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短編小説『去り際の終電』
あの日もこんな日だった。いくら待っても彼女は来ない。次はもう、終電だ。
彼女とは、大学で会った。2個上の先輩で学科と学部が一緒、あとサークルも。そのサークルには同じ学科と学部の人は僕と彼女しかいなかった。新入生歓迎会では、その人の隣に座り、いろんな話を聞いた。チョコのような匂いの香水とタバコはピアニッシモを吸っていて、チョコミントを彷彿とさせた。先輩は日本酒が好きでよくベロベロに酔ってしまう
短編小説 『のろい』
短編。
「知らないんです」
取り調べ室の男は言った。彼の様子から見るに、それは事実らしい。どうやら本当に知らない間に他人に暴行を加えたらしい。
ーーーー僕には呪いが見える。
唐突に彼は呟いた。そして、彼は何があったかをブツブツと語り始めた。
呪いというのは、なにかに対して想いが強くなりすぎると現れる物だ。僕にとっての呪いは僕自身だ。
僕が駅のホームで待ってるとそいつは現れた