料理って楽しいね
彼との暮らしをゆるやかに始めた数日後
早々と外食やパンなどの売られるものに飽きてきた。
いや、作ったものが食べたくなったのかもしれない。
今までの実家暮らしでは、母は料理好き、妹は管理栄養士を目指しているためそれなりに料理もする。そんな家庭で私はひたすら「おいしい!」「食べ専最高!」なんて言っていた人間だ。
そんな私が家の味が欲しくなり、彼との暮らしをはじめたわずか数日後にはキッチンに立っていた。
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ちなみに私の現在の料理スキルはというと
包丁は最低限使える
ほぼ調理実習のみ
家のご飯の手伝いもほとんどやってこなかった
お菓子は少し作れる(が意欲的では無い)
家で作るのは火を使わないおつまみ
(切って混ぜるだけ)炒めることはできる
茹でることは分からない
ゆで卵を作ったことは無い
バイトの居酒屋さんで知識だけは付けられた
バイトのおかげでお皿洗いは好き
(むしろやりたい)
本当に作らないし、作ってもほぼ切らず、火を使わず。ご飯作りもあまり手伝わない、甘々な環境で育った。
好きな食べ物で言うと、野菜が好きです。野菜取れないと嫌です。肉より魚、魚より野菜を好みます。外食や買い弁は美味しいけれど、野菜不足しがちじゃないですか。そこが嫌になってしまったのかもしれません。
そんな私が真っ先に作ったのは無限ピーマン
ピーマンをごま油で炒めて、ツナ缶入れて、めんつゆで味をつけるだけの、ピーマンを切って炒めるだけのザ・シンプル料理。
簡単だけど、冷たくても美味しいから、実家の冷蔵庫にいることが多い料理。だからこれならすぐに作れそうと思いました。
ピーマンをひたすらに切る
これがすごく腰にくる
結構大変
でもなんだか久しぶりに1つのことに集中している感じや、慣れないことをしていることが、気持ちよくて楽しくて、とにかく夢中で切って、それからは炒めて。
ごま油の香りが漂ってくると、少しお腹も空いてくる。家にいた時にはお腹は空いても食べたくなかったのに、こうして作ると食べたい気持ちもむくむくと湧いてくる。
こうして久しぶりにおかずらしいおかずを作った。
彼の家に来る時に、人参がたくさんあるからと母からもらっていて、ただ彼もそんなに自炊!という感じでも無いので、数日間冷蔵庫の中に眠り続けていた。
ピーマンを作ったおかげで、「人参もいけるかも!」と思い、レシピを調べて見よう見まねで人参しりしりを作る。冷蔵庫に眠っていた青菜も入れてみた。
人参の細切りはやっぱり腰にくるけれど、それより楽しさが勝る。炒めてどんどんしなってくるところが美味しそうでとても良い。
「調味料は薄めにいれるといいよ。薄い分には濃くできるからね」
そんな母の言葉を思い出し、少しずつ味を見ながら足していく。
そうやってはじめて人参しりしりを作った。
これが彼の反応がすごく良くて、もりもり食べてくれて、それがとにかく嬉しくて嬉しくて
“作る楽しさ” を感じてしまったのかもしれない。
薄味の野菜はほっとする味で、食べたかったものにぴたりとはまるような感じがあった。私には野菜が無いとダメなんだと実感した。
それから、野菜は少しの間保存しつつ、彼の「おいしい!」という良い反応に誘われるように、少しずつ作り始めた。
刺身や寿司をよく食べたがるから、まぐろ漬けを作って、得意のアボカドを使って まぐろ漬けアボカド丼 を作った。アボカドは好きでよくアボカド丼を作っていたんです。
このまぐろ漬けアボカド丼がまた、すごく美味しかった。
そのまま食べても美味しいまぐろを、ひと手間一晩漬けるだけで、ねっとりしたまぐろ漬けができる。そこに数十分漬けたアボカドを散らすと、色味も食感も味も、飽きないまぐろ丼ができた。
料理の楽しさを完全に理解してしまったんだと思う。
あるものから、できるものを探す。
そのパズルも面白いし、調味料も母の助言のおかげでまだ濃すぎるといった失敗はしていない。
なんにせよ、私はお金は無くとも時間はたっぷりあるのだ。レシピを調べるのも時間をかけ、慣れないことも焦らずできる。自炊をあまりしない彼だからこそ、食材やキッチンの使い方なんかもこだわりも無くて「自由に使っていいよ」と言ってもくれるから、気を遣いすぎることもなく、伸び伸び自由に作れる。なにより「おいしい!」と毎回美味しそうに食べてくれるのだ。
そしてやっぱり、作ったものはほっとする。
まだ、野菜を炒めることくらいしかやっていない。
でもはじめからできるなんて人はいないのだから、それに時間はたっぷりあるのだから、今はゆっくりやってもいいじゃないかと思うことにする。
そのうち一食作りたい。お弁当も作ってみたい。
久しぶりに “やってみたい” が出てきた。
今だから挑戦しやすい料理
今年かけて料理に挑戦するのもいいのかもしれない
作るって楽しいんだな