雑文 #302 3.11以降
11年前の3月11日14時46分頃、私は母と秋田の家の居間にいた。
何ということもなく、ぼんやりソファに座っていたと思う。
私は無職で主婦もやらず親の世話になっていて、要は療養中の身であった。
療養もずいぶん長引いていて、途方に暮れていた。
やることもなくぼんやりしていたら、突然激しく地が揺れた。
父は仕事に行っていたのだろうか。私は母とふたりきりだったが、「猫を守り、外に出る」べきだという思いは一致していた。
母は火事場の馬鹿力みたいなのを発揮して、3階の納戸に猫のかごを取