記事一覧
100キロ走れた私がALSになり老人ホームに入るまで #4「むすんで、ひらいて」
(前回まで)
むすんで、ひらいて
訪問看護でラジカットの点滴を受け始めた頃から訪問リハビリも受け始めた。理学療法士による身体機能のリハビリと、言語聴覚士による言語・嚥下機能のリハビリの二種類だ。
ALS患者のリハビリの目的は、機能回復ではなく現状維持。疲れるほど頑張ると病気の進行を早めると言われているのでやりすぎ禁物。物足りないくらいがちょうどいい。そのときの「今」の状態ができるだけ続くこ
100キロ走れた私がALSになり老人ホームに入るまで #2「診断」
前回まで→#1
診断
神経内科のある大きな病院でもこれと言う原因はわからず、経過観察となった。世間では新型コロナウィルスの感染拡大が始まっており、病院は物々しい雰囲気だった。
この頃から少しずつ咽せることが増え、舌足らずというより酔っぱらいのような喋りになっていった。健康診断ではバリウムを誤嚥し、盛大に咽せて検査室をバリウムまみれにしてしまった。そのことを医師に話すと検査入院することにな