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かくれんぼ

暗闇は怖い。
知らない世界で迷子になってるようで。

まだ私は幼くて、田舎のちょっとした商業ビルが立ち並ぶ街が世界の大きさに見えた頃。掴んでいたはずのママの手がちょっと離れた隙に私はひとりぼっちに取り残された。
迷子の時って不思議ね。さっきまでいた場所すら異国のように見えて、途端にもう一生ママに会えないんじゃないかって思う。
大きな声で泣くと周りの大人たちは心配そうに、どうしたの?迷子なの?って優しく話しかけて頭を撫でてくれる。
そのうちに、ママは必死でわたしを探しにきて、温かい手で包み込んでくれた。

たった今、暗闇の中でわたしの手を包み込む片方のわたしの手は冷え切っていた。
大きな声で泣いたら、眉間と心臓がギュッとなって痛い。
この世界では誰が私を探しに来てくれるの?

私はもう大きくなったはずなのに、あなたが去った都会のアパートの一室は宇宙のような大きさで。
もう一生あなたは私を探しに来ないって、わたしは大人だから分かっているはずなのに。
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