6月の最後にすること「好きにサヨナラをする」
もうすぐ6月が終わる。
そしてあの人を好きだった6月を終わらせようとしている。色々な節目でもあるこのタイミングで私は彼とサヨナラしようと思った。
短い期間のうち、今まで話したことがなかったという事実が嘘みたいに2人の距離はすぐに縮まった。こうなることがわかっていたかのようにピッタリと収まった。他愛のない話をたくさんして、大笑いする、私はそれだけで十分だった。
その他大勢と食事をする時、その人がいるとそちらに視線がズレる。もっと話したかったなあ。別に言葉の選び方が綺麗なわけじゃないけれど、なんていうか吸い込まれるようなそれが心地よかった。
私、あなたの恋人になりたいわけじゃなかった。
ただ、その人のくれる言葉が好きだった。その言葉を耳と目から思いっきり吸い込んで、頭の中に閉じ込めて、たまに1人の時思い出しちゃったりなんかして、にやけてしまうの。
もしかして疑似恋愛してる気分になったのかなと今は冷静に分析している。ほら、好きな人ができたばっかりとか、ワクワクするあの感じ。その人のことばかりを考えてぼーっとしてしまうそれ。
嬉しかった言葉を額縁に飾って、覗きながらふーんと眺めてお茶お飲むような。放り込んだお砂糖をくるくる回しながら全部全部私の中に溶かしていく。重たいとか言わないでよ。
でもね、私、知っているの。本当は言葉よりも態度で示してくれる人に心を委ねるべきであることを。飛び抜けて素敵で、キラキラした言葉をくれるけど、それは私が喜ぶことを知って口にしているだけでしょう。その言葉にいつしか心が乗っていないことに気づいてしまった。
だからもう私、あなたを好きなことをやめようと思うの。特別にバイバイは言わない。そうしたら決意が緩んでしまう気がするから。
彼に送るメッセージを打っては消してを繰り返す。送ったら負けだと意地を張る。6月もあと1日で終わる。7月はもうあなたを好きじゃない。
この前一緒に食べたお魚。サラッと婚約報告くらいしてくれればよかったのに。そんなに酔っていなかったくせに。もうあのお店は行かないよ絶対。
隠そうとしなくていいんだよ。だって私はあなたじゃなくて、あなたのくれる言葉が好きだっただけだから。でもそれも全部6月に置いていくことにした。
さよなら。大好きな言葉たち。
私はあなたから吐き出される言葉だから大切にしたかったのかな…?その人の言葉が好きとか言いながら、最後は言葉足らずで終わるなんてね。
※追記※
この話の続き、7月中旬の成果発表はここから。
6月は物理的なサヨナラで、7月は本当の別れを決意する。