、もう辞めたい。その期間は書くことだけで生き繋いだ。2週目からは朝も昼も夜も泣いた。こんなに涙が出てくることに驚いた。心が拒否反応を起こしていると思いながらも、泣きながら行き、何事もない顔で業務をして、お昼休みは泣き、何事も無く業務をして、泣きながら帰った。

急遽配属が変わったこともあり、上司も心配してくれる人もいたが、「打たれ弱さは治さないといけないね」と言われ、即座に辞めた。私の良さが活きず、私の性格も否定するような会社にいたくない。入社15日目、即決で辞めた。

そして私は無職になった。勢いで辞めているので行き場もない。途方に暮れた、ただ食事と排泄だけをする有機物として、そっと息をする日が続いた。なんで辞めてしまったんだろう。なんで生きてるんだろう。何して生きていくんだろう。どうやって生きればいいんだろう。私なんかができる仕事はあるのだろうか。何も考えたくない。何もしたくない。一日中寝ていて、気づいたら夜で、一人の真っ暗な時間にはnoteに縋った。そのときは書くことだけが私を救ってくれた。

でも私は自分の強さを知っていた。ある程度の時間が私を動かしてくれると信じていた。貯金だけが原因では無いけれど、暑くなってきた貯金の終わりが見え始めた頃、突然動き出した。「やりたいことをやろう、私の良いところを活かせることをしよう。伝えるスキルを身につけよう」そう思ってからは早かった。転職サイトに登録し、たくさんのエージェントに同じ話をして、私を引き出してもらって、転職活動をはじめた。

スカウトできたものがすごく良い内容だった。大変そうだけれど、伝えるスキルが身につきそう。そう思った企業さんと2回の面談をし、インターン期間経て、私は働き始めた。その会社は中途しか募集をしない小さな会社だった。

働き出して、私の良さや得意なことが多いことに改めて気づき、円滑に進んでいくのを感じた。私の主観だけでなく、周りからも「すごいね」「はやいね」と度々言われている。それにやっぱり私は欲しいスキルがそこにあると日々実感していった。


私は内定式後に就活をはじめて、なんとか内定して働いたも、15日目に退職した。でも今、大変だけれど楽しく前向きに働いている。自分でも信じ難いがそれは事実としてある。

新卒のときに就活したから、転職活動もそれなりに進められたんだと思う。新卒で一度でも働いたから、中途採用しかしていない今の会社に出会えた。そもそも大学院の進学を辞めて就活しようと思ったことがはじまりかもしれない。その挑戦がひとつでも無かったら今の私はいない。

働くことははじまったばかりでまだまだ先は長いのだろう。でも新卒の15日の記録は越えられたのだから、また辞めても、またはこれから大変なことがあってもたぶん大丈夫。

内定式後から就活をはじめることも、配属が変わった新卒の仕事も、無職期間も、転職活動も、今の新しい仕事も、どこを切り取っても「大変なことばかり」だけど、今の楽しい生活をする私には挑戦がないと出会えなかった。だから行動することは大切だということを常に心に刻みながら、これからの人生の壁も乗り越えることにする。

#挑戦してよかった

▼つづき

▼新卒就活・転職のあれこれ

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葵月みず
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