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なまえのない感情たち

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今までの小品たちを集めました。 ひっそりと読んでください
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#詩

渇き

情緒のある夜に流される。 唐突にドラマチックに泣いてみたくなって座り込むフローリングの硬…

moon
4年前
30

冷酒

「今日もきみの料理は美味しいね」 そう言って微笑むあなたの笑顔がわたしは好きだった。 こげ…

moon
5年前
15

なんといえばよかったの

ごめん、と振りほどいた視線は瞳を捉えることもできなくてただ行き場を失ったまま。 並んで歩…

moon
5年前
5

知らない。

だから心の扉だけは固く戸締りしていたのに。 ひとり、しんとした部屋で夜を迎えるのが少し…

moon
5年前
8

午後15時の紅茶

基本のステップなんて、アン・ドゥ・トロワ 先生のカウントが無くても簡単に踏めてしまう。 口…

moon
5年前
5

さめてゆくの

目を瞑ると時計がカチカチ針を進める音が聞こえる。この音が刻み込まれるたび、残された温もり…

moon
5年前
14

かくれんぼ

暗闇は怖い。 知らない世界で迷子になってるようで。 まだ私は幼くて、田舎のちょっとした商業ビルが立ち並ぶ街が世界の大きさに見えた頃。掴んでいたはずのママの手がちょっと離れた隙に私はひとりぼっちに取り残された。 迷子の時って不思議ね。さっきまでいた場所すら異国のように見えて、途端にもう一生ママに会えないんじゃないかって思う。 大きな声で泣くと周りの大人たちは心配そうに、どうしたの?迷子なの?って優しく話しかけて頭を撫でてくれる。 そのうちに、ママは必死でわたしを探しにきて、