毎回のように感情が振り回される朝
「やばいやばいやばいやばいやばい」
テスト当日の朝、僕は自分自身が全く勉強をせずにテスト当日を迎えてしまったことを猛烈に後悔している。
なぜ、テスト勉強をしなかったのか。
そんなことは全くわからないが、兎にも角にもテスト勉強をせずに、テスト当日を迎えてしまったのである。
今から、急いで学校に行けば、テストが始まるまでの時間でなんとか知識を詰め込むことができるかもしれない。
僕はすぐさま家を出て、全力で自転車を漕ぎ、田舎道を進んでいく。
しかし!!
全力を出しているにもかかわらず、なぜか自転車のペダルは鉛のように重く、いつになっても学校にたどり着かない。
道中では同級生に追い越され、「(脚の疲れが)きてるね!」とからかわれた。
「うるせえ!」と、同級生に言い返しながらも、意外と疲れていない脚に疑問を感じつつ、
いつまでも学校にたどり着きそうにない様子から、たまらず自転車を道に捨てて走り出す。
すると思いのほか早く、見覚えのある校門が見えてきた。
なんだか懐かしく感じる校門をくぐると、なぜか急に現れた見覚えのない教室に体が吸い込まれていく。
なんとかテスト開始直前の教室に滑り込んだらしい僕は、すぐにテスト勉強に取り掛かるのだが、なんの教科のテストか分からない。
「あれ!?今からなんのテストを受けるんだ、俺は!?」
そんなことを考えていると、教室中にチャイムが鳴り響き、顔がモザイクがかった教師らしき人物が教室に入ってきて、クラスメイトを馴れ馴れしく呼んでいる。
「はーい、あすかちゃん!」
ご機嫌なモザイク教師だけでなく、教室全体の風景がモザイクがかって歪んでいき、遠くからクラスメイトの声が微かに聞こえる。
「・・・んぐり・・いんぐり・・・ペラペラ・・・イングリッシュ」
イングリッシュ、次のテストは英語か・・・ありがとう。名もなきクラスメイトよ。
しかし、君は勘違いしているようだが、僕はペラペラどころか、日本語しか話せない。
「ペラペラ」と褒めてくれてるところ悪いけど、テスト直前のこのタイミングで教えられても太刀打ちできないほどの純日本人なんだよ。
そんなことを心の中で呟いていると、先ほどのクラスメイトがモザイクまみれの顔でこちらを覗き込みながら、何かを必死に伝えようとしている。
ん?なんだ?
この期に及んで、まだ何か伝えようとしているのか?
少しずつ大きくなっていくその声に必死に耳をすます。
「・・・・しょう・・・それでは、いただき・・マーティン!」
・・・・いただき、マーティン・・?
次の瞬間、僕は天井を見つめ、布団の上にいた。
付けっぱなしのテレビは、一人の青年がご飯の上にお肉をオンザライスする様子を映し出している。
ん?あれ?テストは?
・・・・・・そうか!!夢か!!!そうか!!!俺は社会人か!!!テスト勉強しなくていいのか!!やったー!社会人バンザーイ!!
となぜか自らが社会人であることに胸を撫で下ろし、社会人である事実に感謝をすると、いつもよりも少し楽しく朝の準備を進めることが出来る。
前置き長かったんですが、つまり何が言いたいかというと
こういう夢みた時の朝、めっちゃ得した気分になりません?(なんじゃそれ)
おわり(次回から真面目に書きます)